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ハマスの勝利はイスラエルの術策? 中東に広がる陰謀説 [アルジャジーラ]
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投稿者 white 日時 2006 年 3 月 16 日 16:25:51: QYBiAyr6jr5Ac
 

□ハマスの勝利はイスラエルの術策? 中東に広がる陰謀説 [アルジャジーラ]

 http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1779999/detail

ハマスの勝利はイスラエルの術策? 中東に広がる陰謀説

 【アルジャジーラ特約12日】パレスチナ総選挙におけるハマスの勝利は実はイスラエルの差し金である−−−。こんな推測が多くのアラブの政治問題専門家の間で信じられている。イスラエルは西岸におけるパレスチナ分離政策を実行し、ハマスが真の政治運動に発展していくのを阻もうとする目的で、間接的にお膳立てしたというのである。

 ハマスはパレスチナ立法機関で支配権を獲得したが、それによって、イスラエルを承認して交渉する(同時に、欧米からの資金援助を確保する)か、それともよく知られている抵抗闘争の立場を堅持して孤立と財政難に直面するかーーの選択を迫られている。

 どちらのシナリオを選んでも、狭くはハマスに投票した有権者たち、広くはパレスチナ人民全体の間に失望が広がるだろう。

 カイロ大学のハサン・ナファー教授(政治科学)は、米国とイスラエルがこれまでの権力集団であったファタハが分裂、汚職のうわさで弱体化し、しかもパレスチナ人の間で不人気であることを知悉していたという。

 同教授は「イスラエルと米国はハマスが勝つことがわかっていた。ファタハが弱体で分裂していることを知っていたのだ」と語った。

 カタール大学のムハンマド・アル=ミスフィル教授(政治学)は、ハマスの勝利に誰も驚くはずがなかったとして、「街の普通の人間が、特にパレスチナで、ハマスが勝つとわかっていたのに、アッバス自治政府議長が驚いたなどと言ったのは解せない。イスラエルも米国もハマスが勝つとわかったいたが、同時に、両国とも、ハマスが勝っても、どの国もイスラエルを承認しなければ、ハマスと付き合おうとしないので、難しい立場に置かれることも知っていたのだ」と語った。

 地域の政治専門家たちは、イスラエルがハマスの危なっかしい立場を自国のために利用し、大入植地を既成事実として拡大してしまった西岸地域からの選択的撤退を一方的に推進しようとしているのだと信じている。

 イスラエルのカディマ党から国会選挙に立候補しているアヴィ・ディヒター元イスラエル情報機関長は、党は3月28日の総選挙で勝利したら直ちに、新しい「パレスチナ分離」計画の策定を開始すると述べた。

 シャロン・イスラエル首相は1月4日に脳出血で昏睡状態に陥ったが、昨年11月にカディマ党を創設した時、パレスチナが話に乗ろうと乗るまいと、イスラエルの恒久的な国境を策定する意向を明らかにしていた。オルメルト首相代行も、自らシャロンの後継者と名乗っており、シャロン首相に対する国民の同情と敬愛を動員したいと望んでいる。

 同首相代行は、ハマスが和平交渉の相手として適当ではないと明言しながら、国境内にはグッシュエツィオンの西岸入植地群、北部入植地の「アリエル地区」、エルサレム全域、マーレ・アドゥミム地域、国境安全地域としてのヨルダン川を含めることを構想している。

 クレイ・パレスチナ自治政府首相は、イスラエルの一方的な「引き離し」計画がパレスチナ国家をガザに限定しようとするものであるとして拒否している。

 ナファー教授は「ハマスはイスラエル承認というような譲歩を要求されているが、そうした動きそのものが、ハマスを人気にさせた同派のイデオロギーに反している。このケースでは、イスラエルは一方的に分離を進めながら、ハマスが和平の相手になれないと非難することになる」と語った。

 同教授は、ハマスが戦術を変更し、戦略的に思考し、その選択肢を注意深く考量すべきであるとしているが、それは、中東諸国の政府がハマスに迫って対イスラエル交渉の相手役を受け入れさせるのを懸念しているからだ。

 「現在の問題は、アラブの指導者たちがそろって、ハマスに対してイスラエルとの交渉の座に着き、問題を解決するように要求するだろうということだ。エジプトのサダト大統領がかつてイスラエルに行き、次いでキャンプ・デービッド合意に調印した時、彼は問題を解決したと考えたが、イスラエルが調印に応じたのは、エジプトを中東の域内強国の軍事バランスからはずし、そうしておいて、アラブ各国を個々に捕らえて、和平協定というより降伏に近い協定に調印させるためだった」。これが同教授の意見である。

 アル=ミスフィル教授もまた、ハマスが先に権力を握っていたファタハから受け継いだ問題の解決では、多くの障害にぶつかると考えており、「ハマスは国内のすべての問題を処理し、同時にイスラエルという、地上で最もきつい国と交渉することになる。これは極めて忙しい任務だ」と語った。

 しかし、米国務省顧問を務めたことがあるハーラン・ウルマン氏は、イスラエルがハマスの選挙での勝利を「容認」したという考え方を割り引いて考える。同氏は「イスラエルであろうと他の国であろうと、パレスチナで起きたような事態を生み出す能力も接近方法ももっていないし、相手がイラクだろうと、サウジアラビア、エジプトだろうと同じだ。ハマスが選ばれたのには多くの理由がある。ファタハの無能と役立たず、それにハマスがパレスチナ人に人道的な支援と援助をしてきた長い歴史が主な理由だ」と語った。

 マーティン・インダイク元駐イスラエル米国大使はパレスチナ総選挙でのイスラエルの役割を問題外として、「イスラエル政府がハマスが選挙で勝たないように全力を尽くしたり、その後で選挙を延期させようとしたことを示す証拠はたくさんある。イスラエルは、選挙すなわち民主主義だと信じる頑固なブッシュ政権に脅威を感じてもいた」と語った。

 「陰謀説に疑問を呈するなら、ジョージ・ブッシュ(米大統領)は、ハマスがファタハを負かすだろうという兆候があったのに、なぜ選挙を推進したかだね」と同氏は述べた。(翻訳・ベリタ通信=日比野 孟)


2006年03月16日15時38分

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