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http://teanotwar.blogtribe.org/entry-17621baabc155bcc4039cd935edaf527.html から転載。
2004年から現在までの具体的事例を短時間で振り返るのによい記事がありました。ガーディアンのComment is free ... (but facts are sacred) という、ブログ形式での論説記事集のページから。
記事を書いたブライアン・ウィテカーは、ガーディアンの中東部門のエディターです。「中東情報リンク集」のようなサイトを運営してもいます。(詳細は下記の名前のところをクリックしてください。)
イラク人を殺す10の理由
Ten reasons to kill an Iraqi
April 18, 2006 04:07 PM
Brian Whitaker
http://commentisfree.guardian.co.uk/brian_whitaker/2006/04/ten_reasons_to_kill_an_iraqi.html
1. その人物がスンニ派だから。(http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4167304.stm)
2. その人物がシーア派だから。(http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4887856.stm)
3. その人物がクリスチャンだから。(http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1274107,00.html)
4. その人物が警官だから。(http://www.guardian.co.uk/worldlatest/story/0,,-5756276,00.html)
5. その人物は教育省の役人だから。(http://www.theage.com.au/articles/2004/06/13/1087065030904.html?from=storylhs)
6. その人物が大学で教えているから。(http://abcnews.go.com/International/wireStory?id=1704723)
7. その人物が理容師で、散髪のやり方が気に食わないから。(http://www.nytimes.com/2005/03/18/international/middleeast/18barber.html?ex=1268802000&en=898f35fbd97d012c&ei=5090&partner=rssuserland)
8. その人物はゲイかもしれないから。(http://www.advocate.com/news_detail_ektid28282.asp)
9. その人物のファーストネームが気に入らないから。(http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2006/04/02/wirq02.xml&sSheet=/news/2006/04/02/ixworld.html)
10. その人物がパンを買いに出かけたから。(http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4256309.stm)
【ブライアン・ウィテカーがリンクしている記事の簡単な説明】
1.「スンニ派」
→ Iraq Sunni party workers killed, Friday, 19 August 2005, 17:14 GMT
(モスルでスンニ派の「イラク・イスラム党」の党員3人が拉致され銃殺された。この前の日にはラマディで会議中のスンニ派指導者たちが襲撃され、数人が負傷した。)
2.「シーア派」
→ Dozens die in Iraq mosque attack, Friday, 7 April 2006, 17:55 GMT
(金曜礼拝のバグダードで最も重要なシーア派モスクに自爆者が3人。85人死亡、160人負傷。)
3.「クリスチャン」
→ Twelve killed as bombers attack Christians in Iraq, Monday August 2, 2004
(バグダードとモスルで、日曜の夕方の礼拝の教会に自動車爆弾。初期段階で確認できているだけでバグダードで死者11人、負傷者50人超。モスルで死者1人、負傷者11人。)
4.「警官」
→ 9 Killed in Attack on Iraq Police Convoy, Friday April 14, 2006
(タジの米軍基地で新たな車両を受け取ってナジャフに向かう警察の車列を反乱者が攻撃。9人死亡、数十人の安否不明。)
5.「教育省の役人」
→ Public servants pay the extremists' price, June 14, 2004
(出勤しようと家を出た教育省の部長をガンマンが襲撃、部長は病院に搬送されるも死亡。前日には外務省の事務次官が襲撃され死亡。)
6.「大学の先生」
→ Academics become casualties of Iraq War, Mar 9, 2006
(2003年の侵略開始からこれまでに殺害された大学教授や学識者は182人、との調査結果。拉致されたり殺されそうになったのは、この182人とは別に、85人。)
7.「理容師」
→ A Haircut in Iraq Can Be the Death of the Barber, March 18, 2005
(バグダードで、切ってもらった髪が気に入らないと、ガンマンが覆面をして店に戻って発砲、理容師とその妻、客1人が死亡。)
8.「ゲイ」
→ Death squads targeting gays in Iraq, 03/25/06-03/27/06
(先日BBC【http://teanotwar.blogtribe.org/entry-c37bbea8d6c6616d7e0c01bfdad661a8.html】の記事を紹介しましたが、ここでブライアン・ウィテカーがリンクしている記事はゲイ・ライツ運動の情報誌Advocateの記事で、民兵組織がゲイの男性たちをいかにして「標的にする」のかなどの詳細が書かれている。)
9.「ファーストネーム」
→ Killed for the sake of a name, 02 April 2006
(バグダードで発見された14体の若い男性の銃殺体、全員の胸にきちんと置かれたIDカードで、全員がスンニ派の偉人にちなんだ「オマール」という名前であることが一目瞭然。)
10.「パンを買いに」
→ Nine die in Baghdad bakery attack, Friday, 11 February, 2005
(バグダードのシーア派・スンニ派の混ざり合った地域のパン屋で、覆面をしたガンマンが乱射、9人死亡。)
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ブライアン・ウィテカーのこの「10の理由」は、「セクタリアン・ディヴァイド(sectarian divide)」なるもののばかばかしさ(それはばかばかしいだけに恐ろしいものでもありますが)に焦点が当てられています。
だから、これら10の項目からすっかり抜け落ちているものがあります。「包囲した都市の市街にいたから」「男性だから」「それっぽく見えたから」「こっちに歩いてきたから」「あんなところに立っていやがったから」「アメリカ人の身体言語を理解せず停止しなかったから」「ザルカウィ(http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/04/post_b983.html)の隠れ家だと確実な情報のもたらされた家にいたから」など。「夜、家で寝ていたから」「車を運転して帰宅しようとしていたから」ってのもあるかもしれませんね。
あ、「そっちはどうだか知らんが、こっちが誤ったから(mistake)」が一番多いかも。
投稿者:いけだ