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□ヒズボラめぐり賛否両論 戦争の悪夢よみがえるレバノン [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2204381/detail
ヒズボラめぐり賛否両論 戦争の悪夢よみがえるレバノン
【アルジャジーラ特約15日】イスラエル軍の対レバノン攻撃をもたらしたイスラム教シーア派抵抗勢力ヒズボラによるイスラエル軍兵士拉致に関し、レバノン国民の間では今、「支持」と「批判」が絡み合う複雑な反応がみられる。
元将軍で国会議員を務めるミシェル・アウン氏はアルジャジーラネットの取材に対し、ヒズボラの行動を「純粋な軍事行動」と擁護する半面、イスラエルの攻撃がレバノンの市民を標的にしていると非難した。
キリスト教マロン派政党「自由愛国運動」を率いるアウン氏はさらに、「今第一にやるべきことは軍事行動の停止と話し合いによる解決策の模索だ」と強調した。
昨年、亡命先のフランスから帰国し政界入りしたアウン氏は、レバノン国内のイスラム教武装勢力を政治改革に取り込むべきだと主張した上で、今年2月にヒズボラとの間で「覚書」に調印した。
▽「危険な行為」
一方、イスラム教ドルーズ派の指導者、ワリド・ジュンブラット氏は同覚書に反対の姿勢を表明し、今回のヒズボラの軍事行動を「レバノンを戦争に引きずり込む危険な行為で域内の勢力争いに巻き込まれる」と強く非難するとともに、「イランとシリアがレバノンンを代理戦争に利用している。これは受け入れられない」と強調している。
ドルーズ派政党「進歩社会党」を率いるジュンブラット氏は、レバノンのラフィク・ハリリ前首相が暗殺されて以降、シリアに内政干渉をやめ、また、ヒズボラには武装解除するよう求めている。
これに対し、ヒズボラ傘下にあるテレビ局アルマナルの英語部門の編集担当、サイド・イブラヒム・ムッサウィ氏は、イスラエルが軍事作戦の縮小するどころか、レバノンへ侵略を企てている」と非難。
▽ヒズボラを公に批判できず
1960、70年代、ベイルートは「中東のパリ」と称されるほど美しく、外国人観光客に人気の都市だった。長期の内戦、イスラエルによる占領を終えた後、ベイルートに再び投資が戻り、観光産業も活気を取り戻していた。
それだけに今回のレバノン攻撃は、ベイルート市民の間に辛かった戦争の記憶をよみがえらせている。
「悪夢の再来だ。レバノンには平和はない」と嘆くのは、70歳になる老婦人のハワ・シェハディさん。
また、タクシー運転手のカミル・マクディッシさんは「レバノンが攻撃を受けるのは辛い。イスラエルがわれわれの痛みの5%でも分かってくれたらと思う」と述べ、顔を雲らせた。
ベイルート市民の多くが怒りをあらわにしている。一般市民はヒズボラの軍事行動に反対し、それがイスラエルの報復攻撃を招いた元凶だと激怒している。
ベイルートに年1回の帰省中だったジナ・ベクダチェさん(38)は「今回の軍事行動で子どものころの悪夢がよみがえった。この国を直ぐに出たい」とつぶやいた。
50歳の技術者、ワリド・チャヒネさんは「ヒズボラはのぼせ上がっている。自分たちがレバノンを動かしている気でいる。ヒズボラへの信頼感は消えてしまった」と批判した。
こうした怒りと批判があっても、ヒズボラを正面きって批判できる市民はいない。
▽「ヒズボラが唯一の救国の政党」
一方、中東問題評論家のダリア・サラーム氏は「ヒズボラがこの国を救うために戦う唯一の政党だ。欧米諸国はイスラエルに自制するよう求めるべきだ。米国そしてイスラレルにしても戦闘の拡大を望んではいないからだ」と分析した。
しかし、旅行代理店に勤めるラムジ・サルハさんは「ヒズボラが何をスローガンに掲げようが、それは必ずしもレバノン国民を代表したものではない」とした上で、「ヒズボラは国民から国の運命を託されているわけではないのだ」と警告した。
22年に及んだイスラエル占領が終わった際、レバノン国民の多くがヒズボラの武装解除を求めた。全面的な戦争状態に陥ると懸念する者は少ないが、反対勢力の中からは武装するビスボラが国家以上の権力を持つようになっている、との批判が出ている。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年07月16日02時38分