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http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060706/1152174892 から転載。
■[朝鮮]北朝鮮がロシアにすら事前通告しなかった理由〜金正日中枢部に不気味なある種の軍シフトが起こっている可能性 17:34
●「貧窮国家の「花火」嗤（わら）う」〜無責任ブロガーもビックリの産経社説の過激な社説タイトル（苦笑）
本日の各紙社説から・・・
【朝日社説】北朝鮮ミサイル発射 無謀な行動に抗議する
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
【読売社説】［「北」ミサイル発射］「国際社会への重大な挑戦だ」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060705ig90.htm
【毎日社説】ミサイル発射 国際社会は北の挑発許すな
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060706k0000m070173000c.html
【産経社説】貧窮国家の「花火」嗤（わら）う 愚かな国の脅威にどう対応
http://www.sankei.co.jp/news/editoria.htm
【日経社説】北朝鮮のミサイル発射に強く抗議する(7/6)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20060705MS3M0500205072006.html
さすがにどの社説も強く北朝鮮の暴挙を批判しているのであります。
しかし、産経の社説タイトルですが「貧窮国家の「花火」嗤（わら）う 愚かな国の脅威にどう対応」ってとっても過激なのはどうでしょう。
「貧窮国家の「花火」嗤（わら）う」って（苦笑）
・・・
産経さん、お前さんは「木走日記」か？
お前さんは無責任な場末の時事系ブログか？（爆）
・・・
失礼しました。
で、産経社説の冒頭・・・
これは自暴自棄なのか。それとも計算ずくの行動なのか。北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン２号」を含むミサイルを連続発射した。国際社会の警告を無視し、対決への道を突き進もうとしているかのようである。
なるほどね、今回のミサイル７連発ですが多くの謎に包まれているわけですが、「これは自暴自棄なのか。それとも計算ずくの行動なのか」、そこがまさに問題だとは思います。
・・・
木走が個人的に入手した興味深い情報によれば、今回の北朝鮮の暴挙は実は、単純な「自暴自棄」でも、かといって「計算ずくの行動」でもなく、強いて言えば「計算ずくの自暴自棄」の可能性があるというのです。
「軍」の暴走というよりも「将軍と軍」の暴走かも知れないという分析です。
今回は不肖・木走がアメリカ大使館筋から間接的に入手した興味深いこぼれ話をひとつご紹介しましょう。（情報源は当ブログでもしばしば紹介しているアメリカ大使館に出入りしている在日１０年のアメリカ人ＩＴ技術屋のスティーブ氏であります。）
●北朝鮮がロシアにすら事前通告しなかった理由〜金正日中枢部に不気味なある種の軍シフトが起こっている可能性
■おそらく北は数日のうちに後数発打ち込む可能性がある
木走「今回の北朝鮮によるミサイル連続発射を受けてアメリカ大使館の様子はどうなの？」
スティーブ「いたって冷静だよ。在日米軍の方は引き続き監視と情報収集に余念がないだろうが大使館側は軍事的情報収集の中枢ではないからね、ただ、今回の件で６者協議の米首席代表を務めるヒル国務次官補が急遽日露中韓の四ヶ国訪問になったからその準備とかで忙しいようだけれど。」
木「日本のメディアでは何故このような強行手段に北が出たのか、そしてなぜ７発も連続でミサイルを撃ち込んだのかが、最大の謎とされて大騒ぎしているんだけど、そのあたりのアメリカ大使館側の判断はどうなの？」
ス「おそらく北は数日のうちに後数発打ち込む可能性があると読んでいるね。衛星からの情報から物理的発射準備の動きも認められるし、彼等にしてみれば７発も１０発も大差ないだろうから（苦笑 日本のメディアは連続発射に驚いたようだが、アメリカ政府としては「想定の範囲内」みたいだったようだ。どうせミサイルを打って批判されるなら、テポドンだけでなく、ノドンやスカッドの試射もして確かめたいと判断したとしても不思議ではない」
■７発打って１発失敗なら面目が保てるじゃないか（苦笑）
木「そうか、どうせリスクを犯すなら３種類のミサイルを試射して検証しちゃったほうが北にとってはオイシかったのか。それからテポドンの日本海着弾は「失敗」だったのか「計画的」だったのかはどう判断しているの？」
ス「米軍からの情報のままだけど、アメリカまで着弾するような燃料は積んでいなかったと言う意味では「計画的」だったがそれでも今回の４０秒で墜落したのは予定外の「ミス」があったと考えている。初めての長距離弾道弾の試射実験では過去他の国の事例を見てもけっこう失敗が多いから今回の「失敗」自体で北の技術力をうんぬんできるわけじゃないけどね。今回連続試射してその中にテポドンを紛れ込ませたこと自体、北がテポドンの試射が失敗する危険性が高いことをよく承知していたんだと思うよ。７発打って１発失敗なら面目が保てるじゃないか（苦笑」
■軍が突出して将軍が制御しにくくなっている兆候はまったく見られない
木「なるほどね。アメリカまで届かないようにしていたのは「計画的」だったけどそれでも「失敗」が発生したわけね。ところで、この時期に連続してミサイルを発射したのは金正日氏の北朝鮮軍部に対する統制が取れなくなってきた証左じゃないかという意見もあるけどどうなの？」
ス「アメリカ大使館側ではそのような事実はないと考えている。理由は２つ。事実として金正日と軍幹部の間には蜜にコミュニケーションが取れているし過去半年の間でも北朝鮮内部の動きに軍が突出して将軍が制御しにくくなっている兆候はまったく見られないこと。もう一つの理由は北朝鮮のミサイル司令部は金正日直結の集団であり指揮命令系統からいって金正日の命令がなければミサイルをとばすことなどできないこと。」
■金正日中枢部に不気味なある種の軍シフトが起こっている可能性がある
木「そうか、では先軍政治が行きすぎて将軍様ですら軍を押さえづらくなったのが今回の原因ではないかという説は否定していいんだね」
ス「いやいや、事態はもう少し深刻かも知れない。アメリカ大使館が今回の北の動きで注目しかつ情報収集をさかんにしているのが軍の動きではなく北の外交部のトンチンカンな動きなんだよ。日本のメディアではほとんど注目されていないけれど、今回の一連の騒動でどうやら北の外交部はほとんど情報を事前にはもらえてなかったフシがあるんだ」
木「そういえば北の外交官の発言でも「軍のことは我々は知らない」なんて無責任な発言もあったようだね」
ス「それだけではない。前回のテポドン１号の試射の時には、北の数少ない友好国の中国とロシアにだけは事前通告していたんだが、今回は大使館が押さえている情報によれば、両国に対する事前通告はまったくなされなかったんだ。」
木「ほほう」
ス「どうやら今回は軍部の暴走ではなく、金正日が外交部を無視して一部軍部とくんで独断で実行したフシがある。つまり入念に計画されて実行されたのはその通りだが、かつてのように国を挙げて一糸乱れず国家政策として「計画的」に行ったのではない可能性がある。これを金正日中枢部の政策遂行する意志決定手順に、不気味なある種の軍シフトが起こっている可能性があるのではないのか、アメリカ大使館の一部ではそう読んでいるんだ」
木「つまり、外交部を無視して金正日と軍の暴走が始まった可能性があると」
ス「現時点で暴走が始まったと断定はもちろんできないが、ロシアや中国にさえ事前通告しなかったのは、外交部に情報が来ないから外交部として手が打てなかったのは事実だろう」
うーん、今回の一連の騒動では、前回のテポドン一号のときと明らかに違うのは、北朝鮮内部で外交部などの文民の発言力が著しく低下して政策決定情報すらもたらせないほど蚊帳の外に置かれていた、というアメリカ大使館筋の読みなのであります。
今回の件に限った事例なのか、本質的に北上層部が軍シフトされてきた兆候なのか、現時点では判断材料がないので断定はできませんが、一つの興味深い分析ではあります。
このアメリカ大使館筋の分析情報の正誤は現時点でわかりませんが、みなさまのこの問題に対する考察の一助になれば幸いであります。
（木走まさみず）
＜関連テキスト＞
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http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060705
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