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アラブ民衆はヒズボラの戦い支持に傾く アラブ諸国の無能ぶりに幻滅広がる [アルジャジーラ]
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投稿者 white 日時 2006 年 8 月 01 日 19:51:13: QYBiAyr6jr5Ac
 

□アラブ民衆はヒズボラの戦い支持に傾く アラブ諸国の無能ぶりに幻滅広がる [アルジャジーラ]

 http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2268470/detail

アラブ民衆はヒズボラの戦い支持に傾く アラブ諸国の無能ぶりに幻滅広がる

 【アルジャジーラ特約1日】中東問題の専門家たちは、イスラエルの対レバノン報復攻撃が中東地域に衝撃の波を呼び起こし、かなりの変化が今後、生じるのではないかとみている。ただし、その変化は米ブッシュ政権が期待するようなものではない。

 米国は2000年以降、民主的改革がイスラム過激主義と原理主義を抑え込む最善の方法であるとして、中東地域に民主主義改革を広める精力的な運動を進めてきた。レバノンにおける民主主義支持運動とシリア軍の撤退後の総選挙はこの政策を非難から免れさせる成功の兆しと考えられたのである。

 イスラエルのレバノン・ヒズボラに対する戦闘の最初の段階で、ブッシュ米大統領は、レバノンの民主化過程を存続させることに懸念を表明した。

 しかし、アラブの政治専門家たちは、民主主義のお題目を米国とイスラエルの中東における目的を推進するものとして切り捨てている。

 カイロにある「アル=アハラム戦略研究センター」のアブデル・モネイム・サイイド博士の意見はこうだ。「それは宣伝の真空状態を埋めるための意見表明にすぎない。新しい中東は域内で米国がやる事に抵抗しない地域になるのだという(ブッシュ政権の)内部での考え方を反映している」。

 テルアヴィヴとベイルートの間を往来したライス米国務長官の言明によれば、アメリカの中東に対するヴィジョンは、さまざまな意見の相違が戦争以外の手段によって解決されるような「緊急かつ永続的な」平和を実現することである。同長官はそう言いながら、「自分たちの不平不満から、民主的な主権国家レバノンを絞め殺してしまいたいと願う」人たちがそうすることを力で防ぐことになろうと警告して、戦闘の拡大を示唆した。ベイルートの破壊とイスラエル・レバノン国境での戦闘勃発に言及して、「これはこれまでと違った中東です。新しい中東です。難しいですね。非常に暴力的な時間を通り抜けていくのです」と述べたのである。

 しかし、エジプト国民議会のムスタファ・バクリ議員は、米国が域内で二枚舌を使い、一方で民主的改革を求めながら、他方で自国が承認しない選挙された政権に敵対しているとして、アルジャジーラにこう語った。

 「アメリカ人が民主主義が統治し、独裁政治が廃棄される新しい中東を説いているところへ、ハマスが登場して、自由で公正な選挙に圧勝した。ハマスを米国は好きではないわけで、そういう事なら、新しい中東とかが真に意味するのは、米国の外交政策に反対するものはすべて組織的に消されてしまうということだと考えるべきではないのかね」。

 しかし、こうした一部の専門家たちの抗議の発言を超えて、中東では変革の歯車がすでに動き出しており、政府の公式な政策と「アラブ諸国の街、の庶民感情との差異がどんどん明確になっている。

 イスラエルがベイルートとレバノン南部を空爆し始めた時、サウジアラビアやエジプトというアラブの重量級国家は、ヒズボラがレバノン政府と相談なしで動いたと非難した。

 米国務省当局者は、こうした諸国の立場について、アラブの同盟諸国は域内の安定の脅威となるテロリスト集団を根絶する必要を理解し始めた証拠と称揚した。イスラエル政府当局者も、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン3国が、この動きが中東におけるスンニ派、シーア派間のより広範な戦いの最初の段階であると理解したとまで主張した。

 米国とイスラエルは一部アラブ国家の立場を支持して、中東における緊張激化の火に油を注いだようだ。

 週刊誌「アル=オスブー」の編集長でもあるバクリ議員はアルジャジーラに対し、「アラブ諸国の指導者とその国民の関係は全面的な離反の瀬戸際にある。アラブ諸国の政権は自国民に対して、アメリカというご主人様に対して屈従している証拠を見せてしまった」と語った。

 多くの国の首都でレバノンとシーア派運動体「ヒズボラ」に対する支持を表明する、おびただしいデモが行われ、こうした離反を例示した。

 イラクでは、数千人が、反米、反イスラエルのスローガンを叫ぶ、ヒズボラ支援を公然と示した。イエメンでは、抗議のデモがアラブ諸国指導者とアラブ連盟の無能を非難した。

 カイロでは、デモ参加者は「(ヒズボラの最高指導者)ナスララーに、われわれもヒズボラだと伝えよう」と叫んだ。

 政治専門家のモハメド・エル・サイイド氏はアルジャジーラに対して、「当局者がヒズボラを、イスラエルとの負け戦を始めて、レバノンに大災厄をもたらした集団のように描き出し、ヒズボラとイスラム主義運動を誹謗(ひぼう)しようとしたのに対して、アラブの庶民たちはヒズボラに味方しています」と語った。

 アラブの街では、域内の政策決定過程に失望して、域内最強のイスラエル軍事力に刃向かったヒズボラの大胆不敵さに活力を取り戻したのかも知れない。

 政治評論家のマハムード・カリル氏は「ヒズボラの潜在能力と、イスラエルの都市を砲撃し、かつアラブ・イスラエル間の戦闘で始めてイスラエルの猛攻撃に耐えてみせた能力がアラブ民衆を抗議行動に立たせ、政府から離反させることになった」と語る。

 アラブ諸国政権が今次イスラエル・レバノン戦争の規模の危機に対応し、他の紛争を解決する能力を欠いたことが、アラブの一般庶民に別なところに霊感を求めもさせたのである。

 58年に及ぶイスラエル・パレスチナ紛争を決着させることができず、イラクでは状況がどんどんコントロール不能となって、国内分裂の瀬戸際に立っていることなどは、何かの決定や動きがあるたびに、絶望的と感じてきた多くのアラブ人を幻滅させた。

 ムーサ・アラブ連盟事務局長が7月15日、和平交渉の失敗を声明した時、それはアラブの街角に長くわだかまっていた一般庶民の気持ちを反響させたに過ぎない。

 そんな気持ちの中に、ヒズボラが登場した。

左翼系ジャーナリストのサラハ・エサさんは「アラブの指導者たちが人々の間で権威を失ったところで、ヒズボラが街の一種の飢えた気持ちを満たしたようです。ナスララーは、聖職者のターバンが第一級の政治家を隠していることを証明した数少ない一人です」と話した。

 レバノンでの戦闘と暴力を、世界の他の地域からみると、それをおしとどめることにしり込みしているか、あるいは無力であるかのように見えている今日、中東地域のムードは暗い。

 アル=アハラム戦略センターのサイイド博士は「(あり得る二つの結果の)一つは、私はそっちに傾いていますが、レバノンが新しいイラクになり、(イスラエルとヒズボラの)当事者双方が負けるような、終わりのない状況になり、中東全域がその中に引き込まれる。もう一つのシナリオは、双方が疲れ切って、お互いに態度を和らげ、最終的に停戦交渉になる。それから、また暴力が再発するというものです」と語る。

 しかし、戦闘の激化と民間人の犠牲の規模は専門家たちに言葉を失わせてもいる。

 日刊紙「アル=マスリー=アル=ヨム」のコラムニスト、マグディ・メハナは自分の記事に余白を残し、「カナの虐殺の後となっては、アラブの裏切り者たちに何が言えるのか」とだけ書いた。(翻訳・ベリタ通信=日比野 孟)


2006年08月01日17時38分

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