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2006年03月16日
http://mytown.asahi.com/fukuoka/news.php?k_id=41000000603160004
第2次世界大戦で旧日本軍の捕虜になり、水巻町の炭坑で強制労働に就いた元オランダ兵のヘンク・シグモンド・メリンクさん(82)=写真=の抽象画展が、水巻町古賀3丁目の町図書館で開かれている。過酷な捕虜経験から戦後も続いた苦悩を整理するため、色彩を中心に描いた23点。来日したメリンクさんは「戦争の愚かさを多くの人に伝えたい」と話している。入場無料で18日まで。
1923年、オランダ領東インド(現在のインドネシア)で生まれた。日本軍の占領とともに19歳で捕虜になり、44年に水巻町の炭鉱へ。厳しい労働と粗末な食事で、命を削る日々だった。
日本の敗戦でオランダに帰国。技師として働いたが、捕虜時代の悪夢にうなされる夜が続いた。86年に退職し、美術学校で本格的に絵を学んだ。
「日本のシリーズ」と題した抽象画を描き始めたのは90年代前半。93年に戦後初めて来日し、水巻町を訪問した。町には日本で死んだオランダ兵を慰霊する「十字架の塔」があり、87年から元捕虜と町民が交流を続けている。メリンクさんも文化祭に招かれるなど歓待された。
展示作は「捕虜時代の戦争体験」「日本との和解」「現代の日本の印象」の3部構成。戦時中の不安や終戦による解放感、町民との触れ合いでわだかまりが解けていく過程を豊かな色彩で表現した。次第に色彩が明るくなり、気持ちが癒やされる様子がうかがえる。
メリンクさんは今月14日、外務省の招待で元捕虜の仲間ら3人と来日。絵画展は水巻町での交流事業を支える市民団体「水巻町十字架の墓標・平和と文化を育む会」(黒河博会長)などの協力で実現した。
(外尾誠)