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ハマス内閣 機能不全 イスラエル軍、閣僚・議員64人拘束
シリアに威嚇飛行
【カイロ=加納洋人】イスラエル軍は29日未明、ヨルダン川西岸などで、パレスチナ自治政府内閣を率いるイスラム原理主義組織ハマスの閣僚や評議会(自治政府の議会)の議員ら計64人を一斉に拘束。この結果ハマス内閣は事実上、機能不全に陥った。兵士拉致事件を受け、同軍のパレスチナへの攻勢は激しさを増している。さらにガザ地区では南部に続き北部にも軍部隊が侵攻した。29日付イスラエル紙は、同軍の攻勢はハマス内閣の弱体化や崩壊が狙いだとの見方を示した。
イスラエル紙ハアレツ(電子版)などによると、29日の拘束作戦は、西岸のラマラやヘブロンなどと東エルサレムで実施され、イスラエル軍は財務相らハマス内閣閣僚8人に加え、ハマス所属の評議会議員ら計64人を連行。このほか、武装組織メンバー23人も拘束した。内閣の3分の1の閣僚が拘束されたことになる。
イスラエル外務省報道官は拘束理由について「ハマスがイスラエル攻撃を激化させたためだ」と説明。軍報道官は「拉致された兵士奪還の取引材料にするためではない」と述べ、ハマス内閣を追い込む狙いがあることを示唆した。イスラエル政府高官はハニヤ首相らの拘束も辞さない姿勢を示している。
さらに、同軍部隊は29日未明、南部に続きガザ地区北部に侵攻。パレスチナ住民に対し、イスラエル領内へのロケット弾攻撃を阻止する作戦を敢行すると警告した。
同軍機2機が28日早朝、シリア領空を侵犯。北東部ラタキアにある同国のアサド大統領の宮殿上空を飛行し、衝撃波で爆音を発生させて威嚇した。
兵士拉致事件では、シリアを拠点とするハマス在外指導者マシャアル氏が事件を指揮したと指摘されており、イスラエル軍は「ハマスを支援するシリアに警告を与えた」と発表。シリア側は「許されない挑発行為だ」と強く反発している。
一方、パレスチナ自治政府のアッバス自治政府議長は29日、圧力を一気に強めたイスラエル軍の動きを非難し、国際社会の仲介を求めた。
こうした中、パレスチナの武装組織「民衆抵抗委員会」に拉致された西岸のユダヤ人入植地に住むイスラエル人の少年(18)の遺体が29日朝、西岸のラマラ近郊で見つかった。頭部に銃弾を受けていた。同組織は「ガザ侵攻をやめない場合、少年を殺害する」との声明を出していた。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/30int003.htm