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□【社説】北朝鮮のミサイル発射と大韓民国の奇妙な平穏ぶり [朝鮮日報]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2167022/detail?rd
【社説】北朝鮮のミサイル発射と大韓民国の奇妙な平穏ぶり
北朝鮮が5日の午前3時32分から8時17分の間に東海(日本海)に向け、長距離ミサイル「テポドン2号」と中距離の「スカッド」や「ノドン」ミサイルを発射した。問題のテポドン2号は発射から40秒後に落ち、発射は失敗に終わった。
北朝鮮はこの日の午後にも再び中距離ミサイルを発射した。
発射の時期を米国の独立記念日に合わせた点や、韓国や日本、米国までを射程距離に収めるミサイルを複数発射した点に、北朝鮮の入り組んだ意図をくみ取れる。
北朝鮮がミサイルを発射したのを受け、米国のブッシュ大統領はすぐに国務長官・国防長官と安保補佐官を召集して対策会議を開き、日本では未明の4時30分に安保関連みら閣僚が首相官邸の危機管理センターに集まった。韓国は午前7時30分に国家安保会議常任委員会を開催した。
北朝鮮が発射したミサイルのうち、米国と日本を仮想標的としていると判断されるのはテポドンとノドンだ。そしてそれらのミサイルは大韓民国も射程距離に収めている。
北朝鮮のミサイル発射を予想していた米国と日本は北朝鮮の動きを非常事態と受け止めてきたが、北朝鮮のミサイルは人工衛星だと言い張ってきた大韓民国だけは余裕に満ちていた。金大中(キム・デジュン)と盧武鉉(ノ・ムヒョン)という前職と現職の大統領が持つ北朝鮮に対する奇妙な感覚、そしてそれに感染してしまった国民の無感覚は世界で話題となったのではないか。
北朝鮮の今回のミサイル発射は、北朝鮮の動向に対する現政権の予測方式と抑止方式が的はずれで失敗に終わったことを証明した。
他の国は皆ミサイルだとしているのに、韓国政府だけが「軍用ミサイルというよりは人工衛星である可能性が高い」と堂々と言い張っていた。また現政権は独自の情報を持っているわけでもないのに、北朝鮮を内部から見たかのように北朝鮮の核兵器開発やミサイル発射の意図を自衛目的だと世界に説いてみせもした。
「与えれば変わる」という現政権の北朝鮮に対する底なしの信頼は、ミサイル発射を止めさせるのに役に立つどころか「われわれが発射するのは人工衛星」という虚偽情報となって、北朝鮮に言い訳まで与えた。
当初から米国と北朝鮮との間の仲裁役にでもなったかのように振る舞ってきたこと自体が、現政府の勘違いぶりをよく示している。現政権は自らの力量も、北朝鮮の目標も把握できなかったし、米国の意向を読み取ることもできなかった。
それは今回のミサイル発射を前後して韓国が見せた対応によく表れている。
国連安全保障理事会は昨夜緊急会議を開いて、北朝鮮ミサイル問題を議論した。またホワイトハウスのスティーブン・ハドリー国家安全保障担当補佐官は「われわれは多くの準備を行った。これから24〜48時間の間に多くの外交的な動きがあるだろう」と話した。日本は直ちに北朝鮮の貨物旅客船、万景峰号の入港を禁止した。
韓国政府にもまったく反応がなかったわけではない。政府は「賢明でない行為に深刻な遺憾の意を表明」し、「直ちに6カ国協議に復帰するよう厳重に要求」する声明を発表した。もちろん大韓民国政府のこの声明は北朝鮮の耳に届くことも、米国を振りかえさせることもないだろう。
身の程を知らず、世界情勢を知らない無知と錯覚は北朝鮮のほうがさらに上を行っている。北朝鮮はこれから自らの無知と錯覚の代償を支払うことになるだろう。
結局北朝鮮の核開発問題に続き、ミサイル発射問題においても南北はともに孤立無援の境遇であるということになりそうだ。
2006年07月06日07時50分