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イスラエルを承認すべきか パレスチナ住民8人に聞く [アルジャジーラ]
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投稿者 white 日時 2006 年 6 月 02 日 17:02:34: QYBiAyr6jr5Ac
 

□イスラエルを承認すべきか パレスチナ住民8人に聞く [アルジャジーラ]

 http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2032796/detail

「イスラエルを承認すべきか」 パレスチナ住民8人に聞く

 【アルジャジーラ特約2日】パレスチナ自治政府のアッバス議長はこのほど、同政府を主導するハマスがパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハとの対立を解消しなければ、「パレスチナ国家建設」問題の是非を問う住民投票を実施すると表明した。

 イスラエルで収監されているファタハおよびハマスに所属する服役囚たちはこのほど、ガザ地区とヨルダン川西岸に「パレスチナ国家」を建設するよう提案した。

 同案の承認はイスラエルの「存在」の承認に直結する。今年1月の同自治評議会選挙で勝利したハマスはイスラエルの「存在」を否定する姿勢を貫いており、このため、米国と欧州連合(EU)が対自治政府援助の凍結を続けている。

 これに加え米国とEUはハマスに武装闘争の放棄および自治政府とイスラエルが結んだ和平合意の履行を求めているが、ハマスはそれらの受け入れを拒否している。

 また、イスラエルはハマス主導の新政府が発足したのを機に、自治政府に代わって徴収していた関税などの振り込み(月額5200万ドル)を停止しているほか、検問所を閉鎖している。

 この結果、ガザとヨルダン川西岸両地区では交易に大きな影響が出ており、食料、医薬品などの不足、さらには自治政府職員13万人への給与遅配が生じている。

 アルジャジーラネットはパレスチナ人8人にインタビューし、ハマスがイスラエルの生存権を承認すべきか、および、それにはどのような条件が必要かについて聞いた。

▽マリアム・オム・イブラヒム・クルドさん、82歳、難民

 「なぜイスラエルを承認しなければならないのかを教えてほしい。イスラエルは真夜中に家に押し入り、私たちを追い出した。その奪われた土地をイスラエルの土地と承認にしろというのか」

 「ハマスは掲げた原則を守ると思う。前政権の臆病者たちと違い、ハマスは人民の気持ちを分かっており、それが選挙勝利となった」

▽マハ・バンナさん、32歳、教師

 「前政権はイスラエルを承認していたが、それによって何も得るものはなかった。イスラエルだけが得をしたのだ。イスラエルが存在しているのなら、いまさらその存在を承認する必要はない。イスラエルは隔離壁を一方的に建設し、パレスチナ人の生存権を認めていない」

 「イスラエルの存在を承認するかどうかに大きな違いはない。自治政府の財政危機は深刻だが、パレスチナの人々はハマスの政治的妥協を望んでいない。言葉でごまかすのはPLOで、ハマスではない」

▽ハッサン・ナハラさん、35歳、商店主

 「ハマスは権力の座から降りるべきだ。ハマスはパレスチナ社会が被っている現在の苦難、現実に対応できない。毎週、商品を購入しているが、一向に売れない。市民たちに金がないからだ。市民たちは食料を買うため貴金属品などを手放している」

 「私は毎日、イスラエル人と商売している。これが現実なのだ。イスラエルは確かに存在している。それ以外に選択肢はないのだ」

▽サイード・アボ・サラさん、40歳、農民

 「(イスラエルを)承認すると何があるというのか。すでに十年間もこの問題の是非を話し合っている。イスラエルとの和平に向けた米国の音頭とりはすべて失敗した。オスロ合意は協定枠内で決まった占領である。住民投票が実施されれば、条件付で賛成する。その条件とは、イスラエルが先にパレスチナの権利を認めることだ」

▽バスマ・ガライニさん、22歳、大学生

 「イスラエルを承認すべきだ。なぜなら、イスラエルは承認問題を援助問題などと絡めているからだ。承認は理想的ではないが、現実的な解決策だ」

▽アル・ムラダさん、26歳、治安当局者

 「抵抗を続ける以外に道はない。ハマスはイスラエルを承認すべきではない。給与は必要だが、給与遅配とイスラエル承認問題を結び付けてはいけない。外国援助は条件にはならない」

 「既に12年間も交渉を続けている。その見返りが破壊と悲しみなのだ。イスラエルが解決策を提示すべきだ。イスラエルはパレスチナの土地占領を終えねばならない」

▽ハシム・フサイニさん、28歳、エコノミスト

 「パレスチナ政府にイスラエル承認へ向かわせることが必要だ。政府は現行の合意を認めれば、(イスラエルからの)関税収入振り込みが再開される。ハマスが権力の座を維持したいのなら、現実的になるべきだ」

 「政治には余裕も必要だ。原則や原理を堅持する一方で、400万人の住民への責任を考え、その利益を代表していることを忘れてはならない。必要とあれば、イスラエルを承認すべきだ。パレスチナ国家建設問題で譲歩し、容認するということではなく、いろいろな意見があるとの事実を知る必要がある」

▽マルワン・ディアブさん、37歳、公務員

 「パレスチナ国家建設=イスラエル承認=がいいとは思えない。もしハマスがイスラエル承認に踏み切れば、パレスチナは手持ちのカードをすべて失うことになるからだ。イスラエルは口先だけで、何も実行してこなかった。カードを手放せば、大きな問題だ。パレスチナはすべてを失ってしまう。しかし、包括的な解決策、即ち、イスラエル占領に終止符を打ち、パレスチナ国家を建設するとの和平策であれば、イスラエル承認に問題はないだろう」(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)


2006年06月02日02時37分

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