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http://tizu.cocolog-nifty.com/heiwa/2006/08/218__2572.html から転載。
>>日々通信 いまを生きる 第218号 2006年8月2日<<
伊豆利彦 http://homepage2.nifty.com/tizu
中東と朝鮮問題
ヒズボラが2人のイスラエル兵を捕虜にして、イスラエルにとらえられているヒズボラとの捕虜交換を求めた。
これを契機にイスラエルは、レバノンに対するはげしい砲爆撃を開始し、地上部隊までもが国境をこえて攻め込み、多数の非戦闘員を殺傷した。
国連の監視所が、国連側の制止にもかかわらず攻撃され、4名の職員が死亡した。
カナでは避難所が攻撃され、子ども37人を含む一般民間人すくなくとも54人が死亡した。
イスラエルのレバノン侵攻は自衛のための攻撃だとして、アメリカがイスラエル非難、即時停戦要求に反対したため、国連は空爆を遺憾とする声明を出すにとどまった。。
レバノン人はイスラエルの暴行を放置する国連に怒り、ベイルートの国連事務所を襲撃するという事件が起った。
レバノン国民ばかりでなく、世界各国民のはげしい抗議がイスラエルに集中し、即時停戦を求めるでもが世界各地で起った。
イスラエルは48時間の攻撃中止をおこなったが、その期限も今朝で切れた。
期限切れとともに、イスラエルははげしい空爆を開始し、地上軍も大挙してレバノンに侵攻したが、ヒズボラの抵抗も想像以上に強いという。
レバノンの国民は国土を蹂躙するイスラエルを憎悪し、抵抗するヒズボラを支持するようになった。
イスラエルの意図は、ヒズボラの壊滅にあるというが、アメリカもヒズボラの武装解除を求めている。
ヒズボラはこれに反対し、レバノン国民の圧倒的な支持を得てはげしい地上戦が展開されることになった。シリアやイランもまきこむ大戦争に発展する危険もあるという。
イラクでは連日は爆弾事件がおこり、現在、12万7000を駐留させているアメリカは手を抜くことができない。
5年も6年もつづく泥沼戦争はアメリカ国民を疲労させ、アメリカ経済も根柢からむしばまれている。
これ以上、戦争を拡大することはいかなアメリカにも不可能だと思われる。
この戦争は何を中東にもたらしたか。
アフガンも政情不安定だというし、イラクにいたっては国民は生活を破壊され、日々、不安におびえて暮らしている。
これが、正義と人道、自由と民主主義を標榜する戦争の結果だ。
イスラエルはさらに戦争を拡大し、アメリカをもまきこむ大戦争にまで発展させるのだろうか。
アメリカは大きな岐路に立たされている。
朝鮮問題も、このような情勢と無関係ではない。いずれにせよアメリカは朝鮮問題に力を入れる余力はないのではないか。
それが朝鮮(北)をいらだたせ、アメリカを振り向かせるために、さらに過激な行動に向かわせるかも知れない。
そして日本にはそうした朝鮮の挑発的な行動を期待し、朝鮮の脅威を強調して、ひたすら対朝鮮強硬路線を突っ走ろうとする動きがあるのが気がかりだ。
朝鮮問題をテコに憲法改定、軍事力強化、愛国的国家体制の再建を図ろうというのである。
昨日、掲示板に次のような次のような書き込みがあった。
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北朝鮮による侵略に備えましょう。 返信 引用
名前:防犯・防諜普及会 日付:8月1日(火) 18時32分
防犯・防諜普及会
北朝鮮による侵略に備えましょう。
日本政府の動議により、北朝鮮非難の安保理決議1695号が可決しました。これに対し北朝鮮は強く受け入れを拒否しています。国際社会から孤立した北朝鮮にとって今後の進展は厳しいものとなり、局面の打開を目指して一気に軍事的行動に出てくる可能性が高くなります。国民の皆さんは、進んで国防に協力しましょう。特に開戦に備えてスパイ活動やテロ活動を強化しますので、周囲に工作員や、北朝鮮に協力しそうな人物がいないか気をつけましょう。また反政府的な言動をするグループなどが防衛行動を妨害するかもしれませんので積極的に情報を政府機関に通報しましょう。
(以下、あて先明記のこと。)
内閣情報調査室
http://www.iijnet.or.jp/cao/cas/jp/goiken.html
公安調査庁
psia@moj.go.jp
自衛隊情報本部
kouhou1@joint.info-jda.go.jp
自衛隊中央情報保全隊
gsopao@jgsdf.info-jda.go.jp
警察庁警備部公安課
http://www.npa.go.jp/goiken/index.htm
入国管理局
http://www.immi-moj.go.jp/cgi-bin/datainput.cgi
政府機関への総合窓口
http://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose
-------------------------------------------------------------- もちろん、悪質ないたずらで、自由な言論に対する妨害行為なので削除したが、あの戦争のときを思い出させるこのような書き込みにどんな意味があるのだろうか。
朝鮮(北)が日本に求めているのは、国家の安全保障と国交回復による経済援助だ。
平壌宣言ははっきりとその方向を示している。
しかし、日本は拉致問題を理由に、国家間の外交による交渉の道を閉ざし、ひたすら制裁をのみ主張している。
朝鮮は日本とアメリカの軍事力をおそれているので、日本を攻撃する理由もなければ能力もない。
なぜ、日本は国交回復して、朝鮮(北)に平和と経済発展の援助をしないのだろう。
それが、朝鮮(北)の暴発を防ぐ唯一の道なのだ。
結局、日本は、朝鮮(北)をひたすら軍事力にたよるしかないと思わせ、ミサイルや核の開発を誇示させて、それを理由に日本の軍事力と対米従属を強化しようというのだろう。
前記の投書はこのような動きに対応するものだ。そして、私のような発言をおどし、押さえ込もうとするものだ。
戦時中はこうした民間からの摘発で多くの平和主義者がアカ呼ばわりされ、警察の手に渡された。
なんとも鬱陶しい時代になった。
しかし、平和を守るとは、このような時代に屈せず、たたかいつづけることだ。
北村透谷、夏目漱石、石川啄木、小林多喜二などのことが、あらためて思われる。文学の精神とは抵抗の精神だということが、あらためて思われる。
私はすでに年老いて失うものは何もない。
体力は衰えたが、精神はなお元気を失わないつもりだ。
いまの苛烈な時代に生きることをむしろ喜びとして、意識がたしかなあいだは、書きつづけたい。
梅雨もあがった。皆さん、真夏の暑さに負けず、元気にお過ごしください。