★阿修羅♪ > 戦争83 > 172.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
2006.07.31
http://0000000000.net/p-navi/info/column/200607312140.htm
レバノン南部のカナで虐殺が起きたと報道写真へのリンクを知らせてもらった。
ラ・レパブリッカ紙(イタリア)による写真集 (クリックで拡大)──レパブリッカ紙ではこれらの写真をあえて公開する、この悲惨さを見て欲しいと断り書きをつけている──
カナ? いつの話? まさか、今のこと?と頭が混乱した。10年前の96年、カナ(カーナ)の国連施設にイスラエル軍の攻撃から避難していた人々が100人ほど爆撃で殺されるという「カナの虐殺」*のことが頭にあって、今またふたたびとは思えなかったからだ。
[note]*……イスラエル軍の「怒りの葡萄作戦」のなかで起こされた虐殺。この遺族が戦争犯罪人としてイスラエル軍高官を昨年告発した。 「イスラエル戦争犯罪人、NYで提訴される」 に。
今回は国連施設ではなく、近隣の人たちが避難所としていた建物に空爆があり、57人以上が死亡(まだ瓦礫に埋まっている人もいるので、数は増えそうだ)。そのうちの37人(最低34人)が子どもだったという。
4月にカナでは虐殺から10年に当たる追悼の式典があったばかりだった。そのカナで再びこのようなことが起こされるとは……。ベイルートでは怒った市民が惨禍を止められない国連の建物に集まり、激高した何人かは建物のガラスを破壊していた。
イスラエル軍は、この建物の横からゲリラがロケット弾を撃っていたとか、事前に場所から立ち去れという通告はしたと言っているが、逃げるあてがない人々にとってはどうすることもできず、避難している車両めがけてミサイルを撃ち込んだ事件なども起こっていては、留まって頑丈そうな建物をシェルターにする人々も多かったに違いない。
イスラエルの軍事行動への国際世論はこれで非難の高まりを見せているが、イスラエルは今度はレバノン東部への攻撃を続けている。
*
奇しくも、このレバノン攻撃の始まる直前の7月10日にNHKが「危機と闘う テクノクライシス」と題して、その2回目の「軍事転用の戦慄 ロボット」という番組を上映していた。
このなかで、イスラエル軍や米軍が無人偵察機(攻撃機能を備えたものもある)から撮した映像を元に爆撃を行っているということがでていた。
「無人機が飛ぶことなしに軍は出動することはありません。いまや無人機を使わない軍事作戦は存在しないのです」(イスラエル軍の無人機パイロット、上記番組より)
夜でも暗視カメラで写された映像はそれなりに鮮明で、ロケット状の筒を何かしている人物たちがいれば、遠隔操作でそこにミサイルを落として、それらの人々を「爆破」する映像が映っていた。
この番組にカナの虐殺(96年)のことが出てくる。
…「かつでここ[カーナ]で100人を超えるレバノンの民間人が攻撃を受け、命を奪われました。96年4月、レバノンはイスラエルから「怒りの葡萄作戦」と呼ばれる一斉攻撃を受けていました。攻撃8日目、平和維持活動にあたっていた国連部隊の司令部が集中砲火を浴びました。[テロップに「国連レバノン暫定軍 フィジー軍部隊司令部」]ここには住人が避難していたので、攻撃で100人を超える民間人の命が奪われました。この攻撃のさなか、上空をイスラエルの無人機が飛んでいるのが目撃されました。」[無人機の映像](以下、引用はすべてNHKの上記番組より)
4月の追悼式典に参加していた女性は語る。
「この上を無人機が飛んでいました。私たちを撮影していたのでしょう。しばらくして攻撃が始まりました。肉、手、足が飛び散っていました。あまりにひどくて言葉にできません」
べつのレバノン男性はこう語った。
「無人機は欧米が作った技術です。開発なんかされなければよかったのに…。人道に反し、無実な子どもや老人、無防備な人々を殺すために作られたからです。こんな技術は出てこなければよかったんです」
国連は無人機がこのときいたことから、「イスラエルは避難民がいながら攻撃したという見方を強め」イスラエルを非難したが、イスラエルはそれに対して、「ヒズボラを標的としたが、技術的なミスで弾がそれてしまった。無人機は別な任務の最中だった」と主張した。
今度は何を言うのだろうか? イスラエルは米国からミサイルの誘導装置をどんどん輸入している。また、「弾がそれた」というのか、それとも「建物のなかのことまではわからない」とでも言うだろうか。
ヒズボッラーを弱体化させるために手段を選ばないイスラエルに、最新のテクノロジーが力を貸し、より惨い被害を作り出している。
--------------------------------------------------------------------------------
[番組ではヒズボッラーも無人機を手にしたということも放送していた。そのうちのひとつがイスラエルの戦艦を炎上させたと思われる。自分たちが持つ技術を相手が絶対に手にしないということはないという典型例のようだ]