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□ガザが深刻な食料不足に直面 イスラエルの「兵糧攻め」戦略で [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1788548/detail
ガザが深刻な食料不足に直面 イスラエルの「兵糧攻め」戦略で
【アルジャジーラ特約19日】パレスチナのガザ地区で今、主食のパンを作る小麦粉などの在庫が底をつき、深刻な食料不足が起きている。小麦粉不足から、ほとんどのパン屋が営業を停止するなど、同地区での食糧危機は一段と深刻化している。
今回の食料不足が起きた最大の原因は、イスラエルが同国とガザ地区とを結ぶ「アルミンタル(カルニ)」検問所を、既に2カ月近くにわたって閉鎖していること。
物資往来の大動脈となっているこのカルニ検問所閉鎖により、ガザ地区への食料搬入と輸出がほとんど不可能になっている。ガザ地区では1日当たり350トンの小麦粉を消費しているが、同閉鎖で小麦粉が50日間にわたり、イスラエルから全く運び込まれていないという。
イスラエル側の検問所閉鎖による事実上の”兵糧攻め”で一般市民への影響もさることながら、パレスチナ経済も1日当たり50万ドル(5750万円)の損失を被っているという。
こうした事態に、国連緊急援助調整室(OCHA)は19日、「ガザ住民150万人が今、これまでにない食料不足に直面している。原因はイスラエルが検問所を閉じ、この結果、小麦粉が運び込めないからだ」とする緊急声明を出すとともに、イスラエル側に事態改善策を早急に講じるよう要請した。
OCHAの現地担当者シェアラー氏は「事態は極めて深刻。早ければ明日(20日)にもパンは姿を消すだろう。特に貧困層が大きな打撃を受けるだろう。米など他の食料も不足している」との懸念を表明した。
世界銀行の統計によると、ガザ地区住民のうち65%が1日当たり2ドル以下で生活するなど、きびしい状況に置かれているという。
これに対しジョンズ駐イスラエル米大使は19日、テルアビブでパレスチナ側の責任者らと事態の改善へ向けた緊急策を協議した。会見した同大使は「ガザとエジプトを結ぶケレム・シャロム検問所を20日に開き、食料品などの物資搬入を始めるだろう」との見通しを明らかにした。
このため、ガザ地区では営業を続けるパン屋の前には、住民たちが前夜から長い列を作り、朝の営業開始を待ち受ける光景が見られる。「主人が3時間並んで、ようやく小麦粉を手に入れた。次がどうなるかは分からない」と、心配顔で語るのは8人家族を支えるママダンさん(50)だ。
こうした事態に、パレスチナ自治政府議長の報道官は「イスラエルはガザの直面している緊急事態をよく理解すべきだ。子どもを犠牲にしているこの事態を放置はできない」と非難。
これに対し、1月実施のパレスチナ評議会選挙で強硬派ハマスが勝利したことに危機感を募らせるイスラエルは、対抗措置として今回の検問所封鎖を続けている。イスラエル首相府の関係者は「パレスチナ人にダイエットを行っているだけで、餓死させようとは思わない」と述べ、同封鎖でハマス側をけん制する姿勢を見せている。
また、ジョンズ駐イスラエル米大使によると、ケレム・シャローム検問所で20日、関係諸国の当局者たちが食料搬入の緊急策などについて話し合うが、同検問所の規模が小さいことから、パレスチナ側はあくまでも大動脈であるカルニ検問所の再開が急務とイスラエル側に迫ることにしている。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年03月20日11時40分