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2006年5月1日(月)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-05-01/2006050107_02_0.html
【メキシコ市=松島良尚】キューバのカストロ国家評議会議長と、ボリビアのモラレス、ベネズエラのチャベス両大統領はキューバの首都ハバナで四月三十日、「連帯と補完の貿易の手段」とされる「人民貿易協定」(TCP)を締結しました。
また、ボリビアは、昨年四月にキューバとベネズエラが締結した地域統合構想「米州ボリバル代替構想」(ALBA)に調印しました。
ALBAは、米主導の米州自由貿易地域(FTAA)構想に対抗し、協力と連帯にもとづく統合モデルとしてベネズエラのチャベス大統領が四年前に提案したもの。「自立し、統合された中南米・カリブの実現」による、社会的不平等の克服や国家が効果的な役割を果たす社会への変革などを掲げています。
TCPの詳しい内容は明らかにされていませんが、ボリビアからの輸入品に対する関税撤廃やバーター貿易などが実施される見通しです。
コロンビアと米国が自由貿易協定(FTA)を結ぶことによって中南米でハイチに次ぐ最貧国であるボリビアがこうむる影響を考慮したものになっています。
TCPに関連して、ボリビアに対するキューバの医療サービスの提供やベネズエラの石油関連技術面での支援など、社会的、経済的な協力も行われます。
モラレス大統領は「中南米全体に尊厳をもたらすときが来た。われわれは団結しなければならない」と述べました。
コロンビアとペルーが米国とFTAを締結することを理由にベネズエラがアンデス共同体を脱退し、同共同体が弱体化するといわれる中で、三カ国が共同を強めていくことになります。
モラレス大統領は、アンデス共同体は新自由主義経済を強化するためのものであってはならないとして、弱体化の責任はベネズエラでなく、多国籍企業に奉仕している国だとの見方を示しました。