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興味深い「各国世論調査」(日本を含む):スペイン人の対米感情は世界最悪レベル
スペイン語情報誌IAR-Noticiasをのぞくと、「スペインは米国に対する意見が欧州で最悪」という見出しが見つかりました。
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http://www.iarnoticias.com/noticias_2006/europa/0418_espana_opinion_eeuu_21jun06.html
España es el país europeo con la peor opinión sobre Estados Unidos
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これは米国の調査会社Pewが行った「世界各国の世論調査:2006年春」によるもので、早速そのHPを訪れて調査の内容を見てみたところ、「欧州で最悪」なんてもんじゃない! スペイン人の対米感情は「世界最悪」レベルです。
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http://pewglobal.org/reports/display.php?ReportID=252
America's Image Slips, But Allies Share U.S. Concerns Over Iran, Hamas
No Global Warming Alarm in the U.S., China
Released: 06.13.06
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この種の「調査」の数字をどこまで信用できるのかには少々問題があるのですが、それにしてもなかなか興味深い部分もあります。なおこの調査対象には日本も含まれています。
上のHPに入っていただいて各自で見ることもできますが、以下にいくつかのグラフや図表だけを取り上げて説明を加えておきます。全部ではありませんので、詳しくは上のサイトにお入りください。
それぞれのUrlをクリックすると、図表やグラフを見ることができます。(もし見えなければ本文のものをご覧ください。数字が小さすぎて見にくい場合、Urlを各自のワープロ画面にコピペしてからクリックすると画像の大きさを変える事ができるようです。)
(1)対米好感度(各年度比較)
http://pewglobal.org/reports/images/252-1.gif
欧州各国では軒並み、年毎に下がってはいるのですが、中でもスペインが23%とダントツに低くイスラム諸国並みであるのが目立ちます。英国はそれでもまだ56%もあるのだから驚き。日本は英国より上の63%!
スペインの反米感情は1898年の「メイン号自作自演テロ」「米西インチキ戦争」以来のものですからよく理解できます。逆に「米国好き」が23%もいることが驚きですが、この調査をバルセロナだけで行えば10%を割ることは確実でしょう。特にブッシュはここでは単なる嫌悪と軽蔑と嘲笑の対象に過ぎません。
(2)イランの核兵器保有に反対か、賛成か
http://pewglobal.org/reports/images/252-2.gif
欧州各国で反対が圧倒的に多く、イスラム諸国で比較的賛成意見が増えている、というのは予想通りなのですが、中国やインドで案外と賛成派が健闘しているようです。イスラム国でもトルコでは反対が非常に多いのですが、これは直接につながっているからでしょう。
(3)ハマスの勝利はパレスチナ人にとって良いことか悪いことか
http://pewglobal.org/reports/images/252-3.gif
内政干渉もいいところですがそれはさておき、「悪い」と答えたのが米国で50%ですが、英国34%、スペイン47%、フランス69%、ドイツが何と71%でダントツ! フランスとドイツがやはりシオニストの圧力が最も強いと見るべきなのかな? それにしても英国で「良い」「悪い」がほぼ同数であるのは意外です。またインドが意外に好意的なのも面白いものです。
(4)世界平和にとって脅威は?(『イラン』『米国のイラク駐留』『北朝鮮』『イスラエル・パレスチナ紛争』の4つから選択)
http://pewglobal.org/reports/images/252-4.gif
この中で『米国のイラク駐留』を挙げた割合を見ると、欧州ではスペインがダントツの56%で、ロシアよりも多く、イスラム諸国並みになっています。『イスラエル・パレスチナ紛争』も欧州では一番高くなっています。やっぱし、「ピレネーを越えたらそこはアフリカ」かな? ちなみに、日本ではヤッパシ「北朝鮮」がダントツの1位。それでも47%ですが。
(5)国際的になった問題(鳥インフルエンザ、地球温暖化、イラン核問題、アブグライブとグアンタナモの拷問、ハマスの選挙勝利)を知っているか?
http://pewglobal.org/reports/images/252-5.gif
これもなかなか興味深い。「アブグライブとグアンタナモの拷問」を知っているのは、欧州各国ではほぼ90%(ドイツが98%)なのですが、当の米国で76%です。(ちなみに日本は88%。)ハマスの勝利についても米国は58%(日本は75%)です。
(6)地球温暖化に対する関心(非常に気にかかる、そこそこ気にかかる、ほとんど関心が無い、の3つから選択)
http://pewglobal.org/reports/images/252-6.gif
なんといっても米国の無関心さが目を引き(予想通りだが)、「非常に気にかかる」で19%と抜群の低さです。スペインは51%と欧州では最も関心が高く、日本は66%で調査した中では一番高くなっています。緑の党あたりが結構強いドイツで、意外に関心が低いのが目を引きます。
(7)各国(米国、ドイツ、フランス、日本、中国)に対する好感度:「自己評価」を含む
http://pewglobal.org/reports/images/252-9.gif
米国に関しては(1)で挙げたとおりですが(米国の自己評価は77%と相変わらずナルシストが多い)、その他の国に対してはグラフの通りです。対日感情では、米国と欧州各国では60%以上、イスラム諸国でも、インドネシアはともかくとして、パキスタン、ヨルダン、トルコでは40%台で、中国では(予想通り)21%と最悪! それにしても中国の自己評価は94%でダントツです(笑)。
なぜ笑うかというと、こんなことがあったからです。こちらに住んでいる中国人の友人がいまして、その父親がしばらく前にバルセロナにやってきました。彼は北京で共産党の幹部を長年勤め「中国がナンバーワン!中国以外に良い国は無い!」と堅く堅く信じ切っていました。で・・・、こちらにきて1週間もしないうちに、「ここは良い国だ。ずっとこの国に住みたい」(笑)。要は外国を知らないのですね。
(8)ブッシュに対する好感度
http://pewglobal.org/reports/images/252-14.gif
各国で軒並み下がっているのは当たり前ですが、今年のスペインが何と7%! エジプトより低くヨルダン並みです。日本が英国より多い32%とは、コリャマタ!
(9)世界各国のリーダー(ブッシュ、ブレアー、シラク、マーケル、プーチン)の好感度
http://pewglobal.org/reports/images/252-15.gif
なんと、米国でブッシュ(50%)よりもブレアー(56%)の方が高い! 米国でプーチンが33%を得票しているのは驚きです。当然ですがイスラム諸国ではブッシュとブレアーは最悪。日本ではブッシュが32%、ブレアーが58%、シラクが56%です。
(10)米国主導の対テロ戦争に対する賛成
http://pewglobal.org/reports/images/252-16.gif
どこでも軒並みに下がっているのは当然なのですが(特にスペインは19%と完全にイスラム教国並み)、ここに米国の統計が含まれていないのが気になります。英国では49%、フランスやドイツでもまだ40%を超えているのが注目されます。インドで未だに65%もあるのはどうしたことか?
(11)イラク戦争でサダム・フセインを取り除いたことが世界を(より平和にした、より危険にした)の二者択一
http://pewglobal.org/reports/images/252-17.gif
全体としては「より危険にした」が圧倒的に多いようです。「平和にした」の方が多いのは米国(「平和」51%、「危険」37%)、インド、ナイジェリアの3国だけ。日本では「平和」が26%、「危険」が61%です。英国はおよそ日本並みですが、フランスで「危険」が76%と非常に多く調査された中では最多です。なおここでもスペインはイスラム諸国と同様かそれ以上です。
(12)イラクでの民主主義確立の努力は(失敗するだろう、成功するだろう)の二者択一
http://pewglobal.org/reports/images/252-18.gif
「失敗予想」ナンバー・ワンがやっぱり!スペイン(68%)。続いてヨルダンの66%です。日本は過半数の55%が「失敗」と見ています。「成功」の方ではナイジェリアが抜群の72%、続いてインドの59%で、米国では54%、英国でも過半数の53%が「成功予想」を立てています。「成功」が最も少ないのはロシアとトルコの17%、続いてスペインの18%となっています。
その他、面白い統計結果が色々とあるのですが、全部まではご紹介できませんので、各自中に入ってご覧ください。
http://pewglobal.org/reports/display.php?PageID=824
(総論と主要ポイント)
http://pewglobal.org/reports/display.php?PageID=825
(米国の外交政策のイメージ)
http://pewglobal.org/reports/display.php?PageID=826
(イランとその核問題)
http://pewglobal.org/reports/display.php?PageID=827
(世界的な関心事)
http://pewglobal.org/reports/display.php?PageID=828
(調査方法に関して)
http://pewglobal.org/reports/print.php?PageID=829
(質問の内容)