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□イラクで相次ぐ歴史遺産の破壊 モスクのせん塔などを爆破 [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2127409/detail
イラクで相次ぐ歴史遺産の破壊 モスクのせん塔などを爆破
【アルジャジーラ特約25日】古代文明の遺跡・建造物を多く持つイラクで今、歴史遺産のモスク(イスラム寺院)などを狙った爆破事件が相次いで起きている。今月22日には、首都バグダッドの西320キロにあるアナで、1000年の歴史を誇ったアナ・モスクのせん塔が何者かにより爆破、破壊された。
アッバース朝時代に建設されたこのせん塔(高さ26メートル)は1986年、ユーフラテス川にダムが完成したのに伴い、洪水被害を受けたため、当時のフセイン大統領が同せん塔の保存を命じた。
考古学者らによる特別チームは軍部隊の協力を得て、せん塔を18個に分解、現在の場所に移送した上で、再構築した。
ところが、今月22日夜、何者かがせん塔に爆弾を仕掛けて爆破、せん塔はほとんど原型をとどめないほどに破壊されてしまった。
アッバース朝は8世紀から13世紀まで5世紀にわたり、イスラム世界を支配し、同朝のアブ・ジャファル・マンスール第2代首長が762年、バグダッドに都を築いた。しかし、バグダッドは1258年、モンゴル軍の攻撃を受けて破壊され、アッバース朝は崩壊した。
歴史建造物の相次ぐ破壊について、イラク調和戦線のスポークスマン、ダフィル・アニ氏は、「犯罪者たちはアラブ・イスラムの歴史的建造物などをすべて消し去ろうとしている。その半面、外国勢力が支配していた時代の歴史的建造物は無傷で保存されている。紀元3−6世紀にイラクを支配したペルシャ王朝の宮殿であるタクキスラがその好例だ」と述べている。
イラクで最もよく知られた遺跡である、サマラのマルウィア寺院のせん塔は2005年4月1日に破壊された。
犯人たちは、高さ52メートルもある同せん塔の最上部に爆弾を仕掛けて爆破、せん塔は大破した。
マルウィア寺院のせん塔は8世紀、アッバース朝のムタシム首長が都を一時、バグダッドからサマラに映した際に建造された。
これに続き、同年10月19日には、バグダッドの開祖、マンスールの像が吹き飛ばされた。この日はフセイン元大統領の裁判が行われた日に当たっていた。
元大統領はこのマンスール像の創作を、イラクで最高の彫刻家 ハリド・ラハル氏に命じた。高さ2メートルの銅像は1979年に完成、同首長の名前をとったバグダッド西部のマンスール地区に建てられた柱の上部に据えられた。
また、バスラでは14世紀に建立された墓が爆弾で破壊された。
こうした歴史的建造物などの破壊行為に対し、イラク警察当局は「証拠なし」のまま、捜査を打ち切っている。
同国の芸術家、アラ・バシル氏は「建築物は芸術の1形態であり、その破壊は人類文明を一掃する行為。この犯罪をイラク人がやっているとすれば、彼らは歴史的建造物などへの知識を全く持っていないからだ。また、犯罪者が外国人であれば、その行為は憎悪の表れだ」との見方を示している。
5000年の歴史を持つイラクは、遺跡や歴史的建造物の宝庫として知られ、その魅力にとりつかれた者たちに何度も侵略された歴史を持っている。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年06月26日00時09分