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□ウソまみれ作戦/ダール・ジャマイル [イラク情勢ニュース]
http://www.freeml.com/message/organizer-news@freeml.com/0001177
2006/03/22(水)
[飛耳長目録 today'snewslist]
☆ウソまみれ作戦 OperationSwarmofLies ダール・ジャマイル
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☆★ウソまみれ作戦 OperationSwarmofLies
ダール・ジャマイルのイラク速報 2006年3月20日
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DahrJamail'sIraqDispatches
http://dahrjamailiraq.com
※ 『OperationSwarmofLies』とは、米軍がサマッラ周辺で展開している
『OperationSwarmer(群がり作戦?)』を皮肉った表現。
イラクのサマッラ北東地域で先週後半から展開されている<オペレーション
・スウォーマー>の作戦任務は、米軍発表によると、「反政府レジスタンスの
中心地を襲撃」し、「テロリストの活動」を妨害することだった。
(作戦部隊は)1500人以上の米軍およびイラク軍兵士で編成され、50
機の米軍攻撃ヘリと輸送ヘリがその部隊を平坦な農耕地帯へ空輸したが、その
地域はレジスタンス戦士が集まる「レジスタンスの中心地」ではなく、貧しい
農民と牛、山羊(ヤギ)、そしてパンを焼く女たちがいるだけだった。今回の
空輸作戦で兵士送り込まれたことによって、50平方マイルの地域に住む人口
(わずか1500人)は二倍になった。
米軍は勇敢に48人の「ゲリラ容疑者」を拘束したあと、すぐにそのうちの
17人を釈放した。それは作戦の一環であり、牛や山羊を拘束したのではなか
った。
1人のレジスタンスとも遭遇しなかった理由について、米軍はどう発表した
か?
第101空挺師団の広報担当将校エドワード・ルーミス中佐は、「戦術的に
不意をつくことができたと思う」と語った。
3年前の米・英による侵攻作戦以降ではイラクで最大の空襲だと偽って語ら
れたが、ルーミス中佐は、作戦2日目に入って部隊は「目的地域を通って」移
動中であり、「作戦としての尋問がすぐに始まった」と発表した。『タイム』
誌の報道ではこうだ;
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1174448,00.html
「ブラックホーク4機が小麦畑に着陸し、テレビ・チーム、写真家3人、活
字メディアの記者3人、イラク政府当局者3人を<オペレーション・スウォー
マー>の中心部に下ろした。緑と赤のイラク国旗を後尾になびかせ新しくペン
キを塗りたてのハンビーに乗ったイラク兵が、農場への捜索を終えたところだ
った。そこには6頭のやせた牛と、パン生地をこねては竈(かまど)の壁にう
ちつけて平らにしているイラク人の女性1人がいた。多くのTVネットワーク
が間違って報道したこととは対照的に、今回の作戦はどうみても開戦以来最大
の空軍力を動員したものではなかった。
(『AirAssault』はある地域に兵力を輸送することを指す米軍用語である。)
事実、何人かのアナリストが写真作戦といった程度と評したように、空爆は
なく、作戦で捕まったゲリラ指導者もいなかった。さらには、発砲もまったく
なく、部隊はレジスタンスとも遭遇しなかったと米軍とイラク軍の指揮官が話
した。」
もちろん、米軍はザルカウィに率いられたグループの地元指導者2人がこの
地域にいたと主張したが、残念ながら、彼らはこの<オペレーション・スウォ
ーマー>でも「尋問戦術」でも捕まえられてない。
一方、キャンプデービッドで週末の休息をしたブッシュ氏は、ホワイトハウ
スの南庭で報道陣と語ったなかで、イラクについて「進展があって勇気づけら
れている」と述べた。
<イラクの自由作戦>に踏み切って3周年を迎えた政府の話題にコメントし
たブッシュの発言は、ペース大将(訳注:駐イラク米軍司令官)が最近話した
ことをなぞったものだった。ご存知のように、ペース司令官は『ミート・ザ・
プレス』(番組の名前)でイラクについて質問され、事態は「君たちが目にし
ているよりずっとうまくいっている」と語った。
<ウソまみれ作戦>は、イラクでぞっとする不運な事態に陥っても幸せそう
な顔をするための、もう1つのチェイニー政府のメディア向け電撃作戦の一部
なのだ。イラク戦争に対するアメリカ世論の支持が急落したことを誰もが知り
すぎていて、いわゆる大統領支持率も常に低いことから、ブッシュはイラク占
領のはげたペンキを塗りなおすためのキャンペーンに打って出たのだ。イラク
軍に治安維持の責任を委譲するという論点をめぐって、<ウソまみれ作戦>は
米軍がイラク軍に「敵との戦闘をゆだねる」というメッセージをアメリカ国民
に向けて伝えるのが第一の目的だった。
しかし、この大破壊作戦は、ほかにも目的があった。
<ウソまみれ作戦>は、先週金曜日(3月17日)の米・英軍による秘密作
戦から米国内メディアの注意をそらせるものでもあった。
カナダの放送局でさえ次のように報じた。
http://www.cbc.ca/story/world/national/2006/03/17/iran060317.html
−−イランの警察長官イスマイル・アハマディ・モガッダムは、イラン南東
部で21人が殺された事件に米・英の諜報機関が関与していたと非難した。モ
ガッダムの非難は米・英両国の諜報機関がイランの反政府勢力をあおって市民
を攻撃させたというものだ。
<ウソまみれ作戦>はまた、先週、ティクリートでアメリカの「警備契約
者」(傭兵?)が逮捕されことからメディアの目をそらす効果にもなった。テ
ィクリートの米・イラク合同軍調整センターによると、「その男は民間企業で
働く警備契約者とされ」ていて、先週火曜日(3月14日)逮捕されたとき、
彼は「爆発物を所持していて,車の中から発見された」。
この事件は3月14日にアル・シャリキーヤTVでも放送されており、報道で
はその男が外出禁止令の時間帯に逮捕され、「彼は車に爆発物を持っており、
サラハッディン州当局と米軍当局とのあいだで事件に関して協議がなされた」
とも説明された。
他方、米本国においては、「副」大統領チェイニーがこの週末に、イラクは
内戦状態ではないが、テロリストはイラクが民主主義にむかって前進するのを
妨害しようと分割作戦をとっている、と、述べた。
CBSの番組『フェイス・ザ・ネイション』のインタビューに応じたチェイ
ニーは、「われわれが目にしてるのは内戦を助長しようとする彼らの企みだ」
が、「しかしそれが成功するとは思わない」と述べた。
そうだとも−−イラク国民は「内戦を助長」しようとする占領軍の企みを潰
そうと、驚くべき努力を払っているのだ。
なぜならば、ティクリートで発生した先日の事件は、イラク国内の本当のテ
ロリストは誰かを示した多くの事例のうちの1つである。昨年9月にも、秘密
任務に就く2人のイギリス軍SAS(特殊空挺部隊)兵士がイラク警察にバス
ラで逮捕されたことがある。このイギリス兵はイラク人の服装をし、民間人の
車に乗っていて、「イラクの治安当局は・・・逮捕した2人のイギリス兵はイ
ラク警察官の射殺ないしは爆発物を仕掛けようとしたと告発した。捕らえられ
た2人の男の写真は、彼らが一般市民の衣服を見ていたことを示していた」。
ワシントン・ポストの同じ記事によると、イギリス軍は2人の兵士を解放す
る命令を受けてイラクの監獄を即座に襲った。これに対して、バスラ州知事モ
ハメド・ワリは通信社に、イギリス軍の襲撃は「野蛮かつ残忍、無責任だ」と
語った。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2005/09/19/AR2005091900572.html
野蛮かつ残忍、無責任という言葉は、<ウソまみれ作戦>の本質を説明する
のにも使える表現である。
この日曜日(3月19日)、イラク人権監視ネット(MHRI)のムハマド
・アル・デラジは、サマッラ付近で米軍がおこなっている無法行為に関して、
国連バグダッド事務所に訴えを提出した。
「私たちはサマッラの市民と人権活動家から、アメリカ軍とイラク軍が作戦
を展開しているその地域が・・・次のような危機的なまでの人権侵害状況にさ
らされているという知らせを受け取った。
1) 赤新月社の救援チームは同地域に入るのを許可されない。
2) 独立系メディアと報道機関もまた地域に入るのを禁止された。
3) 女性と子どもがその軍事作戦地域から脱出するのも許されない。
4) 報道されたニュースは、住民をおびえさせる目的で一般市民への攻撃
と暴力がおこなわれていることを示唆しており、住民にこの地域から他へ移住
することを強要している。男たちを連行し、女性と子どもは逃げ出すように強
要し、そこに軍事基地を建設することを狙っている。」
しかし最も重要なことは人道的な悲劇であり、それは<ウソまみれ作戦>が
引き起こしていながら、その作戦が人々の注意をそこからそらせようとしても
いる。
人道問題の調整のための国連事務所は包括的地域情報ネットワークIRIN
を通して、19日、『大攻勢のために数百家族が移住した』と報告した。
http://www.irinnews.org/report.asp?ReportID=52300&SelectRegion=Middle_East&SelectCountry=IRAQ
報告には、<オペレーション・スウォマー>の結果、「数百家族がサマッラ
市から避難した」とかかれている。サマッラ住民で5人の子どもの父親である
バラカト・ムハンマドはIRINの調査に、「彼らが市を攻撃し始めたとき、
何も持ち出せなかった。家族を連れて必死で逃げるのがやっとだった。飲むも
のも着るものも持ち出せなかった」と答えた。
米軍は発砲しなかったと発表したが、明らかに爆弾が一般市民の頭上に投下
された。
IRINはさらに、「地元の医者たちは、空襲によるケガを負って、現地の
病院では女性と子どもを含め少なくとも35人の市民を治療した。加えて3月
17日以降、18の遺体が病院に運びこまれたと話した」と報告している。
先週水曜日(15日)以降でも、バグダッドの北ないしは北東で空襲が続い
てきた。
前述したイラクのNGO団体MHRIによると、AP記者によっても確認さ
れたが、「バグダッド北部への急襲作戦では、米軍の爆弾によって女性と子ど
もを中心に11人が殺された」。米軍はバグダッド北方約50マイルに位置す
るバラド近くでのこの急襲作戦を公表したが、4人(男1人、女2人、子ども
1人)が死亡しただけだと発表した。
http://www.msnbc.msn.com/id/11819857/
しかし親類の者は、毛布に包まれた11人の遺体がピックアップ(小型トラ
ック)3台の荷台に乗せられて、空襲のあった場所から北に約40マイル離れ
たティクリート総合病院に運ばれたと言った。
いつものことながら、実際のところは4人死亡という米軍発表とは矛盾して
いて、AP配信の写真は男性2人、子ども5人、毛布で覆われた他の4人の遺
体が悲嘆する親類に付き添われて病院に到着するのを写していた。
サマッラ付近の出身である警官レイス・モハンメド警部さえ、家屋を潰した
攻撃には米軍機と装甲車が使われ、家のなかにいた11人全員が殺されたと話
した。
イサハキ地区の爆撃現場にいたAP記者は、「家の屋根が崩れ落ちて、3台
の車が破壊され、牛2頭も死んだ」と述べた。
殺された家族の家長の甥にあたるリヤド・マジドはAP記者に、米軍はヘリ
でやってきて15日早くに民家を急襲したと語った。災難に遭った家長とは兄
弟になるアハメド・ハラフは、犠牲になったうちの9人はその家に住んでいた
家族で、2人は訪問客だったと説明した。
ハラフは、「殺された家族はレジスタンスに参加してなかったし、女と子ど
もだ」と話した。「アメリカ人は私たちによりよい生活を約束したが、もたら
されたのは死だけだ」。
現在の標準的作戦手続きについて、米軍は今回の空襲がアルカイダを支持す
る「容疑者」個人を狙ったものだと主子付した。そしていつものことながら、
米軍はその民家から攻撃を受けたと言い張った。
サイモン軍曹によると、「米兵がその建物に近づいたとき敵から発砲され
た。で、有志連合軍は空と地上の両方から応戦した」。
今回、幼い者までがアルカイダと疑われて空襲で殺されたが、これもまたイ
ラクの米軍にとってはいつものことである。
http://209.97.202.24/gallery/view_photo.php?set_albumName=album37&id=clip_image002
http://209.97.202.24/gallery/view_photo.php?set_albumName=album37&id=clip_image001
もちろん、この事件の全体が<ウソまみれ作戦>でうまいことに陰においや
られた。
追記; バラドにおける米軍空襲の結果を撮った写真をもっと見るには、
次のURLをクリックしてほしい。
http://209.97.202.24/gallery/view_album.php?set_albumName=album37
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