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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060325-00000032-mai-int
<イラク>開戦後、露が米軍動向をフセイン政権に情報提供
【ワシントン及川正也】米国防総省は24日、イラク側の証言や資料をもとにイラク戦争を検証した報告書を発表し、開戦後、ロシアが米軍の動向に関する情報を当時のフセイン政権に伝えていたと指摘した。同省高官はロシアが石油など「経済的利益」を維持するため故意に情報を流していたとの見方を示した。報告書によると、フセイン元大統領は戦前、米国が戦争に踏み切ることはなく、たとえ開戦してもバグダッド侵攻はないと楽観していたという。
報告書は米統合軍の作戦分析・強化チームが作成した。03年秋から04年初頭にかけ旧フセイン政権のアジズ元副首相や共和国防衛隊幹部らへの事情聴取、数千点におよぶ書類の分析から戦争前後のイラク側の動向をまとめた。
報告書によると、ロシアは03年3月20日の開戦から4月上旬のバグダッド陥落前後まで、イラク戦争を仕切った「米中東軍の内部」から戦況や作戦に関する情報を収集し、バグダッド駐在のロシア大使を通じて元大統領側に伝えたという。
4月2日の内部文書では「米軍はバグダッドに向け南、東、北側から進んでいるが、バグダッド攻撃は4月15日以降になるとロシアが伝えてきた」とされる。ただし、実際にはバグダッドは4月9日に陥落している。また、「米国はイラクの都市を占領するのは不可能だと考えている」との書簡をロシアがイラクに送ったことも分かった。
一方、アジズ元副首相の証言によると、フセイン元大統領は「米国が攻撃してこないと確信していた」という。イラクには石油利権があるため、「仏露が武力行使を容認する国連安保理決議には拒否権を行使するとみていた」ためという。実際には、フランスは拒否権行使を示唆して抵抗したが、米英は決議採決を断念し、有志連合による開戦に踏み切った。
報告書によると、開戦後も元大統領は楽観的で、「米国は政権転覆までは要求しない」と判断。米地上軍がイラク領内に入った時点でさえ、最も恐れていたのは国内の反乱で、反乱鎮圧を想定して橋やダムを破壊せずにおいたという。これによって米軍は障害なくイラク領内を北上、バグダッド入りできたことになる。
開戦の理由とされた大量破壊兵器について、報告書はフセイン元大統領が「イラクには大量破壊兵器はない」と内部の会議で明らかにしたが、イスラエルからの攻撃を警戒していたため、「弱体化した兵力をはね返す魅力的な武器」の保有を模索していたとしている。
(毎日新聞) - 3月25日12時21分更新