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8月3日の仏『ル・モンド』は、イスラエルのオルメルト首相がミュンヘンの日刊紙『ゼートドイッチェ・ツァイトゥング』(Süddeutsche Zeitung)で語った内容を紹介している。要旨は、イスラエルはレバノン南部へ派遣される国際部隊にドイツの参加を希望するというものだ。オルメルトは「ドイツ軍が南レバノンに来ることに何ら問題はない」という言い方をしている。というのは、この参加問題がドイツ国内で議論になっているからである。大政党の一部から反対の声が上がっているという。つまり、「ドイツ軍はナチとホロコーストという過去の事実から、中東では中立を保つことはできないだろう」「ドイツ軍はイスラエルに対して銃を向けることはできない」というものだ。それに対してオルメルトはこう言う。「なぜドイツ軍がイスラエルに銃を向けねばならないのか、彼らはイスラエルを防衛する部隊の一部となるのだ」さらに「ドイツはイスラエル国民の安全に貢献することができる」と語る。
『ル・モンド』の記事はオルメルトの言葉を紹介しているだけだが、ここにはイスラエルの本音がある。オルメルトは、過去の“まやかしの亡霊”に怯えるドイツ国民の心情を見透かして、逆にイスラエルを助けるよう誘っているのである。アメリカとイスラエルが期待し、目論んでいるのは、ヨーロッパ主体の国際部隊を、何らかの“必然的成り行き”を作り上げて、対ヒスボラ、さらにはシリア、イラン相手の大戦争に引きずり込むことであろう。フランスは、その手に乗らないように「まずは停戦」という主張でアメリカに抵抗しているが、イラク戦争に反対した当時と違って、抵抗は弱々しい。落日の米国との距離を広げる一つのチャンスであるのに、だからヨーロッパはダメなのだ。
『ル・モンド』
http://www.lemonde.fr/web/depeches/0,14-0,39-27797635@7-37,0.html