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2003年にイラク戦争開戦に反対した米国の著明な二人の保守系政治学者(リアリスト:現実主義者と呼ばれる学派の重鎮)が、対イラン・シリア戦争を直前に控えた3月10日に、米国の外交政策がイスラエル系の圧力団体に支配されていることを批判する論文「The Israel Lobby and U.S. Foreign Policy」を発表した。
論文の要約版はこちら。近日中に日本語訳もupします。
http://www.lrb.co.uk/v28/n06/print/mear01_.html
全文はこちらからダウンロード可能
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=891198
aljazeerah.infoではこの様に紹介されている。
http://www.aljazeerah.info/News%20archives/2006%20News%20Archives/March/21%20n/Two%20Distinguished%20US%20Professors,%20Walt%20and%20Mersheimer,%20Show%20How%20the%20Pro-Israel%20Lobby%20Manipulates%20American%20Foreign%20Policy.htm
ミアシャイマーの写真はこちら
http://pds.exblog.jp/logo/1/200408/23/56/b001535620051107112501.jpg
私見だが、米国の対中東戦争は石油ドル体制の防衛による世界覇権維持という一面と、イスラエルの安全保障という一面があると思われる。3/22のイランでのユーロ建て石油市場開設の無期限延期により石油ドル体制の崩壊の危険は一時的に遠のいている訳であり、もし米国が本当にイランやシリアに対する戦争を仕掛けるのであれば、それは米国政府は石油ドル体制防衛による世界覇権維持(米国の国益)よりもイスラエルの安全保障(イスラエルの国益)の方を重視しているということの証拠になるだろう。
http://www.asyura2.com/0601/war79/msg/571.html
その様に考えると、イラン大統領が「ホロコーストは嘘だ」と繰り返し主張していること、ドイツのヘルムート・コール元首相が「それに同意する」と発言したと報道された(後日否定報道もあったが真偽は依然として不明)こと、今回ミアシャイマーやウォルトが米国の中東政策がイスラエル系の圧力団体の強い影響下にあり、事実上米国の国益よりもイスラエルの国益が追求されている事を批判したことはイスラエルに対する強い攻撃の連続である。これは、911以降の米国の対中東政策の最大の原因が米国の世界覇権ではなくイスラエルの安全保障問題であるという認識に基づいて、それを攻撃し叩き潰そうとしている様に思われる。
現実主義者(リアリスト)陣営のミアシャイマー・ウォルトと新保守主義者(ネオコン)陣営がの直接対決:
米国の対イラク戦争開戦直前の2003年の2月に、大手シンクタンクである外交評議会(Council on Foreign Relations:CFR)の主催で「ネオコン」対「リアリスト」の直接対決の討論会が行われた。その詳細は以下のリンク参照。国際政治というのはすべて権力の力学による闘争なのだ!」と現実的(realistic)に考える現実主義者であるミアシャイマーとウォルトの二人が米国の国益の観点からイラク戦争に反対したことは実に興味深い。
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k5/151116.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k5/151122.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k5/151129.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k5/151206.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k5/151213.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k5/151220.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k5/151227.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k6/160103.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k6/160110.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k6/160117.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k6/160124.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k6/160131.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k6/160207.htm
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k6/160214.htm
イラク戦争は結局ミアシャイマーとウォルトの言うとおりの失敗に終わった。そして、新たな対イラン・シリア戦争が開戦直前となっている今、リアリストの巨人であるこの二人が発表したこの論文は2003年の討論会の第二部という見方もできる。この論文は米国の政策にどのような影響を与えるのだろうか?
ブログ「地政学を英国で学ぶ」の作者で、
「地政学―アメリカの世界戦略地図」の著者であり、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4772704019/
ミアシャイマーの主著である「Tragedy of Great Power Politics」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0393978397/
の日本語版(近日発売予定とのこと)の翻訳者でもある奥山真司さんのコメントは以下の通り。
Commented by 一読者 at 2006-03-24 20:28 x
The Israel Lobby and U.S. Foreign Policy
JOHN J. MEARSHEIMER
University of Chicago - Department of Political Science
STEPHEN M. WALT
Harvard University - John F. Kennedy School of Government
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=891198
あのミアシャイマーがイスラエルロビ-が米国政府に及ぼす巨大な影響力を批判する論文を公開しました。イラン侵攻を目前に控えた今この論文を発表することが米国の政策にどのような影響を与えるのか等、コメントを頂けると幸いです。
Commented by masa_the_man at 2006-03-25 08:35
>イスラエルロビ-が米国政府に及ぼす巨大な影響力を批判する論文
おお、これは面白くなってきましたねぇ!
>イラン侵攻を目前に控えた今この論文を発表することが米国の政策にどのような影響を与えるのか
この論文が読めないのでなんともいえませんが、タイミング的にはブッシュ批判でバッチリだと思います。ミアシャイマーはFA誌の編集サークルにも近いですし、フクヤマもネオコンから離れた今、どうやらこういうことをしても大丈夫だという状況判断があったのでしょう。これでブッシュはそうとう政治的な立場が厳しくなりますね。これがどういう風に政策に影響するのかはわかりませんが、インパクトがあることは間違いないですね。ベトナムの時はリアリストがうとましがられたのとは大違いで、ミアシャイマーはけっこううまく立ち回っていると思います。
http://geopoli.exblog.jp/4280687/