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□米国防長官に再び辞任要求 重大な計画ミスと元軍幹部|ベリタ通信
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1825507/detail
米国防長官に再び辞任要求 重大な計画ミスと元軍幹部
対イラク戦争の責任者であるラムズフェルド国防長官(73)に対する辞任要求が再び起きている。今回は米軍を退役した将軍二人からだ。長官に対しては、イラク戦争での計画のずさんさから、駐留が長期したことへの不満を訴える声も目立つ。事実、2003年3月の開戦から米兵の死傷者は増え、また経費も当初の見積もりを大幅に上回るなど、長官の思惑通りに事が進んでいないのは事実だ。長官は、過去に何度か辞任の意向をブッシュ大統領に伝えたが、その都度慰留された。一部のメディアは「辞める時期」と論評している。(ベリタ通信=苅田保)
イラクで2003年から04年までイラク軍の訓練を担当していたポール・イートン元少将は3月中旬、米紙ニューヨーク・タイムズの意見欄で、今度国防長官が辞任を申し入れたら、今度こそ辞任を受け付けるべきだと主張した。
イートン元少将は、国防長官が戦略、作戦、戦術上で能力がないことが明らかになったと指摘。また、イラクで起きている事態の責任を問われるものは、長官以外にはいないとし、ラムズフェルド氏の辞任を求めた。
次に辞任を求めたのは、2000年に引退したアンソニー・ジニ元中央軍司令官。NBCの報道番組「ミート・ザ・プレス」に出演したジニ氏は、国防長官は辞任すべきだと明言した。
ジニ氏は、ラムズフェルド氏とともに作戦計画に携わった者も辞任すべきだと述べた。ジニ氏は「われわれは、信頼できる計画の欠如に対して代償を払っている」と指摘するとともに、米当局者は状況を過小評価し、忠告にも耳を傾けず、イラク戦争という“冒険”に走ったと批判した。
またイラクは米国にとってそもそも脅威ではなかったと強調。イラクが保有していたのは、大量破壊兵器の“残りかす”だけで、米国がイラクを軍事力で圧倒することは周知の事実だったとし、「差し迫った脅威とか、重大な脅威があったというのは、私からみれば、大変な誇張だ」と語った。
その上で、ブッシュ大統領は多くの段階で、誤りを犯したことを認めるべきだと提言した。
ラムズフェルド氏への辞任要求は過去に何度も起きているが、イートン元少将の長官辞任要求が公になった直後、ブッシュ大統領は「長官の仕事に満足している」と述べ、辞任要求を一蹴している。
共和党有力者のマケイン上院議員やヘーゲル同議員は2004年にも、イラクの旧アブグレイブ刑務所で起きた米軍兵士による収容者虐待をめぐり、長官の更迭を求めている。
ラムズフェルド氏は、イラク開戦前、大量破壊兵器のある場所は、バグダッドとティクリットと場所まで指定したが、結局大量兵器は見つからなかった。また当時のシンセキ陸軍参謀総長が、イラク侵攻前に、国防長官らの考える派兵の数より多くの兵士が必要と発言したため、ラムズフェルド氏は、シンセキ氏を早めに引退させたともいわれる。
このほか戦費は当初500億ドルといわれたが、既に4000億ドルに達している。兵士の命綱ともいうべき防護服は、2003年から05年にかけて、丈夫なものを調達せず、これを見逃したため、米軍の死傷者を増やしたなどと批判されている。一部のメディアは能力と責任の問題から、辞任を要求している。
2006年04月05日00時06分