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救急車、一般車両までも標的に イスラエル軍が無差別攻撃
【アルジャジーラ特約21日】レバノン南部ティールにある病院関係者は21日、イスラエル軍による攻撃が一段と激しさを増していると明らかにするとともに、「同軍の攻撃で負傷、殺されているのは民兵たちではなく一般市民たちだ」と話し、同軍の無差別攻撃を非難した。
ティールにあるジャバル・アマル病院で会計部門を担当しているマハ・ムルウェさんは同日、アルジャジーラネットの取材に対し、「イスラエル軍は一般車両を標的にしている。食料運搬車などを狙い、レバノン南部を”兵糧攻め”にしようとしている。爆撃で破壊された建物に駆けつけるのを妨害しようと、赤十字社の救急車にまで攻撃を加えている」と、現状を生々しく語った。
ムルウェさんはさらに、「この病院に運ばれ、治療を受けているのは市民たちだけで、(イスラム教シーア派民兵組織)ヒズボラのメンバーは1人もいない」と述べるとともに、「ヒズボラは極秘に行動しており、負傷者が出ても病院には運んでこない。イスラエル軍が殺害しているのは市民たちだ」と怒りをあらわにした。
また、ジャバル・アマル病院のアーメド・ムルウェ医師は「イスラエルの攻撃開始後、この病院に20遺体が運び込まれたが、実際には、破壊された建物のがれきの下や燃やされた車の中に多くの遺体が取り残されている。ひどい状態だ。負傷者がいても、同軍の爆撃で道路が寸断され、病院に来られない者が多くいる」と表情を曇らせた。
レバノン南部で働く医師や救急隊の関係者たちも「イスラエル軍は赤十字社の救急車も攻撃するため、負傷者を収容するのが極めて難しい」と非難している。
▽深刻化する食料不足
レバノン南部の村々で今深刻化しているのが食料と医薬品不足だ。これらを積んだトラックがイスラエル軍に狙われているほか、道路の寸断で到着できないからだ。
国際的な人権擁護組織・ヒューマン・ライツ・ウオッチのピーター・バウカート医師は「われわれも同南部地域では十分な救援活動をできていない。イスラエル軍は食料や医薬品を運ぶ車両の安全通行を確約しようとせず、攻撃目標にされかねないからだ」と説明した。
さらに同医師は「私はこれまでにイラク、アフガニスタン、コソボでも働いたが、人権擁護組織が目的地に行くのにこれほど危険を冒す国は他にはなかった」と話し、イスラエル軍の強硬姿勢を批判した。
レバノンのナイラ・モアワド社会問題相によると、今回のイスラエル軍による攻撃で最も被害を受けているのがレバノン南部地域で、中、北部も南部からの避難民10万人の流入で困難な状況に直面しているという。
同社会問題相は「特に南部はミルクも、パンなどの食料も、そして医薬品もなくなり、ひどい状態に陥っている。住民たちは絶望的な状態に置かれている」と強調した。
レバノン政府によると、イスラエル軍による攻撃でこれまでに、発電所などの社会基盤施設21カ所、橋55カ所、ミルク工場2カ所、病院2カ所が破壊されたという。
このため同政府は現在、国際社会やイスラエル側にレバノン南部、東部につながる「人道回廊」を設けるよう要請している。
これに対しイスラエル政府は、レバノン市民への攻撃を否定するとともに、これまでの死者が300人を超えるとしたレバノン側発表を「水増しした数字」と批判している。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年07月22日00時36分 アルジャジーラ
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2226995/detail