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(回答先: ミアシャイマーとウォルトのイスラエルロビー批判論文の日本語訳(その三) 投稿者 愛国心を主張する者ほど売国奴 日時 2006 年 3 月 30 日 02:32:38)
報告者:東京財団 シニアー・リサーチ・フェロー 佐々木 良昭
No.325 「イスラエル批判論文がハーバード大から」 2006年03月24日
これまで、アメリカの学者は総じてイスラエルを支持する人が多かった。というよりは、イスラエル非難の論文を発表することは、その人にとって大きなダメージとなることがほぼ確定的だった。
今回ハーバード大学から発表された論文は、全くこれまでの親イスラエルというアメリカの学会の立場を覆すものになりそうだ。
この論文は「イスラエル・ロビーとアメリカの外交」というテーマであり、要点は「イスラエルのロビー活動に、アメリカの外交なかでも中東外交は、大きく影響を受けている。結果として、アメリカは中東のアラブ諸国を敵に回し、損をしている。」というものだ。
論文を書いたのは、アメリカでも著名な学者ジョンメイシェイマー氏とステファンウォルト氏だ。
当然のことながら、この論文は大きな反響を欧米の識者の間に呼び起こすこととなった。一体なぜこの時期に、イスラエルのロビー活動がアメリカ議会議員に大きな影響を与えており、それがアメリカの国益にとってマイナスだ、という内容の論文が発表されたのであろうか。
もちろん、いまの段階でその真意を知ることは出来ないが、多分にイスラエルに対し深い理解を持つ両者が、このままではアメリカとイスラエルとの関係が悪化するし、イスラエルは欧露も敵に回しかねない、という配慮からのものではなかったかと思われる。
23日付でも書いたように、3月28日のイスラエル選挙は、同国にとって最も重要な選挙であり、その結果次第では、イスラエルが世界中を敵に回しかねない。その後に来るのは、イスラエル国家そのものの消滅、ということにもなりかねないのだ。
そのことをしっかりとイスラエル国民に分からせるために、この論文は最高のタイミングで発表されたのではないかと思われる。
1992年の段階でハーバード大学は「中東北アフリカ経済サミット」に繋がる論文を発表しており、次いでシモン・ペレス・イスラエル元首相が、中東北アフリカ経済サミットの構想を内容とする「THE NEW MIDDLE EAST 」を発行している。
今回の論文は、イスラエルとパレスチナ、あるいはアラブが共存していく必要を暗に示しながら、そのためには、イスラエルが穏健な政策を実行していくべきだ。その前提はシャロン首相が設立したカデマ党が選挙で勝つべきだということなのかもしれない。
いずれにせよ、中東の今後に関わる全ては、3月28日の選挙の結果によろう。
http://www.tkfd.or.jp/news/today/1_20060324_1.shtml