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金正日の精神状態に問題…軍を制御できず --- 経済制裁で海外口座使えず
1日で7発もの弾道ミサイルを日本海に撃ち込んだ北朝鮮。北を窮地に追い込むことが確実な凶行だけに、最高指導者、金正日(キム・ジョンイル)総書記(64)の精神状態に問題があるとの見方が出ている。米国による経済制裁で財務状況もピンチに陥っており、専門家は「金総書記の指導力が低下している」と指摘する。朝鮮人民軍が制御不能になった場合、ミサイル発射以上に最悪のシナリオも浮上してくるのだが…。
【なぜ発射?】
平成10年に北が発射した長距離弾ミサイル「テポドン1号」は、日本列島を飛び越え、日本政府を震撼(しんかん)させた。今回の暴挙は、日本海に着弾したとはいえ、テポドン2号や5年以来発射していなかったノドンまで持ち出した。
発射すれば制裁包囲網は確実なだけに、伊豆見元・静岡県立大教授は「冷静さに欠ける。金総書記の精神状態に問題があるか、軍部をコントロールできなくなっている可能性も出てくる」と指摘する。
【乱射のワケ】
7発発射という無軌道ぶりに、日本国内では「軍が金総書記の意向を無視して暴走し始めたのでは?」と不穏な観測が流れたが、早大国際教養学部教授の重村智計教授は「反乱や暴走の可能性はない。その見方は間違っている」と指摘する。
ミサイル乱射について重村氏は「北朝鮮は日米の対応を見ながら撃っている。5日午前中に発射を終えた段階で、北朝鮮はやはり効果が上がっていないと考えた。米は冷ややかに見て、無視し、日本は制裁措置を取ってきた。これは『もう一つ脅かしてやれ』ということで撃ってきた」と分析する。
重村氏は現在の朝鮮人民軍について、「軍はミサイルを撃ちたいし、撃つように要求をする。その要求に応じざるを得ないということだ。軍の主張が強くなっているということ」と、金総書記が進めてきた先軍政治の肥大化を挙げる。その背景を次のように説明する。
「金総書記の指導力が落ちていることがある。金融制裁で軍も非常に厳しい状況で、ドルが使えなくなり、物が買えなくなっている。軍もいろいろ海外に口座を置いており、その口座がアメリカにより凍結された。すごい影響がある」
【軍人文化を受け入れろ】
軍に頭が上がらなくなった金総書記の軍への“配慮”ぶりは、5日付の労働新聞や国営ラジオが伝えた直近の将軍さまの動静でも読み取れる。
報道によると、金総書記は平壌に新設されたタイヤ工場を訪問し、「運送機材が急速に増えている」「各種サイズのタイヤの生産を増やすように」と指導。明らかに特殊サイズを要する軍用タイヤを意識した発言だ。
金総書記は集まった労働者たちの前で、「労働者階級は、先軍時代に生まれた軍人文化を受け入れることでも先頭に立つべきだ」と、ムチャな注文まで押し付けた。
また、韓国メディアは先月中旬、金総書記の二男で有力な後継候補とされる正哲(ジョンチョル)氏(25)が近年、たびたび訪欧し、パリに行くたびにブランド店で数十万ドル(数千万円)もの商品を買い、店員を驚かせていると報じた。
そのわりには、先月上旬にフジテレビのカメラがとらえた正哲氏は、皮のジャケットにエリック・クラプトンが印刷されたTシャツ姿とあまりに質素。「一説では欧州で買われた品々は、金総書記が軍を視察する際、軍人たちへのプレゼントにする」(北研究家)というから、金総書記の気の使いようは半端じゃない。
【スイッチ押したのは?】
「軍は発射して力を見せたいという意向はあるが、独裁体制で軍部が独走するなんて考えられない。すべて金総書記の許可はいる」というのは北朝鮮に詳しい軍事ジャーナリストの恵谷治氏。
「朝鮮人民軍のミサイル司令部は陸軍司令部とは違い、独立している。金正日寄りというより、完全な指揮下にある」
ミサイル発射の最高責任者が金総書記であることに変化はない。だが、「死のボタン」を押す指示が、金総書記の意思なのか軍の要請を受けたものなのかは不明だ。
【軍の動きは知らない】
6日午前9時現在、北の国営テレビやラジオは一切、ミサイル発射について触れていない。しかし、4日から平壌入りしている日本の一部メディアに対して、外務省に所属する李炳徳(リ・ビョンドク)日本担当研究員は、「ミサイル発射はわが国の自主権にかかわる問題だ」とあっさり発射を認めた。
さらに、「私たち外交官は、軍隊の行うことの一切を知らない」と、一連の動きは軍主導とも取れる発言を堂々と言い放っている。
ZAKZAK 2006/07/06