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安保理、非難削除し声明採択 米が譲らず 国連施設空爆
2006年07月28日11時13分
国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)の関連施設がイスラエル軍に空爆され、停戦監視要員4人が死亡したことを受け、国連安全保障理事会は27日(日本時間28日早朝)、公式会合を開き、「深い衝撃と悲しみ」の表明とともにイスラエル政府に事件の調査を求める議長声明を全会一致で採択した。当初案に盛り込まれていたイスラエルの攻撃を非難する条文は、米国の反対でまるごと削除された。
中国の王光亜国連大使は採択後、声明が「骨抜きにされた」と述べた上で「間違いなく今後の実務に影響を与えるだろう」と発言。名指しを避けつつ、最後まで妥協に応じなかった米国を批判した。
声明は、亡くなった監視要員のうち1人を派遣していた中国が、事件翌日の26日に採択を要求していた。議長国フランスを含めて同日中の採択を目指したが、米国が内容の大幅修正を求めたため27日にずれ込んだ。
米国は声明から「イスラエル軍の意図的な攻撃」をはじめ、「攻撃」という言葉をすべて削除するよう主張。全容解明のための調査についても、当初案では、アナン事務総長の提唱した国連とイスラエル政府による「合同調査」を求めていたが、米国の反対で、イスラエル政府による調査となった。
採択された議長声明に対し、イスラエルのギラーマン国連大使は採択後「非常に公平でバランスが取れている」と歓迎を表明。国連施設を意図的にねらった攻撃ではないと繰り返し、「戦争では間違いや悲劇が起こるものだ」と述べ、レバノン攻撃は戦争状態にあるとの認識を明らかにした。
安保理会合には、犠牲になった監視要員を派遣していたオーストリア、カナダ、フィンランドの3カ国の代表が出席した。
一方、議長国フランスは27日、今月末で期限の切れるUNIFILの任期を8月末まで延長することを柱とした安保理決議案の草案を全理事国に提示した。安保理は9月以降のレバノン南部での平和維持活動のあり方について、国際部隊の派遣やUNIFILの増強などを柱に、検討することになる。
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イスラエル軍による国連監視要員死亡事件に関する国連安保理の議長声明は次の通り。
・イスラエル軍が25日、レバノン南部にある国連の停戦監視パトロール基地を爆撃し、監視要員4人が死亡したことに深い衝撃を受け、悲しむ
・これらの犠牲者の遺族に深い哀悼の意を表し、オーストリア、カナダ、中国、フィンランドの各政府にお悔やみの言葉をおくる
・イスラエル政府に対し、国連当局が示す関連資料を考慮に入れて今回の事件の包括的な調査をし、できるだけ早く結果を公表するよう求める
・国連要員の安全を深く憂慮し、イスラエルとすべての関係者が、国連と関連要員の保護に関する国際人道法上の義務に完全に従わなければならないことを力説し、国連要員が攻撃目標にならないよう保証する重要性を強調する
・レバノンとイスラエルの市民の死傷者や苦難、インフラの破壊、増加している国内避難民を深く憂慮する
・安保理はこの問題への取り組みを続ける
http://www.asahi.com/international/update/0728/004.html