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【ロシア政治経済ジャーナル】NO385欧州最後の独裁者の勝利3(飯と気概)
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
★欧州最後の独裁者の勝利3(飯と気概)
「多くの人が予想し、一部が計画した民衆革命はベラルーシでは破綻した。」
(3月20日、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領=欧州最後の独裁者)
アメリカは、旧ソ連諸国で革命を起こします。
ロシアは、それを阻止します。
要は旧ソ連のカラー革命というのは米ロの戦いなのです。
ロシアとベラルーシは、アメリカによる革命の意図を05年5月に察知し、準
備を進めてきました。
▼カラー革命の動機
さて、これまで起こったカラー革命でわかったこと。
1、アメリカの革命資金は、NGO・NPOを通して野党に流れている
2、国際選挙監視団の「選挙では不正が行われた」という発表が、野党の政権
奪取に国際的正当性を与えている
もう一つウズベキスタンの事例でわかったこと。
3、暴動・デモは武力で鎮圧できる
ここでちょっと人間の欲望について考えてみましょう。
今まで革命が起こったグルジア・ウクライナ・キルギスを見てみると、共通点が
うかびあがってきます。
つまり、独裁者が支配し、私腹を肥やしているせいで、国民は貧しい生活を強
いられている。
日本人は、「民衆は自由と民主主義を求めて独裁者を打倒したのだ」とかんが
えがち。
しかし、同じ独裁でも食わしてくれるプーチンさんのロシアやナザルバエフさん
のカザフスタンでは政情が安定しています。
どういうことでしょうか?
民衆の「自由・民主主義!」という叫びは、言論や信教の自由以上に「ゆたか
な生活」を求めているってことです。
一方で、フランシス・フクヤマさんは「歴史の終わり」の中で、「気概が歴史を動
かす原動力である」といっています。
この場合、飯とかちょっとした生活レベルの向上が動機ではありません。
例えば坂本龍馬は、地元の豪商の子で、そのまま土佐にいればリッチに暮ら
すことができた人です。
命がけで革命に身を投じたのが、「飯」が動機であるとは考えられません。
旧ソ連諸国の革命でも、主導したのは政府で高い地位にいた人ばかり。
それをアメリカから金をもらっているとはいえ、リスクを背負って革命をおこす
のは、やはり気概といえるでしょう。
しかし、一般人は飯。
私腹を肥やしている独裁者がいなくなれば、「欧米から支援が来てもっと楽に
暮らせるだろう」と考えている。
こういう動機ですから、ウズベキスタンみたく「武力」が登場すると困る。
だって、「腹いっぱい飯が食えるようになりたい」と思って出てきたら、殺され
てしまうリスクがあるのですから。
そんなわけで、旧ソ連のカラー革命は、「武力」「逮捕」という言葉に弱いので
す。
▼脅迫
さて、こんな事実をふまえて、3月16日。
ベラルーシのKGB・最高検・内務省のトップが、共同記者会見を開きました。
バラ革命が起こったグルジア、オレンジ革命が起こったウクライナからきたテ
ロリストを逮捕したとの発表。
そして、KGBトップのスホレンコさんは、「テロを準備している勢力の背後に野
党のトップミリンケビッチとレベディコがいる可能性がある」と語ります。
そして、この犯罪に対する罰は、「死刑」にすることもありうると宣言したのです。
まあ、現政権から見たらの話ですからね。
実際に、グルジアやウクライナから「カラー革命」支援にかけつけている可能
性もあるでしょう。
現政権からみれば、「革命分子」「政権転覆を狙うテロリスト」ということもでき
ます。
ところが、この記者会見は「もう少し豊かな生活がしたい」と思っている一般人
に対し、政権側の決意を伝えるのに十分でした。
「刑務所に入ったら、豊かな生活どころじゃない」(涙)
「死刑にされた日にゃあ」(涙)
というわけで、これまでの流れを見ると。
1、ロシアとベラルーシは、革命阻止の準備を昨年5月からしていた
2、そのメインはおそらく、アメリカからNGO経由で野党に流れてくる資金
をカットすることであっただろう
3、現政権の代表者は、選挙直前に「革命参加者は死刑もあり得る」と脅し、
一般人の気合をそいだ。
さらに、今度は大統領自身がとどめの脅しをしました。
17日、ルカシェンコさんは、
「騒ぎを起こせば子ガモのように首をねじり始末する」
と、野党陣営を脅迫。
まあ、野党のトップもびびったでしょうが、困っちゃうのは一般大衆ですね。
こんなこといわれた日にゃあ、「当日は自宅でピロシキでも食っておとなしくし
ておこう」ってことになります。
こんなゴチャゴチャした状態で、選挙当日がやってきたのです。
(つづく)