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【国際面】2006年06月02日(金曜日)付
米イラン交渉案、「拒絶なら制裁」視野 ライス流の硬軟両様
【ワシントン=梅原季哉】米国が31日、イラン核問題に関して従来の政策を転換し、条件付きながら交渉参加の用意を表明した。柔軟な姿勢を強調して外交的解決策を限界まで模索した上で、イランがなお拒絶すれば、制裁策も含む国連安保理決議の採択という厳しい対応にも同意を取り付けやすい。硬軟両様を使い分ける外交の背後には、ブッシュ政権の中でも現実主義路線を引っ張るライス国務長官の判断が色濃く反映していそうだが、場合によっては交渉が停滞する恐れもある。
「この提案は、交渉の道に新たなエネルギーを与えるものだ」。ライス長官はこの日の記者会見でそう意義づけた。
「イランは今や、明確な選択に直面している。もしイランが(核関連活動を)停止する用意がないなら、ほかの道がある」と語り、交渉提案を拒まれた場合には、国連安保理決議に基づく制裁を追求するという既定方針通りの道も放棄していないことを強調した。
一方で長官は、「これはグランド・バーゲン(包括的取引)ではない」「イラン体制の本質については、誰もだまされてはいない」などと断るのも忘れなかった。
今回の提案は、あくまで核問題に焦点を絞った交渉で、米国がイランの現体制に正統性を認めるわけではないと説明。軍事的な攻撃をしないなど、体制の存続保証につながる「アメ」まで与える考えはないとした。
「交渉の席につくのは正統性を認めることでは」との質問に対しては「正統性を与えているのは交渉プロセスに対してだ」と主張。「我々は深刻な問題を抱えている体制との交渉はこれまでもやってきた。北朝鮮に対して、やはり多国間の枠組みでそうしてきた」と指摘した。
しかし、仮にイランが交渉を受け入れたとしても、米国が自国に安全保障上の体制存続を保証する可能性がないとみれば、イランは、交渉を長引かせることによって、その間は軍事介入による体制転覆を避けられるという判断に傾く可能性がある。北朝鮮の核問題をめぐる6者協議で指摘されている構図で、米国は難しいかじ取りを迫られそうだ。
http://www.asahi.com/paper/international.html