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北朝鮮のミサイル落下地点はロシア沖であり、発射地点と伝えられている北朝鮮南部海岸地域からすれば、発射の方角は日本ではなくロシアに向いていると言う方が正確だ。この事は二つの意味を持っている。
一つは、その目的が米国や日本に対するデモンストレーションだとしても、決して日本や日本にある米軍基地を狙ったものではないという言い訳が可能であること。従って、国連の安全保障理事会による北朝鮮非難を避けられる。
今一つは、今回の発射については事前にロシアの了解があったと考えざるを得ないこと。では、何故ロシアが了解を与えたのか。
ミサイル発射は日本の世論を軍事的方向へ誘導する効果があり、米日の政権にとって好都合である。また、南北朝鮮の和解を困難にし緊張状態が今後も継続すると同時に、朝鮮半島への中国の影響力を弱める効果がある。
北朝鮮としては、中国への過度の依存を改めて、米・ロ・中三国との等距離外交を模索できる(もちろん、上手くいくという保証は無いが)。軍事的緊張がもたらす強権政治は、米・ロ・中のいずれにとっても好都合だからだ。中国にしても、北朝鮮という重荷をロシアと分担出来れば悪い話ではない。
以上の事から、プーチン政権はブッシュ政権の意向を受ける形で北朝鮮との仲介に立ち、出来レースとしての今回のミサイル発射を支援したのだ。これで、六カ国協議の意義は無くなったし、韓国のノ・ムヒョン政権は外交的意義を喪失した。
ついでに言えば、米・ロ・中の握手は、国際金融資本への対抗上為されたものだ。グローバル化による国家の弱体化に抵抗する、強権権力の国際連帯だ。