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報告者:東京財団 シニアー・リサーチ・フェロー 佐々木 良昭
No.378 「アメリカが考える中東新地図??」 2006年07月09日
アメリカの退役将校であるラルフ・ピーターズ中佐が、今後の中東世界がどう変わるべきかという内容の論文をアームド・フォース・ジャーナルで発表したことを、トルコのザマン紙が紹介している。
それによれば、サダム体制が打倒されたいま、クルド人に国を持たせる最大のチャンスが到来しているとし、クルド国家を樹立することは、人道にかなったことだとしている。
もしクルド国家の樹立が達成されれば、ブルガリアと日本の間に誕生する、最も新米的な国家になろうということだ。
そのクルド国家の領土は、現在のイラク北部だけではなく、トルコのデヤルバクルを含むトルコの東部領土の5分の1と、イランのタブリーズを含む地域、そしてシリアの北部となっている。
したがって、イラクはクルド地域とスンニー地域、シーア地域に3分割され、それぞれが国家になることがいいとされている。
サウジアラビアについては、メッカ、メジナの地域を分離独立させ、バチカン同様のイスラム国家にしてしまおう、ということだ。そして、そこを治めるのはソフト・イスラムの政府ということも語られている。
ヨルダンはサウジアラビアの一部を割譲され、もう少し広い領土を有する国家になる、ということも書かれてある。
サウジアラビアについては、このほかにもペルシャ湾に面するサウジアラビアの油田地帯と、イラク南部のシーア派地帯とを一体化させ、シーア派の独立した国家にする、ということも含まれている。
イエメンについては、サウジアラビアの南部地域を含む、現在よりも広大な面積を有する国家となるということだ。
イランについては、クルド国家と、統一アゼルバイジャン国家(統一アゼルバイジャン国家とは、現在のアゼルバイジャンとイランの北西部が一体となったものを言う)新生シーア国家、自由バルチスタン国家に領土を割譲させられるが、他方ではアフガニスタンのヘラート地域を領有することになるというものだ。
イエメンについては、1935年にサウジアラビアがイエメンから租借したままになっている地域があることと、現在なお、サウジアラビアとイエメンの国境が不明確なままになっていることから、それなりの根拠があろう。
もちろん、この論文の内容は一部のアメリカ人の考えであり、現時点では公式の考えであるとは受け止めるべきではあるまい。またイラン、トルコ、サウジアラビアは当然のことながら、この考えが具体化の方向に動き出した段階では、相当に強い抵抗を示すことになろう。
http://www.tkfd.or.jp/news/today/1_20060710_2.shtml
中東新地図 米国ラルフ・ピーターズ中佐 アームド・フォース・ジャーナル
http://www.asyura2.com/bigdata/up1/source/2673.jpg