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(回答先: 血を流し続けてやっと認められる住人の当たり前の権利。イスラエルと英国はどこが違うか。なぜイスラエルだけが責めらるのか。 投稿者 東京音頭 日時 2006 年 7 月 08 日 19:11:25)
『ウパシクマ2』p.166(解説)
かつて北海道は、アイヌの人々の自由の天地でした。カムイである川や山や木や大地を敬いながら、その恵みに感謝しながら暮らしていました。カムイである大地を人間が勝手に所有し、土地台帳を作るなどという発想など全くありませんでした。
そうした暮らしを営んでいた北海道に、和人が入り込んできて、どんどんと自分たちの土地にしていってしまいました。
こうしたやり方は、北アメリカの先住民の地に入ってきたイギリスからきた白人たちや、中南米の先住民の地に入りこんできたスペイン人たちとそっくりです。
長い間のアイヌの人たちの訴えや働きかけの結果、ようやく「アイヌ文化法」はできました。しかし、中本さんは、今後、文化だけではなく、生活を立てなおすための法律は、どうしても必要だと言っています。・・
アラスカやオーストラリアなどでは先住民の土地返還や権利回復の動きが起っている中で、日本は、はるかに遅れをとっているのです。
中本さんのお母さんは「人間が石ころ一つでも砂粒一つでも作ったわけではないのに、なんで人間が土地を自分のものだというのでしょう」と常にいっていました。
とくに戦争中、領土を「自分の土地だ、オレの土地だ」と争って戦い、生命を奪うことに対してお母さんは批判的でした。
お母さんにしてみれば、従兄などの子供たちが大勢戦争にひっぱられていってしまっただけに、なぜ領土を自分のものだといって殺しあわなければならないのか、という思いはとくに強いものだったといいます。
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p.72(本文)
秋になると、サケが川を遡ります。そして、産卵場所で産卵します。産卵を終えたサケは脂が落ちています。
こうしたサケをたくさん獲って干します。サケは冬中干しても味が良いものでした。
熊もキツネもサケを必要としているのですから、サケを獲るにしても、全部を取り尽くすことはしません。
山に猟に行った時も、獲った獲物をキツネやカラスのために分けて置いてくるものだと言われています。
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p.59(本文)
かつては、人々は神々を敬いながらシカや魚をとっていました。
けれども和人たちがやって来て以来、川でアイヌの人々が魚をとることを禁じました。サケがなくては暮らすことも出来ないのですが、わずかでも魚を獲ればすぐに見つかり、罰せられてしまいました。
その状態は今も変わらず、本当にひどいと思っています。
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p.125(解説)
サケのことをカムイチェプ kamuycep(神の魚)といいます。もう一つ別の言い方に シペ(sipe)というのがあります。
sipeは、si(本当の)ipe(食べもの)からで、「本当の食べもの」「真の食べもの」という意味が元になっています。川からとれるもので暮らしを支える真の食物はサケだからでしょう。
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