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□看板キャスター同士が非難合戦 ヒトラーのお面つけ批判も [ベリタ通信]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2269657/detail
看板キャスター同士が非難合戦 ヒトラーのお面つけ批判も
米国のテレビの世界では、ある局のキャスターが、他局のテレビ局のキャスターを攻撃したり、非難することはまれだった。しかし、この不文律は今や、崩れた格好だ。攻撃の対象になっているのは、大手ケーブル局の看板キャスター、ビル・オライリー氏(56)。反リベラルを掲げる超保守の論客だ。これに牙をむいたのが、ライバル局の看板キャスター。最近はオライリー氏を、ナチの信奉者とみなすパフォーマンスを見せ、FOX側を怒らせている。(ベリタ通信=苅田保)
米メディアによると、話題の主は、ケーブル局のMSNBCで、「カウントダウン」という自らの名前を冠した夕方のニュース番組を持っている、キース・オルバーマン氏(47)。ここ数カ月間、オライリー氏批判を一段と加速している。
オライリー氏も、FOXニュースで、「オライリー・ファクター」という自分の名前のついた夜のニュース番組を持っている。リベラルなゲストや、共和党を批判したるするゲストには、相手の発言を高飛車にさえぎって制止することもあり、その高圧的な姿勢が、逆に保守系の視聴者には大うけ。ケーブル・ニュースでは、他局を抜き、トップの視聴率を誇っている。
FOXニュースは、対テロ戦争でも、政権の宣伝機関と思わせるような報道姿勢を打ち出したことで有名だ。FOXニュースを傘下に置いているのは、世界のメディア王と呼ばれるルーパート・マードック氏だ。
従来、リベラルの気風が強かった米国のメディアが、近年、保守化の傾向をみせているのは、FOXニュースの成功が影響しているといわれる。その象徴的な人物がオライリー氏である。同じメディアの中には、FOXの成功へのねたみもさることながら、FOXニュースの報道姿勢に対する反発が根強い。
オルバーマン氏のニュース番組は、視聴率では第三位。オライリー氏の番組の視聴者は毎日、250万人と言われているが、オルバーマン氏のそれは35万人とかなり少ない。最近のオライリー批判の過熱ぶりについては、自分の番組の視聴率が低いので、これを上げるために意図的に行っているものとの批判もある。
オルバーマン氏は、2004年に表面化したオライリー氏のセクハラ事件を何度も取り上げている。この事件はオライリー氏が番組の女性プロデューサーに言い寄ったとされるもので、同氏が、高額の和解金を払って、訴訟を取り下げさせたといわれる。保守・伝統的な文化を守る戦士を自称する同氏は、以後この問題は二度と論じないと弱気とも思える宣言している。
一方、オルバーマン氏は最近、カリフォルニア州で開かれたテレビ批評家連合の会合で、ヒトラーのお面をつけ、ナチの敬礼をしてみせるパフォーマンスをみせ、FOX側から反発を買った。FOX幹部は、ナチ批判は「一線を越えたもの」と主張している。オルバーマン氏によると、オライリー氏は過去に数回、ナチを支持する発言をしたと話している。
オライリー氏は、オルバーマン氏を「中傷の商人」とこき下ろし、番組から降板させるべきだと話している。しかし、従来のリベラル派への激しい批判に比べ、オルバーマン氏への反撃が、今ひとつおとなしいとの見方が有力だ。
米シラキュース大学の研究者は、米国の人気漫画テレビである「トム・アンド・ジュリー」になぞらえて、両キャスターの反目をねずみと猫のドタバタ喧嘩のようだと形容している。
2006年08月02日00時07分