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□イラク軍への「治安」権限移譲はどうなる？/ボストン・グローブ [イラク情勢ニュース]
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2006/07/24(月)
［飛耳長目録 today'snewslist］
☆イラクは軍への物資供給もままならず
－－アンバル州での兵站任務は米軍に戻る
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☆★イラクは軍への物資供給もままならず
Iraqstrugglestoprovideforitstroops
ボストン・グローブ ２００６年７月２２日
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ByBryanBender,GlobeStaff
http://fairuse.100webcustomers.com/fairenough/bost21.html
ワシントン発： 米軍司令官は今春、イラク政府にみずからイラク軍への食料
と燃料を供給させる（＝いわゆる後方支援業務）という重要な任務を課したが、
米軍高官によると、深刻なまでに処理できない事態が２、３ヶ月続いたあと、米
軍はアンバル州に駐留するイラク軍兵力への兵站（へいたん）業務を元のやり方
に戻した。
イラク国防省は１０万以上の兵力の「生命にかかわる」物資供給任務をすべて
任せられるだけの能力を持たず、この事実はイラク政府にさらに大きな責任を負
わせようという試みが後退せざるを得ないことを物語っている。
食料、給与、宿営での必需品を供給する能力がイラク当局にはないと証明され
たあと、米軍はアンバル州における必要物資の供給方法を従来のやり方に戻した
－－イラク駐留軍司令部もこれを認めた。それでも将校たちは、イラク人のサー
ビス業務は徐々に改善されるという期待を表明した。
イラク人治安部隊の育成を担当するバグダッドの拠点である多国籍軍治安権限
移譲委員会の広報員ミッチェル・ネガード中佐は、「イラク人が問題を克服する
までのあいだ、有志連合軍が援助することにした」と述べた。
匿名を条件に話した米軍高官は、多くのイラク軍物資が到着しておらず、ヤミ
市場に回されているものもあり、事態は悪化している、と語った。イラク軍のあ
る戦闘部隊は満足な食料も配給されない状況で数日をすごした。他方、イラク軍
はまだ前線に給料を現金で届けることになっているため、イラク政府が給料を期
限内に払えないと戦線離脱する部隊もあったという。
米軍高官の話では、そのような能力不足が不安を与え、イラク政府の自給能力
について深刻な疑問を生じさせているという。米軍の出口戦略（＝イラク撤退の
戦略）は新しく育成されるイラク人治安部隊の自立した作戦能力にかかっている
と彼らは指摘した。
後方支援の兵站（へいたん）任務について、ジョン・キーン退役大将（米国防
総省の防衛政策委員会メンバー）は、「こうした能力は軍隊が力を発揮するため
の基本だ」と説明した。
「省庁（のとりくみ）は遅々として有効期間に間にあわず、人々のあいだに広
がった期待や予定よりもはるかに遅れてしまった」とキーンは言った。彼はラム
ズフェルド国防長官に委嘱されてイラク国内を広範囲に視察してまわった。「性
急にイラクから離れるのではなく、イラク人の到達した能力にもとづいて有志連
合軍の撤退が可能となるためには、こうした全技能についても取り組まなければ
ならない」。
兵站業務の問題は、イラク内務省の指揮下にある１０万以上の警察部隊ではも
っと悪い－－イラクに駐留する米軍顧問が指摘した。米軍高官によると、内務省
は今年末に警察の物資供給機能に全責任を負う予定になっている。
イラク北部でイラク人警察の育成に当たっている米軍将校は、「担当部局全体
が燃料、装備、兵站の不足に悩まされている」と電子メールで伝えてきた。「増
大するイラク警察部隊が必要とする燃料の使用量を正確に予測できなかったり、
兵站線における管理運営の問題や施設整備の問題もある。また担当する各段階で
の汚職にぶつかることもある」。
米軍の訓練担当者は、最近起こった事例として、イラク人部隊の車がガス欠に
なって、米軍と合同パトロール中のイラク人警察部隊が基地に帰ったことがあっ
た、と語った。
戦闘に直接関係しない物資の兵站業務は、予定されたイラク警察および軍への
権限移譲の最初のステップである。イラク政府が対ゲリラ作戦で部隊を維持する
ために習熟しなければならない能力として、米軍司令官は１８のステップを列挙
した。
そのなかには、訓練、予算、隊員サービスの処理といった隊員管理が含まれて
いる。その他にも武器・弾薬に関する契約の監督能力などの技能が含まれる。
米軍高官によると、イラク人がこれらの能力を身につけるのを助成するために
、米国務省はイラク国防相と内務省に７０～１００人の顧問（アドバイザー）を
派遣してきた。
兵站業務にたずさわる国防総省高官は、「機構としてのイラク軍は契約面が良
好とはいえない」と指摘した。「計画実施は難しい局面にある。しかし兵力は移
動するものだ。彼らに食料を届け、彼らの給料を運ぶのは基本的なことだ」。
それでもイラク軍は生まれたばかりの全国的な治安機構として最も能力があり
、２６万６０００人と見積もられる他の正規兵、警察、国境警備隊よりは独立し
ての作戦遂行能力が優れているとみなされている。国防省と内務省の両省は１０
万人以上の治安要員を抱えている。
食料の賄（まかな）いと他の燃料のような基本物資に関する契約は、４月と５
月は現地業者の参加が認められ、全国のイラク軍部隊に基本物資を届ける責任が
新政府に移譲された。
大規模な自爆攻撃の発生現場となっているバグダッドにおいては、イラク人が
自分たちの部隊への兵站業務（後方支援）を続けている。戦闘の少ない他の多く
の地域は、抱えている兵力も少なく、物資調達の障害もわずかだ。
しかしアンバル州では、バグダッドの西に広大な領域が広がるうえにゲリラ活
動が活発で、移動距離においても作戦の進展速度においても、イラク政府は他の
州より難しい問題に直面している。
ワシントンでは、上院軍人委員会の主要メンバーが、イラク政府はみずからの
兵力をとうてい維持できる状態にはなく、結果として、米軍が無期限に駐留しな
ければならないだろうと述べた。
ジャック・リード上院議員（ロード・アイランド、民主党）は兵站任務につい
て、「これは（批判的な意味で）重大問題の１つだ」と指摘した。「われわれは
軍隊を育成することができるが、もしイラク政府の後方支援が得られなければ、
彼らは力を発揮できない」。
兵站業務にたずさわる米国務省の高官は、イラク治安部隊の作戦遂行能力の改
善問題は、来週（この記事は７月２２日付）、ワシントンでマリキ首相と協議さ
れるだろう。協議事項の一番はイラク政府に数千台のハンビー（新車）その他の
装備を供与するという問題だろう。
彼はイラク政府を悩ます汚職に言及して、「バスラにむけて輸送しないとかア
ラブ首長国連邦に輸送中とか明言したくない」と語った。
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