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フランス国防省は19日、仏近海で訓練中の艦船が、潜水艦の動きを探る高性能ソナー(音波探知機)を紛失した、と発表した。同日付の週刊紙「カナール・アンシェネ」のスクープを追認した形。現場の水深は約3000メートルあり、回収は断念した。
ソナーをなくしたのは仏西部ブレスト海軍基地所属の対潜護衛艦ドグラス(乗員約250人)。3月24日夜にスペイン沖の大西洋で訓練中、船尾から海中に投入したつり下げ型ソナー(重さ約10トン)の引き揚げ作業に失敗した。艦体と結ぶ長さ約3キロのケーブル(光ファイバー内蔵)が切れてしまった、という。
事故当時は波高4メートルと荒れ模様。カナール紙によると、天候を憂慮した副官らの反対論を抑えて艦長がソナー投入を決めたといい、海軍が事実関係を調査している。
ソナーは96年に仏タレス社が製造。150キロ先の潜水艦も突き止められる最高水準の性能で、仏軍には2基しかない。アリヨマリ国防相は「対潜システム全体の価格は5000万ユーロ(約70億円)以上だが、紛失した部分は300万ユーロ(約4億円)程度だ」と語った。
2006年04月20日20時18分
http://www.asahi.com/international/update/0420/012.html