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□08年米大統領選控え早くも前哨戦? 敵味方が入り乱れる [ベリタ通信]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1960894/detail
08年米大統領選控え早くも前哨戦? 敵味方が入り乱れる
2008年の米大統領選挙までまだ2年以上も残している中で、共和、民主両党の有力候補者の間で、早くもその前哨戦とも思える動きが表面化している。共和党の有力議員でアリゾナ州選出のジョン・マケイン上院議員(69)は、犬猿の仲だったはずの宗教右派の指導者と関係修復を図り、宗教右派層からの票獲得に乗り出している。一方、民主党のニューヨーク州選出のヒラリー・クリントン上院議員(58)は、「クリントン嫌い」を表看板に、保守系のFOXテレビなどを所有するメディア王、ルパート・マードック氏との関係を急速に改善しつつある。いずれの議員もまだ正式には大統領選への出馬を表明していないが、準備だけは着々と進めているようだ。(ベリタ通信=有馬洋行)
マケイン議員は、ベトナム戦争にパイロットとして従軍中、北ベトナム軍のミサイル攻撃で撃墜され、捕虜となった。米国では、6年間に及ぶ捕虜生活に耐えて帰還した英雄として政治の場での知名度は高い。保守系議員だが、リベラルな一面もあり、宗教右派や共和党支持者から広範な支持を取り付けるのには至っていない。
同議員は2000年の大統領選挙に出馬。共和党候補者を一人に絞り込むための各州の予備選挙で当初善戦し、当時のブッシュ候補陣営をあわてさせた。ブッシュ陣営は、マケイン議員引き落としのための中傷合戦を展開し、これが奏功して結果的に同議員は出馬を断念した。この引き落とし工作に背後で活躍したのが、宗教右派層といわれている。右派層は、中絶や同性愛などに強く反発している。
当時、マケイン議員は宗教右派の代表的な伝道師であるパット・ロバートソン氏やジェリー・ファルウェル氏を、宗教や政治に悪影響を与える「狭量なるエージェント」と呼び、批判したほどだ。
2004年にブッシュ大統領は再選を果たしたが、前回に続き、宗教右派票が決めての一つになった。その後、昨年9月にファルウェル氏がマケイン議員に接触、関係修復に向け動き出した。
マケイン議員は今月13日、バージニア州にある、ファルウェル氏が創設した大学に招待され、卒業生を前に訓示を述べた。宗教右派とは肌が合わないはずのマケイン議員のこうした行動は、票欲しさから右派に擦り寄ったものだとして、一部から批判されている。
一方、ヒラリー議員はことし4月、マードック氏が統括するFOXテレビ関連のパーティーに出席、周囲を驚かせた。同氏が所有するタブロイド紙のNYポストは、ヒラリー議員が上院議員に初めて出馬した際、一面で「出馬するな」と報じるなど、関係が悪化していたからだ。
パーティーの席上、同議員とマードック氏が親しく談笑する光景が目撃された。その後、同氏は、2006年の上院選改選のための中間選挙を控え、ヒラリー議員の資金集めに協力すると発表、関係修復が急速に進んでいる印象を与えた。
マードック氏は保守派だが、現実主義者といわれ、ヒラリー議員が将来大統領に当選するのを目論んで、関係修復を図ったとの見方もある。これに対し、ヒラリー議員は、共和党支持者からリベラルと批判されているため、保守系のメディア王への接近は、保守層からの批判を弱める効果があるとみているようだ。
またマードック氏との関係修復を背後から支援したのは、夫のクリントン元大統領といわれ、夫唱婦随でホワイトハウス奪還を目指している構図が見え隠れしている。
2006年05月15日00時05分