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『911の犠牲者の家族がムサウイ被告の死刑に反対意見を述べる』と題した記事が『ル・モンド』(4月20日)のウエブ版に出ている。
予めスケープゴートにされて逮捕された(としか思われない)911事件の唯一の被告、ザカリアス・ムサウイ(フランス国籍)を死刑にすべきか無期にすべきかという、有罪無罪の事実審理なしの茶番劇がヴァージニア州のアレキサンドリアで演じられているが、検察側証人として大勢の犠牲者家族がブッシュ政権のプロパガンダに乗って被告やアルカイダに対する非難を2日間にわたって述べ立てた後、今度は弁護側証人が発言する番となった。証人はやはり犠牲者の家族たちである。『ル・モンド』によれば、これらの犠牲者家族は検察側証人とは逆に恨みや復讐の念に駆られることなく、判事に対し控えめで微妙な言い方で死刑に反対するメッセージを伝えたという。
夫をWTCの南タワーで亡くした三児の母は「人類がこのような悪をなし得ることをずーっと考え続けた。だが私たちはみな神の子である」と発言した。しかし法廷の出口で自由になると、「断固として死刑に反対します」と述べた。
WTCで息子を失った医療関係の社会学者であるマリリン・ローゼンタールは言った。「私たちはすべてこの大変な苦痛を乗り越えねばならないと思った。私たちは一体ハイジャッカーは誰だったのかということを解りたいと願った。アルカイダなのか、そしてテロへの政治的対策はどうあるべきなのかということを」。法廷を出てから、彼女はこうつけ加えた。「ムサウイは有罪ではない。米政府の掌中にいる人間で、911の真の組織者がいる」。ローゼンタール夫人は、彼女の息子とタワーに航空機を突っこませたテロリストの運命に関する本を書き始めたという。
ムサウイ被告の死刑判決に表立って反対することが憚られるほど、アメリカ社会の病理は深い。
http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0,36-763629,0.html