★阿修羅♪ > 戦争79 > 773.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□不屈のイラク [イラク情勢ニュース]
http://www.freeml.com/message/organizer-news@freeml.com/0001183
2006/03/28(火)
[飛耳長目録 today'snewslist]
☆不屈のイラク (全文)
大虐殺でも真実は変わらない−−米国は侵略前に敗北
(前半に続けて、後半を紹介。webサイトには全文掲載済み)
--------------------------------------------------------------------
☆★不屈のイラク Iraqunbreakable
ハナ・アル・バヤティ (HanaAl-Bayaty)
アル・アハラム 2006年3月23−29日 (エジプトの週刊誌)
--------------------------------------------------------------------
http://weekly.ahram.org.eg/2006/787/sc2.htm
3年がたって、世界はこれまでで最も反啓蒙主義的な時代に突き進み続けて
いる。2003年2月15日、人類社会は大国に対抗してあらゆる手段を講じ
ることを深く決意し、この恐るべき戦争に反対するために地球全体で同時デモ
をおこなったのだった。3年たったが、われわれが先んじて感じていた通り、
それは大虐殺であり言葉では言い表せない残忍な流血である。3年がたって、
イラクは独立国家としても、民族国家としても破壊されてしまった。その天然
資源は略奪され、その文明と文化的遺産は奪われ、宗教的遺産は冒涜されて、
国民は陵辱され、拷問され、ドリルで穴をあけられ、殺害され、溶かされさえ
した。この頃は皮肉にも、内戦を恐れて占領軍の即時・完全撤退の要求さえも
後退している。
このたびの占領のまさに最初の日から、われわれは2つの陣営の力関係の進
展を目にしてきた。一方は占領軍とその手先であり、もう一方はイラク国民と
さまざまな形の抵抗である。イラク人のなかに一時的であれ占領軍を歓迎した
という雰囲気があったとしても、終局目標にそって占領軍が使った手法はイラ
ク国民の利益に反していて、これまでにない多数が離反し挑戦するようになっ
た。
米国のイラク戦略は、アラブおよびイスラム教徒というアイデンティティを
破壊してきて、アメリカの政治・経済・軍事支配を確実にするために、宗派・
民族にそって3つの弱小で相争うものに分割することである。イラク侵攻は不
法な戦争であり侵略という犯罪であったし、今もそうである。イラクとイラク
人は国際法、つまりジュネーブ条約およびハーグ第4条約とならんで国連憲章
によって保護される。米国を占領軍と規定した国連安保理決議1533に従う
なら、米国は国際人道法のもとで宣言された固有の義務をみずからに課すべき
だ。これらの諸条約は、占領軍に占領された国の社会的・経済的・政治的構造
を変えることはできず、占領された国を占領以上の条約や協定でしばることも
できないことを条件として課している。これにはこれまでになされた憲法、選
挙、あらゆる契約が含まれる。
米国が指揮する政治プロセスは違法であったし、今もそうである。しかしブ
ッシュ政府はそのことを隠し通そうとするだろう−−「解放」といい、「国の
建設」といい、あるいは「過渡期」といっても、この政治プロセスは不法かつ
違法である。イラクの「解放」はイラク国民にいかなる主権をももたらさなか
った。主要な国家主権のすべてが占領者の手に握られている。米国は計画を達
成するために、スンニ派とかシーア派といった副次的なアイデンティティをあ
おることによって、イラク国民のあいだに宗派的な争いと市民間の抗争を助長
した。米国は宗派至上主義者の民兵、暗殺チーム、そしてあらゆる種類の傭兵
たちを養い、資金援助し、訓練し、募集してきた。また街全体、都市全体に対
して許しがたい異常なまでの軍隊を差し向け、聖地ナジャフやファルージャ、
タルアファル、カイム、ハディッサ、バクーバ、サマッラ、ラマディその他に
破壊をもたらし、何万というイラク人の死とさらに数万人の拘束という結果を
もたらした。軍事的手段によって国の法律を指図するつもりなら、占領こそ独
裁の最高形態である。
この政策が占領によって利益を得る軍閥と封建主義、買収された個人を各地
に生み出すことは確かだが、他方でイラク社会の大多数−−疎外され貧困化さ
せられた教育を受けた中間階級、労働者階級は国のサービスを享受できなくな
り、若者は失業と市民的権利を奪われる−−は米国のイラク政策を拒否するよ
うになる。このことが占領に対する終わりなき闘争の根源となり、ついには米
国を敗北させ、米国の政策を頓挫させるだろう。
占領軍がイラクにやってきてイラク政府が崩壊した。まさにその日から、全
イラク国民の運動と組織による蜂起が始まった−−それには女性の保護や失業
青年、人権団体、労働組合、専門職の協同組合、環境問題と拘留者の権利擁護
に携わる機関、そしてあらゆる文化・政治団体が含まれ、地方や部族単位の共
同体や平和的レジスタンスと武装レジスタンスも肩を並べている。占領と宗派
・民族至上主義に反対する全国民的運動が発展した。それは市民レジスタンス
(非武装)から武装レジスタンスまでさまざまな形態を採用した。1つの形態
が他の形態と対立するのではなく、むしろそれぞれに闘争形態を選択すること
を支持している。
この占領に反対するためにイラク人勢力によって採用されるさまざまに異な
る方法は、その特定状況にもとづいているのだ。彼らは第二の権力を形成し、
互いの痛みと連帯のなかで生活している。市民レジスタンスと武装レジスタン
スは互いの正当性と合法性、必要性を認めている。彼らは占領軍とその手先、
そして犯罪的な占領計画を打ち負かす共同闘争をすすめている。市民レジスタ
ンスと同様に、武装レジスタンスはイラクの未来と領土、資源をめぐって主権
と独立を守っている。(第二次大戦直後の)ドイツや日本と違って、イラクは
独立した軍事力を持っており、それは降伏したことも、なんらかの協定に調印
したことも、侵略者に降伏することもなかった。占領に反対して蜂起し、イラ
クの主権を正当として戦うなかで、イラク人のレジスタンスはイラク国家の正
統な継承者となっている。
(以上、前半。ここからが後半です)
イラクの愛国運動の歴史を通して、1920年代から今日まで、真の愛国主
義の主要な基準が外国のイラクに対する「覇権」に立ち向かうことであったこ
とは明らかである。イラクの石油資源国有化政策と、石油収入を経済発展と社
会基盤整備に投資する政策の継承は、石油産業をイラクの利益に奉仕させるこ
とを最終目標として、石油産業を適切に管理するための自前の幹部を育成する
イラクの能力を誇示してきた。技術と資金、あるいは何らかの外国の助けが必
要なときでさえ、イラクはそれを契約と合弁を通じて獲得してきた。イラクは
常に、その油田所有権を国家以外の団体に譲ることを正当化したことはない、
と、強調してきた。
過去4000年間、イラクは1つの社会的・経済的な国であった。このこと
は地政学的な知恵から生じている。イラクは幾つかの文明と人民が栄えた1つ
の流域であり、その最新のものはアラブ・ムスリム文明である。イラク国民と
は、彼らの宗教あるいは民族に関係なく、これら諸文明および諸人民の遺産を
受け継いでいるという表現である。歴史上、この地域に2つの国家が併立した
ことはありえなかった。市民が共通の国を形成することが人民の地政学的な利
益であったことから、(2つの国ができると)1つの国はもう1つの国に譲り
渡されなければならなかった。イラク国民を分断しようとする帝国の試みは幾
度となく失敗してきた。<アラブ・ムスリム>というイラクのアイデンティテ
ィを力づくで破壊するには、1世紀以上かかるだろう。
現在のイラク国民の蜂起は、野蛮なグローバリゼーションと資本の「自由化」
に反対する広範な闘争の一環をなしているだけではない。まさしく上述したよ
うな戦いなのだ。イラクがこれほど露骨に破壊されつつあるのは、イラク国民
がその主権を多国籍企業に譲渡することを拒否しているからである。われわれ
は損失にうちのめされるかもしれないが、このイラク国民は彼らがこうむった
人的および物的損失に対する補償金と損害賠償の公正な支払いとともに、占領
下で採択されたあらゆる法律、協定、条約、契約の取り消しを求め、イラクの
領土から占領軍が完全かつ無条件に即時撤退することを要求し、われわれのた
めに忍耐する用意さえしてきた。
米国の計画は、政治的に、道義的に、経済的に、そして軍事的にさえ、既に
失敗した。戦争には2つのタイプの戦略がある−−つまり、敵を打ち負かす能
力を持つか、そうでなければ相手の戦意をくじかなければならない。米国はこ
の1番目の試みに失敗し、2番目の試みを成功させるにはイラクの人口を完全
に根絶やしにするしかない。イラク国民の抵抗する権利は、国連憲章の基礎を
なすものであり、また国連憲章によって保護されてもいる。イラク国民の正統
性と英雄的な戦いを支持することは、以前の秩序に戻ることを支持するという
意味ではない。イラク国民は、みずからの運命と未来を明確にするなかで、そ
の決意のほどを証明してきた。彼らはそれをみずからの手に握ってきており、
将来、圧制の類を受入れようとしないし、受入れることもできないだろう。
イラクの若い世代は、いかなる占領も、外国の干渉も、一党制の国家も、専
制も、独裁者の統治も拒否するだろう。イラクの若い世代は、宗教と政治の分
離、男女の同等、イラクの天然資源をめぐる主権を守るために、歴史的な遺産
と専門的な技術、そして近代主義を掲げている。この若い世代は国と国民の権
利を空売りすることを受入れないだろう。人類は道徳的な破滅の渕に立ってい
るが、彼らの戦いの成功はわれわれの魂の救済である。私の魂はイラク人だ。
この筆者はブリュッセル法廷執行委員会メンバーである。
(www.brusselstribunal.org)