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□日本の成功例がお気に入りの米大統領 イラク復興でしばしば引用 [ベリタ通信]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1797581/detail
日本の成功例がお気に入りの米大統領 イラク復興でしばしば引用
ブッシュ米大統領が、民主主義に根ざしたイラクの戦後復興を強調する際に、日本を成功例として挙げるケースが目立っている。大統領は、かつて「不倶戴天の敵」だった日本が「日本式デモクラシー」のお蔭で発展し、米国の同盟国になったと指摘。特に父親のブッシュ元大統領が、第二次大戦中にパイロットとして旧日本軍と戦った経緯から、日本とイラクとの比較対照は、大統領のお気に入りの一つになっている。(ベリタ通信=有馬洋行)
開戦から3周年を迎えたイラク復興について、ブッシュ政権はデモクラシーの定着を重要な成功の指標にしている。しかし、デモクラシーになじみのないイラクでは、逆に宗派間の抗争などで、むしろ内戦の危機さえ叫ばれている。
このためイラクに駐留している約13万の米軍兵士の撤退スケジュールも不透明な状況になっている。ブッシュ大統領の支持率は、開戦時には80%という驚異的な高さを誇っていたが、現在は30%後半にまで急落。最新の世論調査の結果では、イラクから米軍撤退を望む国民の声も強まっている。
ブッシュ大統領は最近、ホワイトハウス記者団や地方での市民対話を重ねているが、これは大統領任期中の最大の課題であるイラク復興問題について国民の支持をつなぎとめるのが狙いだ。
大統領は今月20日、オハイオ州クリーブランドで行われた会合に出席。聴衆との質疑応答の中で、イラク駐留米軍の一方的撤退は、テロ組織や抵抗勢力を勢いづかせるとして従来通り、反対する意向を表明した。この応答の中でも、日本の例が再び飛び出した。
“ブッシュ史観”ともいうべきもので、まず「歴史は、デモクラシーが社会を変えることを証明している」と強調。その上で日本に言及し、「60年前、日本は米国の不倶戴天の敵だった。今日、平和の同盟者である」と述べ、日本式の民主主義が定着したお蔭で、米国の同盟国になったと指摘した。
また、「私の父(ブッシュ元大統領)は日本人と戦った。しかし、小泉首相は私の最良の友の一人になり、共に平和を論じている」と、まるで何かを発見したかのような感じで引用している。
大統領は昨年12月の真珠湾攻撃記念日の際にも、かつての敵が同盟国になったと強調している。
一方、日本と共に第二次大戦中に米国など連合国と戦った旧枢軸国ドイツについても、対イラク開戦3周年を迎え、ラムズフェルド国防長官が、イラクからの一方的撤退に関連付けてイラクと比較した。
長官は米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、「今、(米国が)イラクを見捨てることは、戦後のドイツをナチに引き渡すようなもの」などと論じた。
しかし、このドイツの比較については、カーター元大統領の下で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたブレジンスキー氏が、米テレビの中で早速反論。
同氏によると、ナチは連合国に完全に殲滅され、イラクのような抵抗勢力は存在していなかったと強調。またドイツは、ヒトラーが政権を奪取する前までは、民主主義を享受していたとし、ドイツが再び極右化するだろうとの例え話は、「馬鹿げている」と切り捨てた。
2006年03月24日00時05分