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イラク石油でもうけるのは誰か ナゾに包まれたイラク戦争の裏側 [アルジャジーラ]
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投稿者 white 日時 2006 年 5 月 07 日 12:58:37: QYBiAyr6jr5Ac
 

□イラク石油でもうけるのは誰か ナゾに包まれたイラク戦争の裏側 [アルジャジーラ]

 http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1928128/detail?rd

イラク石油でもうけるのは誰か ナゾに包まれたイラク戦争の裏側

 【アルジャジーラ特約4日】2003年に米国主導で始まったイラク戦争の本当の狙いについて、さまざまな意見が交わされてきた。狙いはずばり「イラクの石油資源」と言う者もいれば、本当の狙いはそれ以上に複雑かつ多様だと主張する者もいる。

 この戦争を主導した者たちは「狙いは石油ではない」との意見だ。トニー・ブレア英首相は開戦の2カ月前に当たる03年1月15日、イラク戦争は石油とは関係がないと発言した。

 「狙いは石油」と主張する者たちは、ちょう笑された上、「浅薄な陰謀理論家あるいは知的枯渇者」とのらく印を押された。

 米国のダグラス・ファイス国防次官は03年2月11日、「簡単に確認できる現実を無視する者だけが、そのような戦争から米国が利益を得られると考える」と発言した。

 コロラド鉱山大学のチャールズ・コールハース元教授(石油工学)は「イラク戦争、石油のためではなく」と題した論評の中で、「米国の左派リベラルはイラクへの軍事行動を石油のためとしているが、これほど彼らの政治的、道徳的破綻を示すものはない」と指摘した。

▽石油略奪者

 評論家の中には米国を「石油略奪者」とし、米国がイラクの港にタンカーを横づけした上で、ただで石油を積み込み、米国に運ぶと決め付けるのは単純すぎると主張する者がいる。

 ヨルダンの評論家、アリ・バキール氏は「歴史上の多くの戦争と同様、イラク戦争にはいくつかの狙いが込められている」とし、続けて「米国は現状でイラクの石油を求めてはいない。米国は西半球の産油諸国からの必要な輸入量を得ている」と指摘している。 

 さらに同氏は「米国はイラク石油を支配することにより可能となる戦略目標を持っている。その目標とは、世界の主要な石油需要国となっているインドと中国といったアジアの急成長国家に対するカードを持つことだ。第2の目標は、1975年の米・イスラエル覚書に従い、イスラエルの石油需要分を確保することだ」との考えを示している。

 同年9月に調印された同覚書は次のような内容となっている。

 「イスラエルは、通常の手続きを経て需要を満たすために石油供給に向けて独自の方策を講じる。それでもイスラエルが石油需要分を確保できない場合、同国からの通告を受けた上で、米国が次の対策を5年間にわたり実施し、1年間の事前通告によりどちらか一方の政府が同内容を終わらせることができる」

 両国の覚書はこれまで5年ごとに更新されている。

 03年6月20日、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ財務相(当時)はロンドンで開かれた投資家会議で講演、イラクの石油が間もなく、ジャファのパイプラインを通じて供給されると明らかにした。

 さらに、ネタニヤフ財務相はロイター通信に対し、イスラエル政府はモスル・ジャファ・パイプラインの再開を交渉中と述べた。同パイプラインはイスラエル建国の1948年に閉じられていた。

 グレグ・ムティト氏は「イラク石油資源の横領」と題し、環境・社会開発研究所から出版した著作の中で、イラク戦争は石油と利益を求めて起こされたと断言している。

 同研究はさらに、「米英両国は、選挙で最初に樹立されるイラク政府が決定する石油開発政策が両国の利益にかなうとし、共同してその実現に努力している。これまでのところ、両国はそれに向けて大いに成果を上げている。米国務省グループが最初に提案した生産分与協定は石油開発のモデルとなり、侵略後のイラク政府にも歓迎されている」と指摘している。

 ロンドンの世界エネルギー研究センターのイラク人石油専門家、ファディル・チャラビ氏は生産分与方式がイラク石油資源にとり脅威ではなく、石油取引の単なる一側面だと考えている。

 同氏は「生産分与方式はフセイン時代にも検討されたことがあり、石油専門家としてそうした検討会に参加したこともある。同方式は投資手段にすぎない」とも指摘している。

 さらに同氏は「石油資源はイラクにとって主要な収入源で、同資源を12年間に及んだ国連の経済制裁と現戦争で破壊されたイラクの復興に使うべきだ」と主張するとともに、「石油資源が現戦争の狙いかもしれないが、それがすべてではない」と強調している。

▽賛否両論

 ムティト氏は原則的にはチャラビ氏の意見に賛成しているが、石油の生産分与方式の影響に関しては同意していない。

 ムティト氏は「この方式は石油会社に莫大な利益をもたらし、イラク国民が不利益を被る。生産方式はイラク国民に利益をもたらすものでなければならない」と強調している。

 チャラビ氏はイスラエルの影を否定しない。「イラク戦争前に、ジェームス・アキンス駐サウジアラビア米大使と個人的に会い、その際、どうして今イラク戦争なのかと問いただした。大使の答えは『(アリエル・)シャロン・イスラエル首相と親イスラエル派のネオコンが望んでいるのだ』だった。私の著作の中で、ネオコンがイラク戦争を計画し、起こしたとの事実を明らかにしている」と述べた。

 イラク人の著名な石油専門家ラムジー・サルマン氏は、石油と戦争計画とを分かつことは不可能だと指摘している。同氏は1971年に実施されたイラク石油の国有化後、同石油開発に向けた基盤整備を担当した。

 サルマン氏はさらに、「米国の仕掛けたイラク戦争で、最重要の狙いとは言わないまでも、石油が重要な狙いのひとつであることは明らかだ」と指摘している。

 続けて同氏は「イラクが1990年にクウェートを侵略した際、ジョージ・ブッシュ大統領(当時、現米大統領の実父)は、イラクの国際法違反よりも、席急供給のほうを懸念していた。同大統領は『米国は一国が世界の石油資源の20%を支配することを許さない』と言い切った」と述べている。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)


2006年05月07日02時06分

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