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駐留する軍隊 2006年8月12日
アフガニスタンには、国内の治安を維持する役割を担う海外の軍隊が首都カブールやマザリシャリフ、カンダハールなどの主な都市に駐留している。写真は2002年10月にカブールで撮影したものだが、当時はISAF(国際治安支援部隊)がカブール内に限って駐留し、6ヶ月ごとにイギリス、トルコ、ドイツ・オランダと指揮権を変えながら治安維持活動をしていた。2003年の8月からは、北大西洋条約機構(NATO)が、ISAFの任務を受け継ぎ、カブール以外の年でも治安維持活動をするようになった。
わたしは、2004年にもアフガニスタンを訪ねているが、そのときはまだ、NATOの活動fはカブールだけだったと思う。カブールを出て地方へ向かうときは、もう守ってくれる軍隊はいない、とひどく緊張した記憶がある。日本では決して味わうことのなかった感覚だ。軍隊の存在が安心につながり、軍隊がいないと不安になるというこの感じ。もちろん、ここでいう軍隊とは、ISAFまたはNATOまたは正規のアフガニスタン国軍のことだ。地方にわんさといる軍閥配下の民兵や何者かよくわからないが武器を携帯している人たちは脅威と恐怖の対象でしかなく、まさにこういう「わけのわからない民兵」から守ってくれる軍隊の存在なしに、平穏な日常などありえないというのが、わたしがアフガニスタンで味わった感覚だ。アフガニスタンの多くの人たちにとっても同じではないかと思う。
ときどき、軍隊は国民を守らないということを聞くが、それは、上記のISAF(国際治安支援部隊)も軍閥配下の民兵も全部いっしょくたにして「軍隊」と呼び、だから「軍隊は国民の敵だ」という、わたしにいわせれば、粗雑きわまりない発想のような思える。
また、一部の左翼団体、「平和運動」のなかには、「アフガニスタンに駐留する海外の軍隊は即時撤退せよ」というスローガンを掲げているところがあるが、もし、今、NATOの軍隊などが即時撤退したなら、あっというまに内戦となり、アフガニスタンの一般の人たちは、女性や子どもを含めて、略奪され殺戮されるにまかされることになるだろうと思う。むしろ、軍隊の数を増やして、小さな地方の町や村にも駐留し、弱い立場の人達を守ってほしいと願う。
未来永劫、海外の軍隊が駐留し続けることが望ましいことでないことはいうまでもないが、いつどのような形で撤退するかの判断は、慎重であるべきではないだろうか。
付け加えるなら、アフガニスタン国内では、アメリカ軍がアルカイダ、タリバン掃討作戦を展開しているが、これはNATOの治安維持活動とは別ものだ。アメリカ軍の掃討作戦を「やめろ」という意見ならわからないでもない。
NATOの治安維持活動もアメリカ軍の掃討作戦も全部いっしょくたにして、「即時撤退」を叫ぶ「平和運動」には、わたしは反対の立場だ。
(by川崎けい子)
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