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http://www.mil-box.com/news/2006/20060601_3.html
警務隊長のゴラン高原初視察に随行して
警務隊本部 1陸尉 小 澤 英 男
本年4月、警務隊長榊枝宗男陸将補がイスラエル及びシリア両国に展開するUNDOF(国連兵力引き離し監視隊)第21次ゴラン高原派遣警務班を視察しました。陸上自衛隊がゴラン高原へ部隊を派遣して10年が経過していますが、この間、警務隊長が直接現地に赴き派遣警務班を視察・激励されたのは今回が初めてのことでした。私は幸運にも本視察に随行することを許され、5年前に第10次ゴラン高原派遣警務班長として勤務して以来の2回目となるゴラン高原の訪問でした。
警務班は、イスラエル側のキャンプ「ジウアニ」に班長以下2名と極めて小さな部隊で派遣されていますが、派遣輸送隊の秩序維持のため積極的な警務支援をしつつ輸送隊本部において情報、訓練幹部・陸曹として頑張っている姿を、当時の自分に重ね見て感慨深くかつ感激した気持ちは今でも忘れられません。
今回訪れてイスラエル及びシリア両国の国家間に存する問題とは別に、両国国民のバイタリティに溢れかつ我々に接する雰囲気が、5年前にも増して更にフレンドリーな姿を見るにつけ、これは代々派遣された日本隊が黙々とそして真摯に、この地の安寧を祈り平和を維持するために任務を遂行し続けている。その証左であると深く感じずにはいられませんでした。
また、視察間特に印象深く思ったことは、我が警務隊長は過去に在エジプト防衛駐在官の経験がありますが、UNDOF司令官及び兵站大隊長等への表敬訪問をした際に、通訳を一切介さない流暢な英語による会話と堂々とした口上とその態度に圧倒され、今更ながら誇らしく感じたことです。更に、日本国警務隊長としてUNDOF憲兵隊司令部を訪問した際の、ウイコスキー憲兵司令官(ポーランド陸軍出身)以下の全隊員が、自国の憲兵隊長が訪問しているがごとく感激をし、その安全確保に我が警務班と連携をとり万全な態勢で臨んでいた姿です。これは、警務隊長が車両にて移動する時に必要の都度サイレンを鳴らし先導警護をする等、視察間の終始を通じて積極的な支援を頂いたことで感じ取ることができました。これに加えて、ポーランド・インド・オーストリア・スロバキア各国から派遣されている彼らは「憲兵に国境は無い、我らは憲兵ファミリーだ!我々憲兵の父親と同じだ!」と言っていたことが深く心に残りました。
最後に本視察にあたって、統合幕僚監部国際協力室、陸上幕僚監部関係者及び在シリア防衛駐在官石橋淳弘1陸佐、第21次ゴラン高原派遣輸送隊長上野和士3佐はじめ数多くの方々にサポートを頂いたことに関し、本紙面をお借りして心より厚く御礼を申し上げ私の随行記と致します。