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迎撃ミサイル 月内にも沖縄配備
米軍のみで発射判断
米軍再編の最終報告を踏まえ、月内にも米国が在日米軍基地に配備する地上発射型迎撃ミサイル「PAC3」の運用について、日米間の取り決めがなく、発射の決断は米側に委ねられていることが二日、分かった。日本政府の了承なしに迎撃に踏み切れば、日本の主権が侵害されるだけでなく、PAC3が落下した場合には二次災害の補償をめぐる問題も浮上する。北朝鮮が「テポドン2号」の発射を準備する中、日米連携を強調した米軍再編は課題を置き去りにしたまま進んでいる。
PAC3の在日米軍基地への配備と早期運用は、五月に日米が合意した米軍再編最終報告に示された。北朝鮮が「テポドン2号」発射の兆候をみせたことから、米側は配備を急ぎ、月内にも沖縄県の米空軍嘉手納基地に四個高射隊二十四基を配備する計画でいる。
「装備の重大な変更」に該当する場合は、日米安保条約に基づく日米の事前協議が必要だが、日本政府は今回の配備に注文をつけない方向だ。
PAC3による迎撃には、日本政府の要請や承認を必要とするのか、米軍の意思だけでよいのかなど、発射の要件をめぐる日米間の取り決めが存在しない。
航空自衛隊が来年三月から配備するPAC3については昨年、自衛隊法が改正され、「発射の兆候」を捕捉した時点で首相の承認を得て迎撃することなどが規定された。だが米軍を日本の国内法で縛るのは無理があり、当面は米軍の判断ひとつで発射できる状況だ。
PAC3は発射されると基地を大きく飛び出して弾道ミサイルを迎撃。外れた場合は自爆し、命中した場合でも金属破片が地上に落下する。米軍が「基地の自衛」を主張しても、迎撃が軍事行動であることは否定できない。基地の外に影響が及び、日本の主権が侵害されるおそれがある。防衛庁幹部は「米兵が基地の外に出てきて泥棒をつかまえるようなもの」と問題点を指摘する。
湾岸戦争では、クウェート防衛のため米軍がイラクの弾道ミサイルに向けて発射したPAC2の破片が市街地に落下し、被害が出たことが明らかになっている。在日米軍のPAC3の破片が落下した場合も、同様の二次災害が起きる可能性があるが、補償について日米間の取り決めはない。
事前協議なしに配備が先行する事態について、外務省日米安全保障条約課は「どのような条件の下で在日米軍がPAC3を撃つのか、まさに日米で協議しているところで、早期に結論を得たい」と話している。
(メモ)地上発射型迎撃ミサイル「PAC3」 ミサイル防衛(MD)システムのひとつで、地上に落下する直前の弾道ミサイルを迎撃する。射程は約15キロ。米国で開発され、航空自衛隊が来年3月から配備する。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20060703/mng_____sei_____004.shtml