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世界はどう見る:イラク戦争開戦から3年
イラク戦争開戦から先月20日で3年。宗派間対立は収束せず、正式政府樹立のめどが立たないなど混乱は続いている。
国際問題重視の米紙クリスチャン・サイエンス・モニターは3月24日付のコラムで「もし結果が分かっていれば、開戦に踏み切っただろうか」として、武装勢力の抵抗、過少な米兵派遣など相次ぐ誤算を指摘。「大統領がもはや言えるのはせいぜい『進展』であり、3年前の『勝利』ではない」と皮肉った。
一方、保守系米紙ウォールストリート・ジャーナルは3月22日付社説で「イラクを自由にする米軍の活動は情け容赦ない悲観論にさらされている」としたうえで、米軍が敗北すれば「中東は不安定化し、テロリストの攻撃を許すことになる」と警告。「我々はイラクでの勝利が可能だと信じている」と結んだ。
英紙インディペンデントは3月20日付社説で「イラク侵攻前に言いふらされたサダム・フセインの軍事力が明白なウソだったことは忘れられていない。英米によって示された国際法に対するごう岸さと軽べつは今も腹立たしい」と書いた。さらに「この侵攻の最も基本的な目的でさえ、誰が達成されていると言えるのか」と疑問を投げかけ、「軍事的冒険によって世界は一層安全ではなくなった」と批判した。
20日付南ドイツ新聞も「悪循環」と題する社説で、「イラク戦争は当時も現在も間違っている。戦争の目標は何一つ達成されていない」と批判。シリアなど非民主的な国家を逆に強め、分裂寸前のイラクはテロリストの基盤になるなど、「米国もその批判者も問題をどう解決すべきか分からない」とした。
また、汎アラブ紙アッシャルク・アルアウサトのアブデルラフマン・ラシッド元編集局長は22日付同紙で、「イラクは、過去100年以上にわたり中東でしのぎを削ってきたすべての勢力が集結する劇場と化した」と強調した。元局長は米軍に敵対する勢力として▽イスラム教スンニ派の過激な原理主義者のサラフィー主義者▽シーア派原理主義者▽イラクの旧バース党▽シリア・バース党−−など数多くが存在し、イラクの抵抗運動にかかわっていることも指摘。イラク戦争を「今なお続く100年戦争」と位置づけ、「米国は自身の敵を把握しておらず、中東の争いを理解する上で歴史的視点を欠いている」と論評した。
毎日新聞 2006年4月5日 23時33分 (最終更新時間 4月6日 0時42分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060406k0000m030139000c.html