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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060322-00000015-yom-int
スペイン・バスク独立派が停戦宣言、和平交渉入り示唆
【パリ=島崎雅夫】スペイン・バスク地方の分離・独立を目指す非合法過激派組織「バスク祖国と自由」(ETA)は22日、恒久停戦を24日から実施する方針を発表した。
スペインのサパテロ政権が和平交渉開始の条件としていた武装放棄にETAが応じた形で、同政権も「暴力行為の終わりの始まり」と期待感を表明しており、交渉が開始されれば、40年近いバスク紛争は和平実現に向けて大きく前進する。
恒久停戦は、同地方のマスコミ各社に送付した声明で明らかにした。ETAは停戦の理由として、「バスク地方で民主化プロセスを促進し、同地方の住民が自らの将来について決定できる新たな枠組みを構築するため」と説明、スペイン政府との交渉をにらんだ措置であることを示唆した。
サパテロ首相は22日、声明の直後にスペイン国会で演説し、「恐怖とテロの時代がずっと続いて来ただけに、長く困難なプロセスとなるだろう。ゆっくりと注意深く進んで行きたい」と述べ、一方的停戦を歓迎しながらも、慎重に対処していく考えを示した。
ETAは1998年9月に発表した完全停戦を翌年12月に取り消したことがあり、同政府は、ETAの真意、停戦順守状況を見て、交渉開始の判断を行うと見られる。ETAが恒久停戦による和平交渉路線へと転換したのは、2004年秋以来、最高幹部のミケル・アルビス・イリアルテ容疑者ら有力活動家が相次いで逮捕され、組織が弱体化したことがある。
最近は事前通告したうえで小規模の爆破テロを主要都市の繁華街などで繰り返す戦術を取り、自らの存在感を示してきたが、穏健左派のサパテロ政権が、中道右派の国民党政権より権限委譲に寛容なことから、和平交渉に応じる姿勢を強めたと見られる。
ETAは1968年、警察署長を暗殺した初のテロ以来、武装闘争に転じた。73年にはマドリードでブランコ首相を爆弾テロで暗殺。75年のフランコ総統死去後に行動が過激化し、80年だけで100人近くを殺害するなど、誘拐、暗殺、企業への脅迫を繰り返した。国王暗殺未遂事件を起こしたこともある。
イスラム過激派が犯行を企てた04年3月のマドリード列車同時爆破テロでは一時、関与を疑われた。これまでの犠牲者は約850人とされる。
(読売新聞) - 3月23日1時51分更新