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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu121.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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プーチンロシアの基本戦略はアメリカと中国を戦わせて
漁夫の利を得ること。日本の戦略も米中対立させること。
2006年6月2日 金曜日
◆北方領土 露TVで四島返還論 専門家発言「対日同盟が国益」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060531-00000011-san-int
【モスクワ=時事】二十八日放映されたロシア国営「文化チャンネル」の討論番組で、「日本はロシアの死活的なパートナーだ」として、北方四島の日本への返還を主張する意見が表明された。メディア統制の進むロシアで、政府方針に反する四島返還論が展開されたのは近年では異例。
ロシアのアジア政策をめぐる学者らの討論で、ベテランの中国専門家、ワシリエフ高等経済研究所研究部長が語った。同部長は「日本は十年後にロシアにとって地政学的かつ戦略的に極めて重要な存在となる。小さな四島の領有にこだわらず、返還すべきだ。日本が同盟国となることがロシアの国益につながる」と力説した。日本との同盟によって中国の脅威を抑えることを狙った発言。
番組では、保守派のコシキン戦略策定センター研究員が「四島周辺の漁獲量は年間十五億ドル(約千六百五十億円)。世論調査では82%が四島返還に反対している」などと反論した。ワシリエフ部長は放映後、時事通信に対し、「強力な大国になりつつある中国との関係強化には毒があるが、日本との関係強化は無害だ。今は少数派でも、やがて賛成論が増えると思う」と話した。
(産経新聞) - 5月31日3時26分更新
◆オオカミたちへの伝言 5月18日 ロシア政治経済ジャーナル
http://blog.mag2.com/m/log/0000012950/107280008?page=1#107280008
前号では、ウクライナ・グルジア・モルドバ・ラトビア・エストニア・ブルガリア・ポーランド・ルーマニア・リトアニアの首脳が一同にかいし、反ロ同盟(民主的選択共同体)の会議を開いたこと。そこに黒幕アメリカのチェイニーさんがきて、散々ロシアの悪口をいったというお話をしました。
このようにアメリカはイランや中国ばかりでなく、ロシアにもケンカをうっているのです。そして、一人ほくそ笑むのは中華人民共和国。(^▽^)
中国は、イラン・ロシアがアメリカの侵攻を食い止めてくれればうれしい。ロシアもだまっちゃあいません。プーチンさんは5月10日の年次教書演説で、静かに原爆級の発言をしています。
▼ロシアのアメリカ認識
さて、プーチンさんは演説の中で、名指しは避けましたが明らかにアメリカの悪口をいいました。
「俺らは世界で何が起こっているか見ているじゃないか。俺らは見ているよね。いわゆる「オオカミさんは誰を食うか知ってる」。食って誰のいうことも聞かない。それで、聞く気はないみたいだ。」
そうです。ロシアからみるとアメリカはオオカミ。アフガニスタンを攻撃し、イラクを攻撃し、今度はイランを攻撃する。アメリカにとって国連は「屁」のようなものです。安保理がどういう決定をくだそうが知ったこっちゃありません。
もう一つ、アメリカのことを語った発言。
「自分の利益を実現する必要があるとき、人権と民主主義のための戦いへの熱意はどこにいっちゃうんだ?ここではなんでもありだ、なんの制限もない」
これはなんの話かっていうと、アメリカは「人権を守れ!」「独裁反対」でしょう?しかし、石油がたっぷりある国の親米独裁者(例、サウジ・カザフスタン・アゼルバイジャン等々)を保護していることをいっているのでしょう。
要は反米の独裁者=悪、親米の独裁者=善。
▼オオカミ対策1(軍備増強)
オオカミアメリカは新ロシア革命を狙っている。そして、ロシア政府はNGO規制法などを制定し、革命阻止に動いているというはなしは皆さんご存知ですね。オオカミ対策1は、国防費を増やすことです。
プーチンさんはいいます。「ロシア軍が強くなれば外国からの圧力はそれだけ少なくなる」国の力は金力(経済)と腕力(軍事力)ではかるというのが、世界の常識。
これはかつて日本でも常識でした。昔の人は「富国強兵」「富国強兵」(金をもうけて軍隊を強くする)といいました。大統領がこういう発言をしても、ロシア国民は反対しません。なぜなら、彼らはアメリカからの圧力をヒシヒシと感じているからです。
「ロシアのGDP比の国防費は今日、他の核大国たとえばフランスやイギリスよりもすこし少ない」まあ、でもロシアのGDPはフランス・イギリスよりも少ないですからね
〜。
「(実際の国防費は)これらの国の2分の1。それでアメリカの国防費となんて比べ物にならないんだよ。奴らの国防費はロシアよりもだいたい25倍(!)多い」
プーチンさんはこんな超軍事大国アメリカにおしみない賛辞を送ります。「こういうのを軍事の分野じゃあ、「奴らの家は奴らの要塞だ」っていうんだよ。いや、たいしたもんだ、たいしたもんだ」
「でもこれって、俺らは頑丈で丈夫な自分の家、自分自身の家を建てなきゃならないってことなんだよ」
上のプーチンさんの発言から何がわかるか。以前私は、「ロシアが超大国に返り咲くことはありえない」と書きました。そう、ロシアの国防費はアメリカの25分の1。ざっくりいうと、イギリス・フランス・日本の半分程度。中国は非公式でアメリカの5分の1(約10兆円)程度と見られていて、ロシアはそのさらに5分の1。国防費を増やしたところで焼け石に水の気がします。
しかし。。。少ない金で国を守る方法はあるのでしょうか? ありますね。
核が。。。
プーチンさんは演説の中で、最新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「ブラワ」を搭載し、ソ連崩壊後初めて配備される戦略原子力潜水艦二隻と、移動型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「トーポリM」を中心とした最新の核抑止戦力を強化する意志を示しました。
金がなければ核を抑止力に使いましょうです。しかし、プーチンロシアの基本戦略はソ連と違います。基本はアメリカと中国を戦わせて漁夫の利を得ることですから、アメリカと直接対決する気はないのです。(勝てないし・・・)
「俺らはソ連の間違い、冷戦時代の間違いを、政治でも国防戦略でも繰り返しちゃあならない」ソ連の間違いとはいうまでもなく、アメリカと軍拡競争をして経済を破
綻させたこと。
▼オオカミ対策2(ドル体制崩壊作戦)
日本ではオオカミ発言がクローズアップされているようですが、年次教書演説の目玉は、ここにはありません。もっとも重要な発言は、「ルーブルをドル・ユーロなどの主要通貨と完全交換可能にする準備を今年7月1日までに完了する」と宣言したこと。ロシアは、ルーブルと外国為替との交換を制限していましたが、これを撤廃します。
さらに。。。
「石油など我々の輸出品は、世界市場で取引されており、ルーブルで決済されるべきだ」さらに、ロシア国内に石油・ガス・その他商品の取引所を組織する必要があるとしています。取引通貨はもちろんルーブル。
勘のいい皆さんはもうおわかりでしょう。世界最大の財政赤字・貿易赤字・対外債務国家アメリカが生き延びているのは、ドルが基軸通貨だからでした。
フセインは2000年10月に、石油の決済通貨をドルからユーロにしアメリカから攻撃されました。イランは、ユーロ建ての石油取引所を開設しようとしていて、これが攻撃の主因になっている。
「<イラン>石油取引所を開設 ★ユーロ建てで米国に挑戦か
【テヘラン春日孝之】石油大国のイランが石油取引所の国内開設を目指している。取引の通貨が★ユーロになるとの情報が流れ、オイルダラーに依存する★米国の「ドル支配体制」への挑戦ではないかと観測を呼んでいる。」(毎日新聞4月17日)
アメリカによるカラー革命にむかついたロシアは、イラク・イランと同じように、アメリカのアキレス腱をついたのです。もちろんルーブルの使用量がすぐに激増することは考えられません。
しかし、独立国家共同体(CIS)諸国でロシアから石油・ガスを買っている国々に「ルーブル」を使わせることはできるでしょう。また、ロシアからのエネルギーと武器がなければやっていけない中国とも交渉可能なのでは?全部がだめなら、一部をルーブルでということも可能です。
世界でドルが使われる量が減れば減るほど、アメリカは没落に一歩近づくのです。
さあ、アメリカはどうでるのか?
前回のメルマガで、「新ロシア革命は難しいから、日米はロシアと組んで中国を封じ込めたほうがいい」と書いたところ、早速リアクションがありました。これからは、日米ロ印で、中国を封じ込める(そして戦争を回避する)方向に舵をきらせたいです。
まあ、ブッシュに徳川慶喜のような徳があるのか、非常に疑問ですが。。。
(私のコメント)
先日はブッシュの後に民主党のヒラリー・クリントンが大統領になって米中が接近するだろうという予測の元に日本の戦略を考えてみたのですが、日本の基本戦略としては米中が対立する方向に持って行くべきだ。そうなれば、冷戦時代の時のように日本が漁夫の利を得ることができる。
しかし中国もバカではないから21世紀の中ほどまではアメリカとは敵対関係になることは避ける戦略ですが、その一方では上海協力機構でロシアなどとも同盟を組んでアメリカを牽制する。このように国際戦略は二枚腰三枚腰で行くべきで、親米ポチ保守のようなアメリカとの同盟一本やりの戦略は危険だ。
90年代の時のように米中が戦略的パートナーとなった場合、日本の立場が宙に浮いてしまうからだ。そのようになった場合は田中角栄を見習ってアメリカと出し抜いて中国に接近してバランスをとらなければならない。しかし中国の軍事拡大は収まらず極東の軍事バランスが崩れるから、90年代の時のような戦略的パートナーは民主党でもしないだろう。
ロシアから見てもアメリカと中国が戦略的パートナーとなることはソ連の二の舞になるから阻止しなければならない。その意味では日本とロシアとでは利害が共通しているから協力できるだろう。ロシアから見ればアメリカが敵なら中国は脅威であり、経済的にも軍事的にもロシアを上回る大国となり危機感を抱いている。
日本としては日米を機軸とした外交戦略が基本ですが、アメリカの外交戦略が様々な勢力が入り組んでいてふらふらとして定まらない。ブッシュ大統領のイラク戦争の失敗で政権が代わって戦略の大転換が起きる可能性がある。場合によっては孤立政策をとって世界各地の軍事基地を縮小撤退させる可能性がある。
あるいはアメリカはイラン攻撃に打って出る話もありますが、イラク情勢から可能性は少なくなってきて、ブッシュが強行すればアメリカの自滅を早める事になる。アメリカの本当の危機はドルの基軸通貨体制が揺らぎ始めた事であり、その問題は昨日書きましたが、日本や中国やアジア諸国がいつまでドルを買い支えるかにかかっている。
ドルの基軸通貨体制が崩れればアメリカはイラク戦争どころではなくなり、アメリカは破産する。90年代にロシアで起きたような出来事がアメリカでも起きる可能性がある。1000%の狂乱インフレとアメリカ企業の投売りだ。場合によってはアメリカはロシアのように分裂するかもしれない。ソ連の崩壊も直前まではまさかと思っていたことが実際に起きたのであり、アメリカもそうなる可能性がある。
だから日本としてはアメリカと一蓮托生となる政策はとるべきではなく、自立の道を今から模索すべき時なのだ。ところが今の日本人は戦後の敗戦ボケが未だに治らず、アメリカに頼って生きれば安心と言う植民地根性が根付いてしまった。ソ連崩壊の後はアメリカ崩壊が必然的にやってくる。その時の被害を最小限度にするためにも、今から用意しなければ間に合わない。
ネットを見ると小泉信者のようにアメリカ信者がいるようだ。しかしフランスから見るとアメリカは違った姿に見えるようだ。
◆エマニュエル・トッド著 「帝国以後」「2050年前後にはアメリカ帝国は存在しない」 2003年12月15日 株式日記
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu60.htm
《 こうした帝国的構造からトッドが引き出す命題は、アメリカ合衆国の世界に対する依存性に他ならない。すなわちアメリカにとって世界は不可欠だが、世界にとってアメリカは不可欠ではなく、むしろ不必要となっているということである。そもそもアメリカ合衆国は西半球の別天地で独自の自由な生活を調歌していたのが、ナチス・ドイツ(もっとも直接のきっかけは軍国日本だったが)、次いでソ連という、自由を脅かす全体主義から世界を護るために、懇願されてユーラシアヘと介入した。しかしソ連邦崩壊とともに自由のための守護者としてのアメリカ合衆国の役割は終わりを告げる。
そこであり得た選択は、ユーラシアから撤退し、通常の国(ネーション)として健全な貿易収支の均衡を図りつつ生きるという道であったが、アメリカ合衆国はその道を選択しきれず、奇妙な帝国の道を歩み始めた。そうなると不必要かも知れない己の存在を糊塗し、己が世界にとって不可欠なものであることを証明しなければならない。そこで選ばれたのが、「弱者を撃つ」という手である。イラクなどの弱小国を世界に対する脅威に仕立て上げ、それに対して武力を行使する「小規模軍事行動主義」によって、己の必要性を納得させようというのである。 》
(私のコメント)
このようにEUから見てもロシアと利害は共通しており、米中を戦わせる事はEUの利益でもある。日本としてはEUやロシアを背後からけしかけて米中対決の構図に持って行き漁夫の利を得る戦略を模索すべきだ。