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□尻ポケットに米国旗さし風紀違反に 学校側が過剰反応か|ベリタ通信
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1855560/detail
尻ポケットに米国旗さし風紀違反に 学校側が過剰反応か
米カリフォルニア州サンディエゴ郡の公立ホールブルック・ユニオン高校(生徒数3000人)でこのほど、ジーンズの尻ポケットに米国のミニ国旗を入れていた女子高生が、学校側から風紀違反だと警告された。これに対し、高校生と家族からの苦情を受けた人権保護団体の全米市民自由連合(ACLU)は、米合衆国修正憲法第1条(表現の自由)に違反するとして、学校側に照会の手紙を送った。この中で、学校側の行為は、「検閲」に当たるとして女子高生への謝罪などを要求し、満足な答えが得られなければ、訴訟も検討しているという。(ベリタ通信=江口惇)
各種報道を総合すると、この高校生は2年生のマリア・フォンタナさん(15)。
ことし3月31日、フォンタナさんは、尻ポケットに米国旗を入れて登校した。前日に国旗の鉢巻をして登校した同じクラスの男子生徒が、取り外しを命じられていたため、それに抗議するのが目的だった。
午前中は何事もなかったが、学校の昼食の休憩時間中に、警備員から尻ポケットに入れた米国旗を取るよう命じられた。フォンタナさんは「なぜ」と質問し、取ることを拒否した。
この後副校長室に呼ばれ、副校長は、電話で学校に駆けつけた母親のニッキさんに対し、現在の「緊張した状況」から、国旗を提示したりするのは一時的に差し止められたと話したという。しかし、この差し止めについては、生徒の保護者には通知されておらず、事実かどうかはっきりしてない。
当時、カリフォルニア州の高校などでは、ヒスパニック(中南米系)の不法移民に対する厳しい移民法改正案に対し、生徒たちが学校を無断欠席し、街頭デモの参加。一部の学生たちは、メキシコ国旗などを掲げて抗議行進をした。
このため米国の保守層は、米国内で外国のメキシコ国旗を掲げるのはおかしいと反発していた。「緊張した状況」とは、こうした一連の動きを指すものとみられている。国旗の使用が摩擦の種になっている最中だったために、学校側が過剰反応したか、あるいは国旗が粗末に扱われていると警備員が考えた可能性もある。フォンタナさんは一連のデモには参加していないという。
母親のニッキさんが4月初めに、副校長にEメールで照会したところ、フォンタナの風紀違反は生徒のファイルに書き込まれ、高校卒業後半年経ってから、ようやく破棄されるとの答えが返ってきたという。
一方、最高裁は1969年に、黒の腕章をつけてベトナム戦争に抗議した学生の権利について、特別な事情のない限り、学生の表現の自由を制限できないとの判断を下している。
フォンタナさんは、当時ミニ国旗を粗末に扱ったり、学校の治安を乱すような行動は取っていないと話している。
ACLUは、「表現の自由は、自由な社会の第一の原則。公立学校は、生徒の憲法上の権利を尊重する特別の義務を負っている」とし、ミニ国旗を認めなかった学校側の行為は、表現の自由を侵す「検閲」だと指摘している。
これに対し、地区教育委員会は、フォンタナさんのケースについて調査を行うことを約束。担当官は、米国旗であれメキシコ国旗であれ、国旗を尊敬することには変わりはないと述べる一方、ホールブルック・ユニオン高校が、国旗の提示を禁じたかについては、聞いていないとしている。
2006年04月16日00時05分