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軍事ジャーナリストの「神浦 元彰」氏のホームページにロシアがイランへ巡航ミサイルに対抗できるミサイルを売却する事についての解説記事が載っていましたので転載します。
出展 http://www.kamiura.com/new.html
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対イラン対空ミサイル輸出をロシア実施表明 朝日 4月26日 朝刊
[概要]ロシアのイワノフ副首相兼国防相は24日、訪問先の北京で、核開発を続けるイランにロシアは対空ミサイルシステム「TOR M1]の輸出を計画通り行うと表明した。
イランへの武器輸出を凍結するように求める米国の要請を拒否する姿勢を示した。
この対空ミサイルシステムは昨年12月に輸出契約したもので、イワノフ氏は「不測の事態が起きない限り、契約は実行される」と強調した。
イラン南部のブシェールで建設中の原発への協力も、「核拡散の懸念とは無縁の計画だ」と述べ、ロシアが支援を続ける考えを強調した。
ロシアは米国が求めるイランへの圧力より、イランとの間で培ってきた経済関係を優先する考えを鮮明にした。
[コメント]この表明はアメリカの顔に泥を塗るほどに強烈な印象を感じた。
「TOR M1」は「
Tor M1」 http://www.defense-update.com/products/t/tor.htm と書くことが多いが、紛れもなく超低空で飛来するアメリカの巡航ミサイル「トマホーク」やUAV(無人偵察機)を撃墜できる第5世代型の移動式・最新対空ミサイルシステムである。
ロシアは昨年末にこのTor M1を30セット、総額10億ドルでイランに売却する契約をしている。
真偽は不明でも、アメリカやイスラエルがイランの核施設攻撃が噂されている中、トマホークやUAVを撃墜可能な最新式・対空ミサイルを、ロシアはイランに売却する。
だからロシアはアメリカの顔に泥を塗ったと思ったのである。
それもわざわざ北京訪問中の記者会見で表明するとは政治的な演出効果が大きい。
これで国連安保理でイラン制裁に関しては、ロシアや中国の拒否権で議決することは絶望的である。
これもブッシュ政権がイラク問題に足をとられ、アメリカ国内ばかりか国際的にも影響力を低下させていることに原因がありそうだ。
ロシアや中国はアメリカが南アジアで、インドとパキスタンの核兵器を均衡(核の抑止戦略)させたように、イスラエルとイランの核兵器を均衡させようとしているのか。
すなわちブッシュ政権が勝手にインドの核武装を認知したことに対する”報復”を考えているのか。
このホームページでアメリカ軍がイランに軍事攻撃(限定的でも)できる余裕がないことは何度も書いた。
無論、イスラエルにもアメリカの代理でイランを攻撃する余裕はない。
そのことを承知の上で、ロシアと中国はイラン問題でアメリカに共闘することを決めたようだ。今後、この関連情報には注意が必要である。