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2006年05月13日03時05分
http://www.asahi.com/international/update/0513/003.html?ref=rss
バグダッドで見つかる身元不明の遺体が、シーア派聖廟(せいびょう)爆破事件のあった2月末以降、1日平均50体近くに上ることが12日わかった。大半がシーア派とスンニ派の宗派衝突の犠牲とみられる。脅迫や襲撃で家を追われた避難民は全国で10万人規模に。首都の住民は、街区をバリケード封鎖し、武器を手に自衛を始めた。
正式政府の樹立をにらみ、米軍など多国籍軍の削減や撤退、治安権限のイラク側移管が議論されているが、その受け皿となる治安機関への国民の信頼は地に落ちている。
バグダッド中央遺体安置所によると、2月22日から5月11日までに収容された身元不明の遺体は3863体。4月は1550体と特に多かった。大半が路上やゴミ捨て場、砂漠で見つかった。5月11日だけで56体が運び込まれ、2体は頭部を切断されていたが、警察は一切発表していない。
遺体は、スンニ派武装勢力、内務省の秘密組織「死の部隊」やシーア派民兵が拉致・拷問の末殺害した暗殺と、仕掛け爆弾や銃撃戦に巻き込まれた被害者に大別される。タラバニ大統領は5月10日、4月に1091体と発表したが、これは暗殺に限った数字だという。
一方、イラク移民難民省によると、居住地から追い出された国内避難民は、5月上旬現在で1万4750世帯に達した。4月中旬の6500世帯に比べ2倍以上だ。
同省は、人数を約9万5000人と推定。これはテントや食糧の支援を求めて登録した世帯だけで、親類や知人を頼って移住した世帯を含めると、実数は10万人を大きく超えると同省幹部はみる。
宗派の混住地域から、シーア派は南部、スンニ派は中西部のそれぞれの宗派が多く住む地域に移動しており、宗派のすみ分けが進んでいる。
バグダッドの多くの街区にはコンクリートブロックのバリケードが築かれ、「警官立ち入り禁止」の表示も多い。
西部アミル地区は2月末以後、3、4軒で1人を出すシフト制を敷き、午後10時以降、地区の入り口に近寄るすべての車に警告のうえ銃撃する。
5月4日夜、進入を図った車2台と銃撃戦になり、住民が片足を失った。自警団長の元石油省職員(63)は「外出禁止令下の深夜に堂々と車で襲撃できるのは警官以外にない。米軍のほうがまし。捕まっても殺されはしない」と話した。