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憲法公布60年・輝きを増す「九条」/改正論議の前に貢献評価を―「琉球新報」社説
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投稿者 天木ファン 日時 2006 年 5 月 02 日 23:00:11: 2nLReFHhGZ7P6
 

○憲法公布60年・輝きを増す「九条」/改正論議の前に貢献評価を

 日本国憲法は戦争放棄と戦力不保持をうたった世界に誇れる憲法である。学校教育の中で、繰り返しこう教えられ、その意識はしっかりと根付いた。さらに、誰に強制されることなく、平和憲法を持つこの国を誇らしく思った。過去の戦争で「お国のために」と促されて死んでいった方々の死を無駄にするまいという決意はゆるぎなかった。だが、公布から60年。今やかつてないほどの危機感が漂う。誇れるはずの憲法が「古着」扱いされ、「実態に合わない」と批判される。改正論議は大いに結構。しかし、60年にわたり国のよりどころであり続け、日本の針路を正してきた憲法を軽々しく扱ってはならない。

国家権力の暴走防止

 憲法改正論議の焦点となるのは平和主義を支える九条である。改正論議の高まりの中で、同条も既に聖域ではなくなった。
 自民党は、昨年10月に発表した改憲草案で自衛軍の保持を明記し、集団的自衛権行使を認めた。さらに「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」に参加できると規定し、海外での武力行使に事実上、道を開いた。
 この論議では、常に米国の影が不気味に見え隠れする。イラク問題もしかり。テロが日常的に発生し、一向に治安が安定しないイラクに派兵している米国は、「軍事パートナー」として日本に治安維持など、さらに一歩進んだ役割分担を求める。しかし、日本は踏み出せない。なぜか。憲法がそれを禁じているからである。憲法は国家権力の暴走を抑える重しなのだ。
 「愛国心」論議も憲法を脅かしている。最終的に教育目標として「国と郷土を愛する態度」という文言で教育基本法改正案に盛り込まれ、今国会で審議されているが、「国を愛する態度」が法で規定されたらどうなるのか。学校現場で「愛国心」が評価の対象となるなど、それが一人歩きするのは容易に想像できる。心理的な強制になり、かつての「非国民」という言葉がよみがえる危険性がある。
 さらに「共謀罪」新設を柱とした組織犯罪処罰法の改正案も今国会で審議されている。この改正案は、実行行為がなくても謀議に加わるだけで処罰可能となる。警察権力による市民生活の監視、市民同士の密告など、背筋の寒くなるような社会がすぐそこまでやってきている。

同じ過ち繰り返すな

 これらの動きは、一つの方向に収束されていくような気がしてならない。戦争へと突き進んだかつての時代である。国家権力による国民生活の抑圧。国策に批判的な言動を発すれば「非国民」となじられ、自由な言論活動もできなくなる。果ては、国と国との殺し合いに行き着く。わたしたちは歴史に学ばなければ、また同じ過ちを犯すことになる。
 憲法記念日を機に、あらためて憲法の存在価値を考えてみたい。現状に合わなくなったから、と改正を急ぐべきではない。60年間現憲法が果たしてきた貢献を見つめ直すべきである。
 紛争などに対する国際貢献を求められるのなら、憲法に立脚し、毅然(きぜん)とした日本独自の主張をし、貢献すればよい。現状のイラクを見れば分かる。米国が大規模戦闘の終結を宣言してから3年にもなるのに、テロによる犠牲者は後を絶たない。武力による紛争の完全解決は不可能に近いといえよう。
 県民は、沖縄戦での経験から軍隊の本質をよく知っている。住民を守るどころか、逆に戦火へと追い立てることがあり、むしろ危険は増す。だからこそ九条、とりわけ二項「戦力不保持」は多くの県民の願うところだ。また、戦後、米軍施政権下の沖縄は憲法の枠外という屈辱的な状況にあった。復帰後、憲法の恩恵にあずかった県民こそ、存在の重さをよく知っているといえよう。
 憲法改正のための国民投票法案も今国会提出へ向け準備が進んでいる。論議を否定するつもりはないが、現憲法を「古着」扱いすることはやめてほしい。世界各地で紛争が頻発する現状では、むしろ「日本国憲法」は輝きを増している。「戦争放棄」の精神を世界に向けて発信すれば、子供たちに「愛国心」教育など必要ない。誇れる憲法を持つ誇れる国。子供たちはしっかりとこの意識を受け継ぐに違いない。


(5/2 9:43)



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