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□汚職がはびこるアフガニスタン 一部NG0も援助資金を横領|アルジャジーラ
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1863577/detail
汚職がはびこるアフガニスタン 一部NG0も援助資金を横領
【アルジャジーラ特約17日】祖国の民主的な未来を確かなものにしようとして働くアフガニスタン治安当局の高官たちは、汚職が政府の心臓部にまではびこっていると語っている。
閣僚や判事、国際援助機関の職員までが金銭の横領や収賄で非難されている。政府部内の指導的人物までが、こうした犯罪行為は2001年の米軍侵攻以来、恐るべき規模で広がっていると非難している。
ミル=ハヤトゥラー・パチャ・アル=ハシミ副司法相はアルジャジーラに対し、「どこの官庁でも、ごく当たり前の署名を求めに行っても、いくばくかの金銭を要求されると聞いている。(タリバンの政権下では)トップレベルでの汚職はあり、州知事や閣僚たちは大金を賄賂として受け取るのが常だった。しかし、当時でも、これほどではなかった。それが現実だ」と語った。
米国がタリバン政権を打倒してから4年以上がたつが、アフガニスタンは依然、弱体な政府組織と貧弱な経済に苦しんでいる。
同副司法相は自分でも、腐敗官僚がやっている金もうけの例を経験していた。4カ月前、ある知り合いが自宅に訪ねてきて、「少なくとも財布が一杯になるぐらいの」ドル札の束を出してきた。同相は断ったが、この賄賂は土地の取得に影響力を行使してもらおうとするものだった。
なぜ汚職がはびこるのかというと、低賃金が引き合いに出される。アル=ハシミ副司法相のような高官でも、月給は700ドルほどで、賄賂は特別収入の一つになる。同相は目下、17万ドルの借金を抱えている。もし、給料を一銭も使わないとしても、借金をなくすには200年以上かかることになる。「私は今、子どもの授業料とパキスタンにいる家族の家賃に毎月1000ドルの借金をしています。カブールでは良い教育を得られないので、家族はパキスタンにいるのです」と同相は話してくれた。
タリバン政権の崩壊後、アフガニスタンには巨額の資金が注ぎ込まれた。米国務省によると、米国だけでも2001ー06の6会計年度に103億ドル以上を供与した。最近のロンドン・サミットでは、さらに数10億ドルの供与が約束され、復興5カ年計画の一端として、米、英、日本、世界銀行などが拠出国として支援を約束したのである。
「アフガニスタン一括援助(アフガニスタン・コンパクト)」と呼ばれる国際支援計画は1月に始動した。同計画は「汚職と戦い、公的透明性と説明責任を確保する」ことを目標としているが、高官の中には差し迫った懸念を口にする人がいる。
政府機構の合理化と汚職問題への取り組みを任務とする独立機関、「行政改革・公務委員会」のフリドゥーン・シルザイ行政改革事務局局長代行は、現今の経済問題は数十年に及ぶ戦乱とタリバン政権によって残された弱体な行政機構によるものとしている。
同代行は「汚職には二通りある。一つは、法律によってはっきり定められた事を実際に破ってしまうもの。もう一つは情実みたいなもので、Aなる人物が何かよくしてくれると、Bなる人物をさしおいてAに法的な便宜を与えてしまうようなことだ。この2番目の方は、相当な程度、権限能力にかかわっている。(政府)職員の数は多いのだが、機能していない。多くの仕事はそれをこなせる、非常に限られた人のところに集まり、従って仕事がたまってしまう。そこで、そのサービスを早くしてもらおうとする人は、早くやってもらうために金を払うことになる」と語った。
アフガニスタン国民は、外国から贈与された金がどこへ行ってしまったのかと疑問に思っている。シルザイ代行は「この考えは空から降って湧いたものではない。(腐敗した)非政府組織(NGO)はどこにでもあり、今も存在している。その一部は大規模かつ、かなりかっちりした組織だ。NGOの中には本物の目的を持ち、達成しようと全力を尽くしているが、皮肉なことに、そういう組織は資金に手が届かない。大きな組織に問題が多いのだ」と話した。
汚職そのものも問題だが、治安に与える影響の方が深刻である。アフガニスタン人の多くは、国を運営している人々に幻滅しており、結果として、反政府勢力に対する草の根の支持がふくらんでいる。
ラマザン・バーサルドスト下院議員は2004年12月、いくつかのNGOを解散させるべきだという提案が否認されたため、カルザイ内閣の計画相のポストを降りた。
同議員は昨年末、閣僚、大使館スタッフ、援助機関職員を含む「マフィア組織」がアフガニスタンで活動しているとして、「計画大臣だった時、アフガニスタンの非政府組織(NGO)をチェックし、規制する部局を設けた。その結果、それらの組織の予算の70%が輸送や行政費、職員の給与、それに高級車や彼らの住宅に使われていることがわかった」と話した。
同議員は「アフガニスタンで本当に復興が行われているかどうか、私は知らない。アフガニスタン人は首都カブールでもテント暮らしだし、カブールの学校にはイスも机も本もないのだ」と語った。
国連開発計画(UNDP)の汚職対策チームに所属するカレン・フスマンさんは、NGOの中には復興資金をポケットに入れてしまっている所があるとして、一部の企業が援助機関のように装い、資金拠出機関の評判を悪くしていると語った、金銭を違法に横領している政府職員にも、そうした事をやめさせねばならないとも述べた。
彼女はさらに、「一般的な政治の意思という点でも、本当に心配になる兆候がいくつもある。高度な意思決定をする地位にある人が汚職にかかわっていることがはっきりしていて、辞めさせられることも時々あるが、しばらくすると、また同じ役所に戻っているばかりか、ある時には昇進までしている」と言う。
彼女は、アフガニスタンを他民族社会であると同時に民主的にしていこうという路線は、汚職との戦いにもっと力を注がないと、脱線してしまう可能性があるとして、「もし、公務サービスの執行と国民の要望に力点を置くなら、汚職との戦いが飛びきり重要です。もしそうしなければ、民主主義のための仕事はどぶに落ちてしまうでしょう」と話した。(翻訳・ベリタ通信=日比野 孟)
2006年04月18日17時39分