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イスラエルの正体(桜井ジャーナル)
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投稿者 中田英寿 日時 2006 年 8 月 01 日 22:39:03: McoerUaxt7HLY
 

イスラエルの正体
http://plaza.rakuten.co.jp/31sakura/diary/200608010000/

即時停戦どころか、戦線の拡大をイスラエル政府は決めた。48時間空爆を停止するという約束は事実上、守られていない。レバノンとイスラエルとの国境付近(レバノン領内とする複数の報道がある)で拉致されたイスラエル兵を救出するという名目でイスラル軍は大規模な攻撃を開始したわけだが、イスラエル側の立場から見ても「過剰攻撃」である。

ただ、イスラエルにとって、今回のような軍事作戦は珍しい話ではない。例えば、1982年にもレバノンで虐殺事件を引き起こしている。イスラエルの支援を受けたファランジスト党党員がサブラとシャティーラの難民キャンプで多くの犠牲者が出たのだ。パレスチナ側の調査では、3000人以上が殺されたというが、これも欧米のメディアが報道したから注目されたにすぎないとする声も聞こえてくる。似たようなことはそれまでにも何度かあったというわけだ。

1982年当時、イスラエルの首相だった人物はメナヘム・ベギン。イスラエルの建国で中心的な役割を果たしてきたシオニストの中で「右派」に分類されている「修正主義者」の指導者で、このグループの軍事組織「イルグン」を率いていた。

1948年4月、パレスチナ人を追い出すために「ダーレット計画」が実行されているが、その中でデイル・ヤシン村に住むアラブ系住民254名が虐殺されている。この事件を引き起こしたのがイツハク・シャミル率いるシュテルンとベギンのイルグンだ。ふたりとも、後にイスラエルの首相となっている。

シオニズムが生まれたのは19世紀。帝政ロシアのポグロム(ユダヤ教徒虐殺)などが影響したとされている。ちなみに、修正主義の創始者ウラジミール・ジャボチンスキーは帝政ロシアのオデッサ、また労働シオニズムの指導者デイビッド・ベングリオンは帝政ロシア領ポーランドのプロンスクで生まれている。

「ユダヤ人の国」の建設が現実味を帯びてくるのは、1917年11月にイギリス外相のアーサー・バルフォアがロスチャイルド卿に当てた書簡で「イギリス政府はパレスチナにユダヤ人の民族的郷土を設立することに賛成する」と約束してからである。

ところが、シオニストは大きな問題を抱えていた。ヨーロッパや中東で暮らす多くのユダヤ教徒はパレスチナへの移住に興味を示さなかったのである。そこで、反ユダヤ政策を押し進めていたドイツのナチス政権に接触、ユダヤ人の移送などについて話し合っている。この事実を示す文書も残っている。

調査ジャーナリストのエドウィン・ブラックによると、当時、ドイツに住むユダヤ教徒のうちでシオニズムを支持していたのは1、2パーセントにすぎなかったという。1940年代に入るとナチス政権はユダヤ人を強制収容所で組織的に殺し始めるが、この経験を経て、多くのユダヤ教徒がヨーロッパからパレスチナへ移住するようになったのだ。

第2次世界大戦中、フランクリン・ルーズベルト米大統領はナチス政権下のユダヤ教徒をアメリカやイギリス、カナダ、ラテン・アメリカへ亡命させようと計画した。この案をアメリカの「ユダヤ人指導者」に提示したところ、大反対にあったという。シオニストにしてみると、ユダヤ教徒の行き先はパレスチナでなければならなかった。

中東に住むユダヤ教徒も動こうとしなかった。例えば、その当時、イラクのバスラに住んでいた3万人のユダヤ教徒はパレスチナへ移住する気配はまったく示さなかった。こうした雰囲気を一変させたのが1941年の反ユダヤ運動とユダヤ教徒虐殺。イラク系ユダヤ教徒のジャーナリスト、ナエイム・ギラディによると、爆弾テロなどを繰り返していたのはシオニストだった。

パレスチナ和平を実現するためには、まずユダヤ教徒とシオニストとを分けて考えることからはじめるべきかもしれない。

Last updated 2006/08/01 07:02:50 PM

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