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(回答先: 残酷すぎて正視できません。がメディアで発表すべきだ。米軍は見ながら撃ったのだろうか。 投稿者 東京音頭 日時 2006 年 3 月 21 日 22:57:02)
東京音頭さん、こんにちは。
私の知る限りイシャキの虐殺事件に関する今のところ最も詳しい新情報は、
3月19日付けのKnight Ridder紙の記事
Iraqi police report details civilians' deaths at hands of U.S. troops [KnightRidder]
http://www.realcities.com/mld/krwashington/14138980.htm
【米軍の手にかかって死亡した住民に関するイラク警察による詳細な調査報告】
(これはuruknet.infoにも掲載されています http://www.uruknet.info/?p=m21730&hd=0&size=1&l=e)
だと思いますが、これによると住民たちは偶然、銃撃に巻き込まれたというよりも、
一部屋に集められて故意に処刑されたというような記述になっています。
記事の一部を引用してみますと:
=====================================================================================================================
【前略】
According to police, military and eyewitness accounts, U.S. forces approached the house at around 2:30 a.m. and a firefight ensued. By all accounts, in addition to exchanging gunfire with someone inside the house, U.S. troops were supported by helicopter gunships, which fired on the house.
警察、軍、そして目撃者に共通する証言として、米軍部隊は午前2:30ごろにこの家に接近を開始し、それに続いて銃撃戦が起こったという。さらに建物の内部にいる何者かと銃撃を交わし、米軍の武装ヘリが援護のため家に砲撃を加えたことでも見方は一致している。
But the accounts differ on what took place after the firefight.
しかし銃撃戦の後に起こった出来事に関しては、それぞれの説明が食い違っている。
According to the U.S. account, the house collapsed because of the heavy fire. When U.S. forces searched the rubble they found one man, the al-Qaida suspect, alive. He was arrested. They also found a dead man they believed to be connected to al-Qaida, two dead women and a dead child.
米国側の説明によれば、家は激しい砲火のために崩壊したという。米軍兵士が瓦礫の中を探索した結果、生存している1人のアルカイーダ容疑者を発見し、拘束した。さらにアルカイーダと関係があるとみられる1人の死亡した男性と、2人の女性および1人の子供の遺体を見つけたとしている。
But the report filed by the Joint Coordination Center, which was based on a report filed by local police, said U.S. forces entered the house while it was still standing.
しかし地元の警察が提出した調査書に基づいてJoint Coordination Centerによって作成された報告書には、米軍はまだ建物が立っている間に【破壊される前に】家に入ったと記されている。
"The American forces gathered the family members in one room and executed 11 persons, including five children, four women and two men," the report said. "Then they bombed the house, burned three vehicles and killed their animals."
「アメリカ軍部隊は、ある一部屋に家族を集めて、5人の子供、4人の女性および2人の男性を含む11人を処刑した」とその報告書は述べている、「そのあと彼らは家を爆破し、3台の車両を燃やし、彼らが飼っていた動物たち殺した。」
【後略】
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以上のように米軍の説明と地元のイラク人警察の調査結果に食い違いがみられるわけで、
あとは読む者がそれぞれの主張をどう捉え、どう考えるかにかかってきます。
ただ米軍の主張によると死者は成人男性が1人、女性が2人、子供が1人の計4人であり、
それだけとっても明らかに写真に映っている遺体の数と矛盾します。
またアルカイーダと繋がりがある武装勢力のイラクにおける暗躍というのも、
これまで繰り返し述べられてきましたが、信憑性はますます低下しています。
いっぽう地元警察の調査結果も殺害の場面に関する記述はほんの数行であり、
あまり詳しく述べられているわけではありません。
部屋の内部での殺害なので、目撃者もいないようです。
しかし上記の記事と、このスレットの最初にご紹介した記事からは、
殺害時の状況を推理するための手がかりがいくつか挙げられると思います。
1.遺体はすべてひとつの部屋に集められた状態で発見された
2.少なくともいくつかの遺体は両手を縛られた状態だった(The bodies, their hands bound)
3.全ての遺体には頭部などに銃弾による損傷があった
4.しかし写真をみると各遺体の銃痕の数は少ない(1・2ヶ所程度)
5.現場の瓦礫の中から米軍の銃の使用済みカートリッジが見つかった
はたして米軍の行為は何らかの不可抗力だったのか、それとも故意の殺戮だったのか?
ここからは私の見解になりますが、
全ての遺体には頭部などに銃弾による損傷があったということは、
米兵たちは建物が壊れる前に(二階屋上などから)侵入し、銃撃を加えたことになります。
遺体に残る銃痕の数は少なく、むしろ急所を狙い撃ちした感があるので、
過度の緊張状態から動くものすべてに銃を発射したような状況にも思えません。
すべての遺体がひとつの部屋に集められた状態で発見されたのは、
住民の「殺害後」に遺体をひとつの部屋に集めて建物を爆破し、遺体を瓦礫で損傷させ、
建物の崩壊によって死亡したように見せかける隠蔽工作であると捉えることもできます。
しかし少なくともいくつかの遺体は両手を縛られた状態だったということは、
犠牲者たちはまだ生きているうちにひとつの部屋に集められ抵抗できないように縛られた、
と考えるのが自然で、遺体を一纏めにするためならばもっと別の縛り方をするでしょう。
ということはやはり処刑された(executed)という見方が説得力を持ってきますね。
不可抗力ではなく、いったん拘束したあと改めて決断し、銃で殺害したことになります。
また大人の犠牲者の両手を縛る余裕がある状況で、子供だけは不可抗力だったとも考えにくい。
犠牲者たちはひとつの部屋に集められ、例えばまず何人かが射殺されて大騒ぎとなるなどし、
さらに「口封じ」のため全員がある程度の粗雑さで銃殺されたのではないでしょうか。
このように幼い子供まで殺害するのは信じがたいことですが、歴史的にも前例がありますし、
イラクでは2005年11月19日にハディサで起きた海兵隊による無差別殺戮もかなり酷い。
これについては2006年3月19日に珍しくTIME誌が詳しい再調査結果を掲載しています。
One Morning in Haditha [TIME]
http://www.time.com/time/world/printout/0,8816,1174649,00.html
【ある朝、ハディサにて】
この中で海兵隊は数軒(少なくとも4軒)の家を連続して襲い、老夫婦を射殺したり、
放火によって8人(夫婦とその姉妹、2歳の息子、および3人の若い娘を含む)を殺害したり、
また外に走って逃げた住民を背後から狙い撃ちにしたり、
4人の住民を一部屋に集めてクローゼットの中に押し込んだうえで全員殺害したりしています。
(米軍は4人のうち1人がAK―47を持っていたと主張、クローゼットに関しては否定)
これらの残虐行為は信じがたいことですし、目的が理解できませんが、
やはりイラクにおける米軍はそれを超えた末期症状を呈しているのかもしれませんね。
やはりベトナム戦争でいうと「ソンミ村の虐殺」が起こるような局面に入ったのでしょうか。
異民族に対する偏見や、人命の重み対する感覚の著しい薄れも感じられます。
また米軍はよく作戦前に興奮剤などが含まれた薬物を服用するという話しも聞いたことがあります。
いずれにしても古今東西、軍隊というものには暴走と残虐行為が付きまとうようですね。
イラク戦争とその占領統治下でも、外の世界に伝わってくる情報は氷山の一角にすぎないでしょう。
2006年3月15日にイシャキで起こった住民虐殺事件は、
米軍が「乳幼児殺しの集団」であることを大きく世に曝しました。
これは一部の兵士の暴走であり、米軍全体はそうではないという論は通用しません。
米軍当局が事実関係を真摯に調査し、罪を認めて謝罪し、実行者を処罰しなければ、
米軍がこの事件を組織ぐるみで隠蔽しているのみならず、支持していることになります。
唯一の光明はこのイシャキの事件に関しては米国の企業メディアもある程度報道しており、
独立系メディアやネットのニュースサイトなどではかなり大きく取り上げられていることです。
これらの虐殺の証拠写真も(気が滅入る思いですが)広く転載または紹介されています。
イラク戦争開始から3年経って米国内の反戦気運も高まってきている中で、
9.11の真相を含めてブッシュ政権を追究する動きが目立ってきているような印象を受けます。
米国内でネオコンやユダヤ系資本に対抗する勢力の存在と動きも感じられるようになりました。
このまま行って貪欲な世界寡頭勢力にイラン攻撃まで許してしまうのか(成功するとは思えないが)、
それともその前に数々の大事件や戦争をめぐる一連の真相を明らかにして、
ブッシュ政権を権力から引き摺り下ろし、背後の勢力に大打撃を与えられるかどうかは、
米国民をはじめとした世界中の一般市民の良心と行動および連帯にかかっているのでしょう。